「ときめきpart1」はスピッツの17作目のアルバム「ひみつスタジオ」の11曲目に収録されています。
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最初タイトルを見たとき、「part1って、ぷっ」と吹き出してしまいました。
てっきり「ひみつスタジオ」のネタ枠(!)だとばかり思っていたのですが、映画の主題歌にもなってテレビの音楽番組でも演奏を披露するようなシングル曲でしたね。失礼しました。
この曲の一番の特徴はソロのヴァイオリンが入っていることです。
このヴァイオリンがイントロでサビでも存在感があり、感動に華を添えています。
そしてヴァイオリンの音に負けじとスピッツのバンドサウンドも太くなっていて、音が厚いです。
「未来未来」のコーラスといい、「ときめきpart1」のヴァイオリンといい、プラスαの音が加わることでバンドの音も力強くなっているのが今回のアルバムの大きなポイントだと思います。
あらためてスピッツの音、かっこいい!!
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歌の内容は「ときめき part1」というタイトルだけあって、初めての、1回目の、初々しいときめきにあふれています。
「会うたびに苦しくて でもまた会いたくなるよ」とか「ときめいてる 初めて? 怖いくらい」とか「嫌われるのはヤだな」とか「光を感じた」とか。なんかもう甘酸っぱい!
「stand bay me 歌ってる」という歌詞も出てきますが「ああ自分もチェリーとかロビンソン歌ってたなぁ」となつかしく思い返してました。
そして草野さん、現在進行系でときめいてる歌詞が書けるのって素敵だなーと。
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この記事のタイトルにも書いている「ヤバいくらい」のことに触れたいと思います。
このフレーズは2題目のサビの冒頭に出てきます。
「ときめいてる はみ出て ヤバいくらい」
なんでここをピックアップするかというと、うちの息子(特に中1の長男)がよく「ヤバいヤバい」と言うんですよね。しかも悪いことも良いことも全部何でも。
そしたらあるとき妻が「何でもヤバいヤバい言わない!正しい日本語を使いなさい!スピッツの草野さんは『ヤバい』とか言わない。美しくない!」みたいな感じで叱ったのでした。
それを聞いて前半はもちろん僕も同意したのですが、後半は「いや、言ってるぞ」と思ったのでした。(さすがに口には出しませんでしたが)
「ときめきpart1」のなかの「ヤバい」は文脈からして良い意味で使われているのがわかります。
では草野さんのなかで「ヤバい(良い意味の)」はアリなのか。
おそらくですが、草野さんは「ヤバい」を良い意味で使うのは誤用だとわかったうえであえて使っている。
というのも、毎週拝聴しているラジオ番組「ロック大陸漫遊記」のなかでごくまれに草野さんはオンエアした楽曲について、良い意味で「ヤバい」とコメントすることがあります。
そんなとき草野さんはちょって溜めてから「(これは)ヤバいです」と言うんですよね。
ここぞというタイミングでこれでしか表現できない最上級の称賛として「ヤバい」を使っている。
それは何でもかんでも「ヤバい」で片付ける語彙力の無さとは真逆です。
ということで、何でもかんでも「ヤバいヤバい」と言う長男の国語力の無さはヤバいので注意して治していこうと固く心に誓いつつも、(思春期の)長男が初めてときめいたときには、その気持を心置きなく「ヤバい」と表現して、ヤバいくらいときめいてわくわくしてほしい、と思うのでした。
ああ、青春。
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最後に。
「ときめきpart1」は映画の主題歌らしくMVもあります。
若葉色で青くささたっぷりの映像がすてきです。
歌い終わったあと、最後にメンバ全員で視線をそらして遠くを見ているのがなんか青春っぽいのです。
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