8月にテントを担いで、大キレットを越えて槍穂を縦走しました。
そのときの装備内容を紹介します。
これからテント泊で槍穂縦走される方の参考になれば幸いです。
基本データ
43歳男性。
登山期間は2022年8月6〜9日。3泊4日。
登山中の雨はなし。但し、半分くらいはガスってました。
装備のポイント
僕にとって初めての槍穂縦走。できる限り疲労を抑えて体力を温存したい!
ということで、登山道具は次の2点にこだわりました。
1点目は装備の軽量化です。
最近流行のUL(ウルトラライト)とまではいきませんが、従来の装備を見直し軽量化を図りました。
新調したのは①リュック、②テント、③シュラフです。
どれも大きくて重いので買い換えの効果も大きかったです。
合計で約2.5㎏も軽くできました。
2点目はストックの使用です。
これまではストックを使うことに抵抗があって、10年以上前に買ったきり、ほぼ一度も使ったことがありませんでした。
しかし上高地から3000mの頂きに登るまでの体力の温存や、上高地に下りる際の膝への負担の軽減を考えて、今回はストックを用いての歩行を選びました。
おかげで大キレットへは体力満タンで臨めましたし、下山の際も足をグニることもありませんでした。
荷物の重量
荷物はテント、シュラフ、4日分の食料などなどです。
事前に計った荷物の重さはストックを含めて12.3kg。
ストックを含めなければ11.8kgです。
これに0.5〜1.5kgの水が追加されるので、行動中の荷物の重さは12.8〜13.8kgになります。
まあご飯のたびに食料が減っていくので最終日は多少軽くなっていたと思います。
続いて、登山道具を順番に紹介していきます。
登山リュック
モンベルのロールアップ式の「キトラパック45」です。
重さは1.3kgです。
今年新調しました。
ULとまではいきませんが、従来のリュックよりも1kgほど軽くなりました。
食料
食料を並べてみました。
上の写真は朝食、夕食などです。
下の写真は昼食です。
朝食
サッポロ一番の袋ラーメン。3食。
夕食
お米1合とフリーズドライのカレー。それぞれ3食。
夕飯はご飯を炊いて、フリーズドライのカレーを食べます。
ただ、1合は多すぎて食べるのがきつかったので、2日目からは0.75合しか炊きませんでした。次回からは減らそうと思います。
お米もフリーズドライも水分を含んでいないので軽量です。調理に使う水をテント場で調達すれば行動中はその分だけ軽くなります!
昼食
1日目はお昼スタートだったので食堂ですませました。
2,3日目はロールパン(1食3個)とソーセージ(1食2本)とベビーチーズ(1食2個)です。
これは僕が20年以上前に所属していたワンゲル部のメニューです。それを今でも踏襲しています。
4日目はカロリーメイト2箱です。
アルコール
お酒はウィスキーの入ったスキットルを1本のみです。
ウイスキーは度数が高いので少量でも十分酔えて最高です。
その他
他にはドライフルーツ(主にバナナチップ)をジップロックに詰めて持っていきます。
お菓子代わりになるし栄養価もあって非常食にもなります。
山の上で食べるドライフルーツは甘くておいしいんですよね。
抹茶ラテも持っていきました。
行動食はスポーツようかん4本とキャラメル、塩タブレットなどです。
着るもの
行動中
上半身: Tシャツ+WIC.クールアームカバー+薄いウインドブレーカー
下半身:サポーテックタイツ+ショートパンツ
基本的に日中に着るTシャツは1着のみです。着替えません。
いちおう予備のTシャツは1枚だけ持っていきますが、どうせすぐに汗をかくので毎日同じTシャツを着ます。(少しでも軽くするため)
アームカバーは直射日光対策です。
長時間太陽光に当たることによる体力の消耗を抑えてくれます。
モンベルの「WIC.クールアームカバー」なら身に付けていても暑くて蒸れるということはありません。案外すぅーすぅーして涼しいです。
サポーテックタイツはモンベル製を履いています。
ふくらはぎや太ももを加圧することで疲労を軽減してくれまし、膝へのダメージも減ります。
薄手なので暑くなく、それでいて肌に直接風が当たらないので稜線では多少防寒にも役立ってくれます。
モンベルのこのタイツはかなり薄いので岩場で引っかけて破れないか心配でしたが、4日間縦走しても無傷でした。
長距離を移動するなら足の負担軽減のためにサポートタイツはを強くお勧めします!
