唐松・五竜・鹿島槍ヶ岳 二泊三日縦走 感想 | 2日目 晴れ!大パノラマを満喫

   唐松・五竜・鹿島槍ヶ岳縦走記の続きです。

   前回(1日目)の記事はこちら→(唐松・五竜・鹿島槍ヶ岳 二泊三日縦走 感想 | 1日目 雨の山行は辛い


   今回は2日目、唐松テント場から五竜岳を経由してキレット小屋までの山行です。

五竜岳

2日目 晴れ!(五竜、キレット小屋)

朝の唐松テント場

   4時に起床。

   起きたときはまだガスっていましたが、テントを撤収しトイレをすませて出発する頃には、昨日見えなかった唐松岳の山頂も見えるように……ん、ちょっと見えないか(^_^;)

ガスの中の唐松岳

   ともかくなんとか晴れそうです。

   これなら行けるかな、ということで登山続行です。

   6時にテント場を発ちました。


大黒岳

   歩き始めるとすぐに鎖場が現れました。

大黒岳までの鎖場

   日が昇るにしがたい、徐々に視界がクリアになります。

   そして目指す五竜岳が姿を現しました。

   五竜岳のずっしりとした山容はいつ見てもかっこいいです。

五竜岳

   まずは最初のピーク大黒岳へ。

   ここはどこがピークかわからないようなちょっとした凸でした。あっさり通過。

大黒岳

   ここまでの間にいくつか鎖場がありました。

   昨日までのただ登るだけの登山と違い若干難易度が上がります。

   雨だと大変だったかも。


五竜山荘

   山荘到着!!

五竜山荘

五竜山荘

   道も割と平坦なところが多く、スムーズにたどり着きました。

   山荘でミネラルウオーターを買い、山荘の前のテーブルで休憩。

   1回目の昼食にします。

五竜山荘 テーブル

   ここで、昨日同じテント場だった3人組と合流。

   荷物が僕よりも2回りほど大きく、今どき珍しい重装備です。

   聞くと25kgほどあるとか。

   また合計14日ほど山に滞在する予定だそうです。

   今日はかなり早いですが移動を終えて五竜でテントを張ると言ってました。(9時頃着)

   昨日は雨のため動かずに唐松で連泊していたそうですし、今日は冷池山荘までだと行程が長くなるからここでストップしたそうです。

   こんなふうに焦らず、気長に、仲間たちと楽しく山をうろうろと旅するのもよさそうですね。素敵です。

五竜山荘 高山植物

絶景の五竜岳

   五竜岳には10年以上前に登ったことがあります。

   今回は2度目です。

五竜山荘前から五竜岳を臨む
五竜山荘前から五竜岳を臨む


   あまり記憶になかったのですが、かなりの岩稜。

   登るのは思ったよりも苦労しました。山荘から近いのに……

五竜岳 遭難碑

   途中で朝一時に扇沢を発ったというトレランの方に出会いました。

   今日は唐松か天狗山荘まで行くそうです。速いー。じ、次元が違う……。


   人のことは気にしても仕方ないので、こちらはえっちらおっちら重いテントを背負ってなんとか頂上に。

五竜岳山頂

   そこは360度の大パノラマ!!

   いやっほーー!!!


   唐松岳から、

五竜岳山頂 唐松岳方面

   剱岳から、
五竜岳山頂 剣岳方面

   鹿島槍から、

五竜岳山頂 鹿島槍方面

   白馬村と思われる町並みまで、

五竜岳山頂 白馬村を臨む

   どこを見ても最高の景色です。

   うおおおおっ!

   晴れてるって素晴らしい!!


長い鎖場と見えない小屋

   ここから五竜岳を下ってキレット小屋を目指すのですが、とにかく長い!

五竜岳 下り 岩場

   距離的にはそれほどでもないのですが、鎖場や梯子の個所が長いので意外と神経を使います。神経を使うので長く感じます。

   気をつけていれば決して危なくはないんですけどもね。

五竜岳~キレット小屋 鎖場


五竜岳~キレット小屋 鎖場

五竜岳~キレット小屋 梯子

   またキレット小屋は五竜の山頂から見えません。

   鹿島槍の裾にあるはずなのに全く見えません。

   そしてどんなに進んでも見えてこない。

   次のピークを超えたら、あの岩を過ぎたら、そう思って歩くのですが、いっこうに影も形も見せません。

   本当にそんな小屋あるの?マヨイガか忍者の里か?と戸惑ってしまいます。


   そして最後の最後、残り100mになってようやく小屋が見えるのでした。

   このゴールがわからないところも、このコースを長く感じさせる要因の一つです。

キレット小屋


   小屋は狭いコルにすっぽりハマるようにして建っていました。

   よくこんなところに建てたもんだ。


   小屋の前で2回目の昼食を取ります。

   目の前には剱岳。贅沢な眺めです。

キレット小屋 テーブル

   時間は13時。

   ここから鹿島槍までのコースタイムが2時間半と長いので、冷池山荘を目指すのはあきらめました。

   晴れてるのでテント泊をしたかったのですが無茶はいけません。

   今日は予定通りおとなしく小屋泊まりにします。


キレット小屋の様子

   僕は素泊まりなので料金は8500円でした。

キレット小屋


   受付の前に自炊室兼談話室があります。4〜6名が囲めるテーブル。
キレット小屋 自炊室

   その奥に下駄箱と乾燥室があります。


   宿泊室は2階になります。

   一人分のスペースをクリアパネルで間仕切りされてました。

キレット小屋 寝床

   この日の宿泊客は僕を入れて6名ほどでした。

   前日の雨とコロナのおかげ(?)で少なかったのかな。

   みなさん、トレランだったりそうでなくてもテントを持たない軽装でした。(そりゃそうだ)


