研究!冒険!こんな夏を過ごしたかった ~映画「ペンギン・ハイウェイ」BD感想

   森見登美彦原作の「ペンギン・ハイウェイ」の映画Blu-rayを観ました。
   原作も読みましたが、いい感じに忘れていたので、新鮮な気持ちで映画も楽しめました。
ペンギンハイウェイ Blu-ray 通常版

簡単なお話の紹介

   毎日努力を怠らず勉強している研究好きの小学生のアオヤマ君と、そのアオヤマ君のお気に入りでおっぱいの大きな歯科医院のお姉さんが、物語の中心人物です。
   住宅街に突然ペンギンが現れたり、同級生のハマモトさんに連れられて入った森の奥に謎の球体”海”が浮かんでいたり、お姉さんからは「私という謎を解いてごらん」となぞかけを出されたり。
   SFのようなファンタジーのような哲学のような、不思議な物語です。

かわいくて楽しい

   端的に言って、楽しかったです。
   こんな子供時代を過ごしたかった、こんな夏休みを過ごしたかった、こんなお姉さんが近くにいてほしかった。そう思える映画でした。

   そしていろいろかわいかったです。
   まずペンギンがかわいいし、登場人物の少年少女がみんなかわいい。かしこいアオヤマ君も、よく転ぶウチダ君も、将来美人になりそうなハマモトさんも。いじめっ子のスズキくんは……まあ小憎らしいけど許容範囲かな。

   作中、かなりの頻度でアオヤマ君が「おっぱいおっぱい」と連呼していますが、それもかわいいの範疇かなぁ。隠さず開けっぴろげのおかげで、いやらしくないので。

  またラスト30分くらいからクライマックスに向かっての盛り上がりは、いかにも映画らしいカタルシスがあり最高でした。
   PVにもある、どわーってあふれ出てきたペンギンにアオヤマ君とお姉さんが乗って飛行するシーン。ここを観たくて、Blu-rayを買ったのですが、予想通り良かったです。
   躍動感あり、疾走感あり。映像が気持ちいい!(下記の映像の1分10秒あたり)



   綺麗な憧れのお姉さんがいて、登場人物みんなかわいくて、冒険要素があって、それが夏だったら、そりゃもう「楽しい!」以外の感想なんてないですよね。

   ただ、惜しい点としてちょっと冗長かなと思いました。118分は長い。
   うちの小学2年、1年、年少の子ども3人に見せるには長すぎて、最後まで付き合ってもらえるか不安になります。あと10分短かったらなおよかったと思いました。まあ原作も長いので仕方ないところかもしれませんが。

僕は努力をしたかったのかもしれない

  それにしても、アオヤマ君がいろんなことに興味を持ち研究にいそしんでいる姿がうらやましくて眩しかったです。

   僕にだって子供時代や夏休みはあったはずなのになー。いやそれなりに冒険もしたんですよ、友達と秘密基地を作ったり、川の上流を目指して自転車で旅に出たり。
   でもなんだろ、きっとアオヤマ君のような研究心がなかったんだろな。いつだってあと少し何かが足りなかった。とても簡単なことに満足して、それで終わってしまった。
   だからペンギンも出てこなければ”海”にも遭遇しなかった。研究が足りなかった。世界について学び解明するための努力と研究!!

   こんなことを言うと恥ずかしいけど、たぶん僕は子どものころもっと努力をしたかったのかもしれない。そして、もっと真摯に世界と向き合いたかったのかもしれない。
   そんなことを、「プロジェクトアマゾン」と称してウチダ君と探検に出かけたり、パラソルの下でハマモトさんたちと”海”を観察しているアオヤマ君の姿を見ながら、思いました。
ペンギンハイウェイ Blu-ray 通常版

お姉さんとはなんだったのか

   僕なりの考察です。たぶん全ては語られてないので、半分以上は想像ですが。
   まず”海”はこの世界に存在してはならない穴であり、それは埋められないといけないものだと考えます。では誰が埋めるか?それがお姉さん。
   そして、”海”ができたと同時にお姉さんも生まれる。何故同時かというと、すぐに埋まらないと”海”が世界のあちこちにできてしまうから。でも”海”はこれまで公に発見されていないでしょ?だからお姉さんは”海”が誕生したとほぼ同時に誕生してあっという間に”海”を埋めてしまう。
   お姉さんはペンギンを使って”海”を埋めます。”海”はあってはならない存在だから、お姉さんがその仕事を怠ると、ジャバウォックが警告しにやってくる。”海”が埋まらないと、お姉さんは任務放棄とみなされジャバウォックに食べられ、別の仕事人が任務遂行のために現れる。
   以上が、僕が考えた、お姉さん、ペンギン、"海"、ジャバウオックの関係です。ほとんど自分の想像でしかありませんが。

Blu-ray通常版のパッケージ内容

   最近はお金がないので、Blu-rayを買ったとしてもたいていは安価な通常版ですませています。
   今回も迷ったのですが通常版を購入しました。
   特典は16頁のブックレットのみですが、監督やスタッフのインタビューやコメントが載っていて、最低限の情報は得ることができます。更に興味があるなら公式設定資料を別途買えばいいかなと。

   Blu-rayの通常版はAmazonや楽天なら4000円弱で買えるので、けっこうお買い得だと思います。

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