他にはレインウエアももちろん持っていきました。
夜寝るとき
上半身:モンベル ジオラインアンダーシャツ(中厚手)+フリースもしくはULサーマラップパーカー
下半身:モンベルのシャミースパンツのみ
標高3000mのテント場なので夜は夏でも寒いかと思いましたが、結局フリースとサーマラップパーカーを同時に着ることはありませんでした。
またモンベルのタイツ(股引?)を持っていきましたが、これも暑くて履くことはありませんでした。
下着のパンツは毎日替えました。パンツだけはジメッとしているのが嫌なので(^_^;)
ジオラインアンダーシャツは暖かくて蒸れないので就寝時におすすめです。
シャミースパンツも夏山ならこれで十分なくらい暖かいです。
それでいてさらっとしているので、僕は下山して温泉に入った後の着替えとしても活用しました。
夏の平地でも案外着れます。(さすがに激しい運動はきついと思いますが)
ストーブ、食器類
ストーブ: EPIガス REVO-3700 STOVE
ガス: OD缶110 x2個
コッヘル: モンベル スクエアクッカーセット
皿: シートゥサミット Xボウル
コップ: シートゥサミット Xカップ
水筒: モンベル クリアボトル0.5l
ウオーターパック: モンベル フレックスウオーターパック1.5l
EPIガスの「REVO-3700 STOVE」も今年新調したギアの1つです。
20年近く前に買った旧型に比べて非常にコンパクトです。
クッカーセットのなかに収まるので省スペース化にも貢献してくれます。
モンベルのスクエアクッカーセットは別の記事でも紹介しましたが、袋ラーメンを調理するのにぴったりです。また四角いのでリュックの中で無駄に場所を取りません。
もちろんご飯も炊けます。
(※【レビュー】モンベルスクエアクッカー|お約束の袋ラーメン&ご飯も炊いてみた)
お皿とコップは折りたためるシートゥサミットのXシリーズです。
軽いし小さくできるし、目盛りが付いているのでお水を計量できて便利です。
水筒は以前は金属製のものを使っていましたが、今回からは軽量化のためクリアボトルにしました。
ライト類
ヘッドライト:単4電池で動く3000円くらいのもの
ランタン:ピッコロランタン
ピッコロランタンはスリムで軽く、ライトにもバッテリーにもなる優れものです。
(※【レビュー】ピッコロランタン|かわいくて小さいのにライトにもモバイルバッテリーにもなる優れもの!)
