槍穂縦走 テント泊の旅|2日目 槍ヶ岳を登頂し南岳へ

   槍穂縦走の2日目です。


   この日は横尾を出発し、槍ヶ岳を登り、南岳テント場に泊まります。


   ※1日目はこちら(槍穂縦走 テント泊の旅|1日目 上高地から横尾へ


2日目の山行

2日目のコース

   コースはガーミン245で計測しました。

   計測距離は経験上実際の2割増しくらいになることもありますが、そのまま記載しました。

  • 開始時間: 8月7日 04:35  
  • 歩行時間: 9h 10m
  • 歩行距離: 17.3km
  • 総上昇量: 2015m
槍穂縦走 2日目コースMAP

朝の横尾

   昨日の事故渋滞の遅れを取り戻すため、この日は3時に起きて暗いなか動き始めました。


   朝食はサッポロ一番の「しょうゆ味」です。

サッポロ一番しょうゆ味


   僕は基本は塩派なのですが、朝食は3回あるので「しょうゆ」「みそ」「しお」全部買って持ってきました。

「しょうゆ」は初めて食べた気がしますが、特製スパイスが効いていておいしかったです。


   テントを撤収して4時半に出発。

   空は明るくなり始めていますが、道は暗いなかヘッドライトをつけて歩き出します。

朝の横尾

一ノ俣

   上高地から横尾まではわりと平坦で上昇量は100m程度でしたが、横尾から槍沢まではいよいよ登りが出てきます。

   槍沢ロッヂまで約300m上昇します。


   ちょうど中間点くらいに橋があり、その橋を渡るとベンチがあります。

一ノ俣

   ここで荷物を下ろして小休止。


槍沢

   槍沢ロッヂまでは1時間20分かかりました。

   テント場はさらに先にあり、約30分かかります。

槍沢ロッヂ

   小屋の前から遠くに槍が見えました。(写真の中央にちょこんと)

槍沢ロッヂから槍ヶ岳

赤沢岩小屋

   ほんとの大昔はこの岩の下で宿泊していたそうです。

赤沢岩小屋

ババ平

   槍沢のテント場です。

ババ平 テント場

   水場とトイレもあります。

   僕はここで水を補給しました。


   本当だったら今日はここから出発のはずだったのに……

   約2時間のロスです。


   ま、愚痴っても仕方ないので、気持ちを切り替えます。

   ここからいよいよ本格的な登山です。

   標高差1000mを上昇し槍ヶ岳山荘を目指します


水沢

   標高2500m付近にある水場です。

水沢

   水がとっても冷たいです。気持ちいい!

   僕はここで顔を洗って水も汲みなおしました。


   よい休憩ポイントです。


   この少し前くらいから槍を目指す登山客が続々と増えてきました。

グリーンバンド

カウントダウン1500

   槍ヶ岳山荘まで1500mの地点からカウントダウンが始まります。

   写真は1300m地点。

槍ヶ岳山荘までのカウントダウン

   右手に殺生ヒュッテも見えてきました。

   このへんから登りがキツくなってきます。

   そして近くに見える殺生ヒュッテがなかなか追い越せません。

槍!!

   ガスがかかっていた槍の穂先が一瞬見えたので、逃さずにパシャリ。

槍!!

   槍の雄姿を見るとテンション上がりますね。


槍ヶ岳山荘

   足がガクガクになった頃に槍ヶ岳山荘に到着。

槍ヶ岳山荘

   いよいよ槍ヶ岳!

   ……とその前に、昼食のロールパンとソーセージとベビーチーズを食べてエネルギーをチャージします。

   それから荷物を山荘の前に置いてアタックザックに変えて荷物を軽くします。

槍ヶ岳

   いざ出発!


槍ヶ岳

   槍ヶ岳は山荘前から見上げると、登山者たちが岩壁に張り付いているようで怖そうですが、実際にはそこまで危険なところはありません。

   慎重に三点支持を心がけて登れば大丈夫です。

   案外、距離も短いですし。上りと下りも分かれているのもありがたい。

   ただ最後の長いはしごだけは高度感があってちょっぴり怖いです。

槍ヶ岳 最後の梯子

   今日はガスが出たり晴れたりのルーレットのような天候です。

   山頂は果たして……、

槍ヶ岳山頂

   残念!

   ガスっていてほとんど眺望は得られず。


   これが4回目の槍ヶ岳ですが、学生時代に登った最初の1回のみ快晴で他は全てガスっているという惨敗っぷり。なかなか晴れないなぁ。


槍を後に南岳へ

   まずは槍穂縦走の第一関門「槍ヶ岳」クリア!

   といっても今日の登山はもうちょっとだけ続きます。

   明日の大キレット越えのために、今日は大キレット手前の南岳テント場まで進んでおきたい。


   山荘で水を500ml追加して、出発!


