【レビュー】3F UL GEARテント「Lanshan1(4season)」|軽量ワンポールテントで夏山縦走!試し張り編

   3F UL GEARという中国メーカーのワンポールテントLanshan1を購入しました。

   いわゆるULテント(ウルトラライトテント)に分類されるテントで、ポールを除いた重量がたった950gしかありません。


   この記事ではまずLanshan1を買うに至った経緯を書きます。

   次に実際に試し張りをした感想を書きます。

   最後に今回商品を中国から個人輸入したのでその顛末を記載します。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" 正面

登山道具の軽量化

   夏秋の縦走に向けて登山道具を軽くしています。

  手始めにザックとシュラフを買い替えて約1.5kg軽量化しました。

   次はテントです。

   いま僕が使っているプロモンテのVS-20は頑丈で室内も広くてそこそこ軽いのですが、更に軽い装備を目指すとなると、約1.6kgという重量がネックになります。(2人用と思えば十分軽いんですけどね)


   もっと軽いテントがほしい!

   理想は1kg未満です。


ULテントがほしい

   ネットでいろいろ調べているとULテントというジャンルがあることがわかりました。

   そうしたテントでは1kgを切るものもザラです。


   僕が求める条件を書くと下のようになります。

  • 重量は1kg程度
  • シングルウオールではなくダブルウオールがいい(結露が嫌なので)
  • できれば自立式がいい(ペグが刺さらないところでも立てられるから)
  • インナーテントがフルメッシュなのは嫌(寒そうなので)
  • 安いほうが嬉しい(金欠気味なので)

   全ての条件を満たすものはULテントといえどみつかりませんでした。

   ただ、このなかの「自立式」をあきらめると、3F UL GEARの Lanshan1がほぼ条件を満たします。


   Lanshan1はトレッキングポールを利用した非自立式のワンポールテントです。

   その代わり重量は1kg弱と軽量です。(ポールの重量は除く)

   またダブルウオールで、インナーテントが4season対応(フルメッシュではない)で、値段も2万円弱と安いです。


   但し、’22年3月現在、4season用のLanshan1は国内販売されていないようだったので、僕は3F UL GEARの公式サイトから直接注文して、中国から輸入しました。

   初めての海外通販だったので本当にものが届くのかドキドキしましたよ。


Lanshan1 開封の義

   注文してから3週間でテントが届きました。


   段ボール箱に入っていて、わりとしっかり梱包されていました。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" 外箱

   中身を取り出してみます。

   左の茶色のかたまりがテントで、右の黒色の袋がテントと合わせて購入したグランドシート(フットプリント)です。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)"とフットプリント

   Lanshan1の収納サイズを500mlのペットボトルと比較してみます。

   けっこう小さいのがわかります。

   そして持ってみるとわかるのですが、とても軽い!

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)"と500mlのペットボトル

   収納袋からテント本体を取り出します。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" 収納袋から取り出した状態

   テント以外にはペグ9本とガイライン3本、それから補修用の布が入っていました。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" テント ペグ ガイライン

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" 付属のペグ

   縫い目にはシームテープが貼られていて、防水加工済みです。

   なお、無印ではない”Lanshan1 Pro”はシームされていないようです。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)"  縫い目のシームテープ

   張り綱で引っ張られたりしてテンションがかかるフライの一部やフロアの隅などには布が一枚多く貼られており、強度アップがなされています。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)"  フライ 強度アップ部分

   縫製もしっかりしています。

   パッと見た感じでは安いからといって雑なところは見当たりません。


   フロアやフライの質感はカサカサした感じ。

   これまで使ってきたアライテントやプロモンテのテントとはちょっと違いますね。

   雨の日にどれだけ耐えてくれるかは試してみないとわかりませんが、フロアシートは思っていたよりも厚かったのでちょっと安心しました。


   ただフロアシートの中央に縫い目が横断しているのには驚きました。

   いちおうシームテープは張られているしフットプリントもあるので簡単に浸水することはないと思うのですが。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)"  フロアシートの縫い目

試し張りをしてきた!