毎日のガーミン245の充電や、スマホのチョイ足し充電くらいならピッコロランタンで十分に代用できます。ピッコロランタンがあればモバイルバッテリーは不要です。
(但し、僕は節電のため登山中はスマホの電源をオフにしてます)
寝袋とマット
シュラフ: モンベル ダウンハガー800#3
マット: Fieldoor ウルトラライトエアーマット
シュラフは今年化繊からダウンに買い換えました。
数百g軽くなったうえに、暖かくなりました。
シュラフはコンパクト&軽量&暖かいのでダウンが断然おすすめですね。
マットは軽さとコンパクトさを優先してクローズドマットでもインフレータマットでもなくエアーマットにしました。
エアーマットは穴が空かないか心配ですが、岩場に設営したテントで寝ていても空気が抜けることはありませんでした。
Fieldoorは他の製品をファミリーキャンプでも使ってますが、安くてもモノがしっかりしてますね。ウルトラライトエアーマット、良いと思います。
(※【レビュー】Fieldoor ウルトラライト エアーマットは生地もしっかりしてコンパクト)
テント
ULテントの3FULGEAR製「Lanshan1」を使っています。
ストックをポール代わりに使えて、テント本体のみの重量は800g以下と超軽量です。
今回テント泊の荷物を大幅に軽くできたのはこのテントのおかげだと思っています。
欠点は非自立式なのでペグダウンできない岩場では設営が大変なことです。
しかし今回岩場の南岳テント場でも穂高岳テント場でも、石のみで固定して設営できましたし、風が強くても飛ばされることもありませんでした。
注意点は、ガイラインを引っ張って固定しないとしっかり設営できないため、見かけ以上に場所を取ってしまうことです。
僕が泊まった日はそこまで混んでなかったのでよかったですが、テント場が混雑しているときはテントを張る場所がない可能性があります。
ストック
10年以上前に買ったLEKI製のストックを持っていきました。
ストックは大キレットでは使えませんが、それ以外のコース全般でほぼ使用できます。
特にテント泊は荷物が重いのでストックで重さを腕にも分散すると、足の疲れを軽減できます。
下りで足をグニることも減りますし、なによりサクサク歩けます。
たまに平地でストックをリュックにしまって歩いている方がいますが、あれはもったいないと思います。せっかくのストックを使わない手はないです。
実は僕もストックを使うようになったのはこれで2回目なのですが、あまりの楽さにもっと早く使えばよかったと後悔してます。
テント泊は特に荷物が重くなるので「負荷分散」は安全のためにも大事だなと。
登山靴
登山靴は今年新調したモンベルの「マウンテンクルーザー200」を履いて行きました。
モンベルのミドルカットタイプのなかでは最軽量クラスで片足で400g弱しかありません。
テント泊の重い荷物を担いで、槍穂のような岩場を登るのに、ソールが柔らかくてミドルと言ってもローカットに近いこんな軽量モデルで果たして大丈夫なのか?足を痛めたりしないか?とやや不安でしたが、登ってみれば「マウンテンクルーザー200」で正解でした。
軽いは正義です。平地や下りでは軽快に進めます。
また心配していた岩場もソールが柔らかいから辛いということはありませんでした。
登山靴を軽くして足の保護が減ったのなら、その分だけ足の負担が減るように荷物を軽くしたり、ストックを使えばいいのです。
いつもは辛い上高地の長い下りが今回平気だったのは、軽量な「マウンテンクルーザー200」と歩行を補助するストックのおかげだと思っています。
アタックザック
槍ヶ岳と奥穂高岳のピストンにはシートゥーサミットの「ULTRA-SIL ナノデイパック」を用いました。
重さはわずか30g、サイズは手のひらにちょこんと乗るくらい小さいです。
こんなに小さいですが水筒と行動食とデジカメを入れて山頂をピストンするくらいなら問題なく使えました。
おすすめのポータブルザックです。
デジカメ
スマホの電池がもったいないのと、岩場で写真を撮っている最中にうっかりスマホを落として壊したくないので、僕はデジカメを持ち歩いています。
オリンパスのタフカメラ「TG-6」です。
これは登山のド定番ですね。
今回の縦走中も同じ赤色のモデルを2,3人くらい見かけました。
画質もまあまあいいし、防水で落としても凹むだけで壊れないので気に入っています。
ヘルメット
一つ大事なものを忘れていました。
落石・滑落などの危険な個所も通過するので今回はヘルメットも持っていきました。
ブラックダイヤモンド製のヘルメットです。約250gと軽量なのがよいです。
まとめ
だらだらと長く書いてしまいましたが伝えたかったのは、槍穂縦走という一般ルートのなかではかなりハードなルートを走破するためには、できる範囲で荷物を軽くしよう、ストックは持っていこう、ということです。
軽量化にはやはりリュックサック、テント、シュラフといった重たいアイテムの見直しが一番簡単かと思います。
また僕の場合、今回持っていたったけど着なかった服がいくつかあるのでそのへんを次から減らすかどうかかなぁ。
あと1㎏くらい削りたいです。
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