テントか小屋か

   僕は普段小屋に泊まりません。一人旅で小屋に泊まるのはこれが2回目です。

   なんか小屋に泊まると負けた気がするんですよね、テント人間としては。

   あと、テントに比べると値段も高いし。

   今回は歩行距離とコロナ禍の予約制の問題で小屋泊まりを渋々選びました。


のんびりとした時間と夕飯

   小屋に着いた時間が13時と早く、テントを設営しなくてもよいので、夜までたっぷり時間があります。

   小屋の前のテーブルに座って持ってきたウイスキーをちびちびやりながら、バナナチップ(山の定番のおやつ)をかじって、時間が過ぎるままにぼぉっと北アルプスの景色を見ていました。

   目の前には劔岳と毛勝三山がそびえていて、それはそれは美しかったです。

   しかもガスが晴れてくっきりと姿を見せている時間がけっこう長くありました。すばらしい!!

キレット小屋からの景色(剱岳)


   17時ごろに自炊室で夕食を作って食べます。

   自炊は僕だけでした。

   昨日同様、レトルトのカレーとご飯です。

キレット小屋 自炊

   この日もご飯がふっくら炊けず、残念。

   昨日の反省を生かして水は多めにしたのですが火にかける時間が短かったかなぁ。

   何年やってもおいしく炊けるのは5回に1回くらいです。涙


小屋からの夕焼け

   小屋の前で夕焼けを待ちながら東京から来たというトレランの方とお話ししました。

   お子さんはすでに独り立ちしているというので五十代半ばでしょうか。

   東京住まいですが、いまは奥さんと白馬村に来て3週間ほど「コンドミニアム」に滞在しているそうです。

「コンドミニアム」は初めて聞く言葉ですが、キッチンなどのついた宿泊施設だそうです。

   マンスリーホテルがビジネス用だとしたら、コンドミニアムは観光用というふうに理解しました。

キレット小屋からの景色(剱岳)

   白馬村に奥さんと長期滞在して、二人で観光したり軽い山登りをしたりして、たまに許可をもらって、旦那さんのみ今日みたいにハードな登山をしに来ていると話してました。

   それはなんと楽しい休暇の過ごし方!


   また、子育て中の自分時間について「自分が1回出かけたら、妻も1回出かけるというふうにバランスを取るのが大事」とアドバイスをしていただき「いま僕は子育てが終わって次のステージ。自分ひとりの時間を持ちつつ妻と二人で出かける時間をどう作るかが課題」と話してました。

   その解答の一つが「コンドミニアムに二人で滞在して、合間を見つけて一人トレランすること」なんですね。納得。

キレット小屋からの夕方の景色(剱岳)

   お話している間にも小屋の前の景色は刻々変化します。

   ときどきガスで白くなったりガスが流れて全てが鮮やかに現れたり。

   夕焼けのときには目の前の剱岳がこんなにも堂々と美しい姿を見せてくれました。

キレット小屋からの夕焼け(剱岳)

「世界は美しい、時間よ止まれ」な気分。

   こんな日のためにきっと僕たちは生きてる、と思えてきます。

キレット小屋からの夕焼け(剱岳)

   日が沈んでから寝るまでの間、談話室に何人かが集まって、これまで行ったことのある山の話をしたり、僕も自分が行ったことのある五色ヶ原や雲の平の話をしたりしました。

   みなさん行ったことある場所行ったことのない場所様々でした。

   うん、山好きが集まって山の話をするのは楽しい!

   テント泊では得られない貴重で楽しい時間を過ごせました。


夜の山小屋は寒くない

   コロナ禍なので布団を使うときはシーツが必要、と言われたので僕はシーツ代1000円を払わずに持参した寝袋で寝ました。

   でもテントと違って暖かかったです。ちょっと寝汗をかいたくらい。

   寒くないしゴツゴツしてないし、小屋は体力が回復しますね。


   2日目は晴天で、五竜岳からの大パノラマを満喫し、キレット小屋の前の美しい夕焼けを見て心が洗われました。

   しかし、明日から再び天気が悪くなる予報が……下山はどうなる!?

   次回へ続く!!(⇛唐松・五竜・鹿島槍ヶ岳 二泊三日縦走 感想 | 3日目 八峰キレットを越え下山


2日目 山行データ

   ガーミンのGPSウオッチ245で計測しました。

   (登山のときのガーミンの計測距離は2~3割ほど大きく出ます)


   出発時間: 06:14

   歩行時間: 6h41m

   歩行距離: 10.85km

0811MAP 五竜岳 キレット小屋


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