   晴れた日に、公園にLanshan1を持ち出して試し張りをしてきました。


1. グランドシートを敷く

   テントを張りたい場所を決めたらグランドシートを広げます。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)"  グランドシート

   五角形のグランドシートの5点をペグダウンします。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" グランドシート ペグダウン

2. テントをペグに引っ掛ける

   グランドシートの上にテントを置きます。

   テントはフライとインナーテントが一体化されているので一手間省けます。

 

   先ほどグランドシートを固定したペグにフロアとフライのガイラインを引っ掛けてテンションをかけます。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" テント本体 ペグダウン


   1本のペグで合計3本のラインを引っ張ています。頑張り屋さんです。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" テント本体 ペグダウン

3. トレッキングポールを柱にする

   いよいよテントを立ち上げます。

   柱となる中央のポールは自前で用意します。

   猛者(もさ)はその場に落ちている木の枝を利用するそうですが、ここでは無難にトレッキングポールを使います。

   ポールの長さは125cmに合わせます。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" トレッキングポールを柱にする

   ポールの先端をテントのどこに当てればいいのかよくわかりませんでしたが、とりあえず下の写真のような感じで立てました。

   フロア側はグロメットに差し込んで、

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" トレッキングポールを柱にする

   フライ側はベンチレータの内側あたりの堅そうな部分に、グリップを潜り込ませました。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" トレッキングポールを柱にする

4. 正面のガイラインを張る

   ポールを立てただけだと不安定なのですぐに正面のガイラインを張って、前後左右からポールにテンションをかけます。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" 正面のガイラインを張る

   他の方の設営動画を観てると、ポールを立てる前に正面のガイラインをペグダウンしていました。風が強いときはその方が安定していいかも。


   ちなみに正面のガイラインは、フライの上部と下部をまとめてトライアングルで引っ張っています。

   1本の綱で2役をこなすことで、ペグダウンの回数を減らしていて賢いです。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" 正面のガイラインを張る

5. 残り3箇所のガイラインを張る

   最後に左右と後ろのガイラインもペグダウンします。

   下の写真は右側のガイラインです。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" 横のガイラインを張る

   この3本のガイラインは、ペグの入っていた袋の中に入っていたものです。

   僕は設営の前にフライに結んでおきました。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" 設営完了!

   これで完成!!

   ……なのですが左右のバランスが悪いですね。

   初めて非自立式のテントを立てましたが、公式サイトの写真のようにピンっと美しく張るのは難しかったです。

   もっと練習せねば。


   なお設営には10分かかりました。

   初めてにしては早かったのではないかと思います。


テントの外観をチェック

   いまいち奇麗に張れませんでしたが、気にせず外観を見ていきます。


   まずは正面斜め。

   今更ですが、カラーはカーキーを選びました。

   他にはグレイとグリーンがあります。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" 正面

   右下には"3F UL GEAR"のロゴ。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" ロゴ

   背面斜めから見たところ。


   フライシートの厚さの参考に手を透かしてみました。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" 透け具合

完成したテントに入ってみよう!

   それでは中に入ってみましょう。


   まずはフライの入口を開けます。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" インナーテント

   4season対応のインナーテントなのでメッシュ部分が少ないです。

   3season対応のインナーテントはフルメッシュになります。

   僕は寒い秋山でテント泊することも考えて4season対応を選びました。

   なお、4season対応のインナーテントの入口は二重扉ではないためメッシュにはなりません


   中に入って、入口から足元側を見たところ。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" 5角形のフロア

   フロアは五角形になっています。

   両端の幅は80cmとやや狭いですが、中央の幅は100cmと広くなっています。


   この中央部分にザックを置きます。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" 5角形のフロア ザックを配置

   そしてその横にシュラフを敷きます。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" 5角形のフロア ザックとシュラフを配置

   ザックに干渉することなくシュラフを敷けました。

   フロアが五角形というのは、荷物を置けるスペースができるので、良い形だと思います。


   テントの長辺は230cmと長いです。

   そのためシュラフの足元も頭の上もインナーテントとの間に余裕があります。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" 5角形のフロア ザックとシュラフを配置