槍ヶ岳テント場

   南岳へはテント場を通過して進みます。

   毎回思うのですがよくこんな狭いところにテントを張れるもんだなぁと。

   テントの棚田ですよね、ここは。

槍ヶ岳 テント場

大喰岳・中岳

   槍ヶ岳から南岳のコースは平坦かと思いきや、意外とアップダウンが激しく、想像よりも疲れました

   危ない箇所はないですが、気を引き締めていかないと思わぬ事故も。


   基本的にガスっていたため、眺望もいまいち。

槍ヶ岳ー南岳


   大喰岳に向かう途中に振り返ると、ガスの中に槍ヶ岳と山荘が見えました。

   いったん下がってから上がっているのもわかるかと思います。

槍ヶ岳 大喰岳付近から

   ただ大喰岳はどこにあったのかわからず。

   気がつけば通り過ぎてました(^_^;)


   途中で見かけたライチョウさん。

ライチョウ


   中岳への上り。

中岳

   こうして見るとけっこう登りますね。

   山頂付近には梯子が2つあります。


   中岳山頂。

   残念ながらここもガスのなか。

中岳


   中岳からは岩のごろごろしたところを下ります。


   天狗原との分岐点。

   奥に見えるのが南岳です。

天狗原との分岐点

南岳

   分岐点から少し登ると、南岳山頂です。

   ここも眺望ほぼゼロでした。

南岳

   そういえば3日間雨に降られることはなくまあまあ晴れていましたが、ガスっていたため、眺望を楽しめた記憶がないなぁ。


   南岳まで来ればあとは下るのみ。もうちょっと!


南岳小屋

   本日のゴール!!

南岳小屋

   テントの受付を済ませます。

   1張り1人で2000円でした。


   水は小屋の中で24時間販売していて、500mlで100円でした。(雨水です)   


南岳テント場(ペグ不可)

   テント場に着いたのは14時頃。

   混雑していたらどうしようと不安でしたが、お盆前ということもあり空いていました。

   場所は自由に選べました。

   なるべくトイレに近い場所にテントを設営します。


   ここの地面は全くペグが刺さらなかったので石のみでテントを固定します。

   僕のテントは非自立式の3FULGEAR”Lanshan1”です。

   このタイプのテントはガイライン(ロープ)をピンと張ることで立ち上がるので、ガイラインの固定が超重要です。


   ロープで輪っかを作って石を縛ったり、ロープにペグを挿してそのペグの上に石を置いたり又は石で囲んだり。いろいろなやり方でロープをピンと張ります。

3f ul gear lanshan1 南岳テント場 設営

3f ul gear lanshan1 南岳テント場 設営

   ロープをある程度固定したらストックを中央に入れてテントを立ち上げます。

   立った!!

3f ul gear lanshan1 南岳テント場 設営

   この後も何度か石を変えたりロープを引っ張り直したりして形を整え直しました。

   非自立式テントは軽量なのが素晴らしいですが設営にかなりテクニックが必要です。もっと慣れなければ。


   テント設営後は小屋前のテラスでお湯を沸かして抹茶ラテを飲みました。

   甘くて渋くて、疲れた体にしみる〜〜。

抹茶ラテ

   夕食は昨日と同様にご飯を炊いてフリーズドライのカレーです。

ご飯とカレー


   夕方ごろのテント場の様子。

   結局この日は十張程度で、テント場は広々としていました。

南岳テント場

   実はこのテント場、景色がめっちゃ最高なのです。

   しかしこの日はずっとガスっていて気づきませんでした。

   美しい光景は翌朝、一瞬だけ見ることができました。(次回紹介)


トイレについて

   南岳テント場のトイレは少ないです。

   女性用が1つと、男女兼用が1つと、男性用の小便器が1つです。

   この日はお客さんが少なかったので混みませんでしたが、繁忙期は朝が大変そうです。


大キレットを臨む

  夕方、小屋の近くの展望台まで行き、大キレットを自分の目で確認してきました。

南岳小屋の展望台から大キレットを臨む

   ガスっていてなかなか全貌を捕らえられませんでしたが、ごっつい岩壁を見ていると「うわーこんなところを登るのかー」とおっかなびっくり。

   でもここを越えたらきっと達成感がすごいんだろうなぁとも思うと、ビクビクが8割、ワクワクが2割の心境です。 


夜のテント場

   南岳テント場は風が強いです。

   夜になると風が強くなります。

   テントはかなり風にあおられました。

   フライがバタついてけっこううるさかったですが、テントがめちゃめちゃ歪むということはなく、倒壊の不安はありませんでした。


   非自立式テントは風の影響が心配でしたが、風のなか一晩寝てみて「案外イケるやん」と感じました。


次回へ

   槍穂縦走も前半が終わりました。

   いよいよ次回、核心部である大キレットに挑戦です!

   ⇒3日目はこちら!(槍穂縦走 テント泊の旅|3日目 大キレットを越えて穂高岳山荘へ


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