   まだ泊ったことがないのではっきりとはわかりませんが、内壁の結露でシュラフが濡れることはなさそうです。


   天井にはランタンフックがあります。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" ランタンフック

   小物入れも1つあります。

   注意書きは中国語です。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" 小物入れ

   フロアの5隅はパッチで強化されています。

   想像していたよりもずっと作りがしっかりしている印象です。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" 5隅のパッチ

   入口上部のメッシュから外を見てみたところ。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" メッシュ

   写真だとわかりづらいですが入口付近は天井が高い(125cm!)ので、中央に座ったときに頭が天井に当たることはありません。テントのなかで過ごしやすいです。


   そうそう、写真を撮り忘れましたが前室も広いです。

   フロアは5角形ですが、テント全体では6角形になっています。

   その最後の1点を中心にしたデルタ地帯が前室です。靴を置いたうえでガスコンロ(登山用のシングルバーナー)を余裕で置けるくらいの空間がありました。


   最後に撤収時の写真を貼ります。

   テントが6角形をしているのがわかります。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)" 6角形

中国から取り寄せたらどれだけかかるか?

   3F UL GEARの公式サイトでテントを注文してから手元に届くまでの実際の行程を書きます。

  • 2月 9日 注文
  • 2月16日 商品発送
  • 2月17日 4PX集荷
  • 2月23日 香港到着
  • 2月24日 香港出発
  • 2月27日 日本到着
  • 3月 1日 税関から発送
  • 3月2日 受け取り完了


   全体でおおよそ3週間かかりました。

   注文から発送までが1週間、発送から到着までが2週間です。


   なお、運送料は安くしたかったので安い代わりに時間のかかる運送手段($20.00 via Economic)を選びました。


   また荷物の追跡は4PXのサイト(運送業者?)で随時確認できます。


まとめ

   3F UL GEAR製のULテントLanshan1を購入して試し張りをしました。

   初めての中国製、初めての個人輸入、初めてのULテント、初めての非自立式、ということでいろいろ不安でしたが、試し張りをした限りでは性能に満足しています。


   ファーストインプレッションは次のとおりです。


Lanshan1の良い点

  • 重量が1kgと軽い
  • ULテントだけどフルメッシュではない4season対応Ver.がある
  • ザックを置いても室内がそこそこ広い
  • 前室が広く入り口付近の天井も高い
  • 設営も早い
  • 価格も2万円弱で安い

Lanshan1の良くない点

  • 非自立式なのでペグの刺さらないところでの設営が大変そう
  • 初回ではきれいに張れない(きれいに張るには練習しなきゃ)
  • 別途ポールが必要
  • 意外と場所を取るので設営場所を選ぶかも?


   まあ良し悪しありますが、なんといっても軽い!

   軽いは正義ですね!

   そして必要十分な空間の確保。

   試し張りということで僅かな時間しかテント内に居ませんでしたが、狭いと感じることはありませんでした。

   靴を脱ぎ履きしたり調理したりする入り口付近の天井が高いのが良かったのだと思います。


   また細部の作りも見た限りしっかりしていますし、びっくりするくらい不満はないです。

   中国製恐るべし。

3FULGEARテント "Lanshan1(2021Ver.)"

   あとは実際にキャンプ(特に登山で)をしてみてどうか、ですかね~。

   特に、この商品云々というよりも非自立式テントということで、使ってみるといろいろ困ったところが出てきそうです。

   またキャンプで使ったらレポートしたいと思います。


   ⇛ 自転車で小旅行してきました(【レビュー】3F UL GEARテント「Lanshan1(4season)」|3月のキャンプ場で1泊してみた!自転車旅編

   ⇒夏の槍穂を縦走してきました(槍穂縦走 テント泊の旅|1日目 上高地から横尾へ


余談

  ”3F UL GEAR”は日本ではマイナーですが、世界的にはかなりメジャーなものと思われます。

   何故なら「Lanshan1」でYouTube検索すると外国語のレビュー動画がたくさんヒットするからです。

   知らない中国メーカーだと不安がありますが、グローバルに知られているとわかると安心感がありますね。


   日本メーカーもがんばってほしいです。

   ULテントを出してくれたら購入しますよー。(いまのところファイントラックくらい?)

   本来、軽薄短小は日本が得意とするところだと思うんですけどもね。。。


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