良くも悪くもスピッツになる 〜スピッツ「ブランケット」感想

「ブランケット」はスピッツの16thアルバム「見っけ」の13曲目に収録されています。

   平井堅さんに提供した楽曲のセルフカバーです。

   サブスクでは配信されていないボーナストラックのため、ちょっぴり貴重です。

スピッツ 見っけ


スピッツVer.と平井Ver.

   聴いて最初に感じたのは「なんかアダルトな雰囲気だなぁ」でした。

   歌詞もサウンドもいつものスピッツとちょっと違って大人っぽい妖艶な雰囲気があります。

   アルバム「見っけ」のなかでは異色な感じ(浮いた感じ?)がするのは、平井堅さんに向けて作ったからでしょうか。スピッツ色が控えめな気がします。


   例えば「傷だらけの時 君のそばにあって 悲しみをいやす ブランケットに」とか。

   なんかいつもの草野さんよりも大人びて男らしくないですか!??


   三輪さんのアルペジオも妖しく響いてますし。(これは気のせいかも?)


   そんなアダルトな「ブランケット」ですが、じゃあ本家の平井堅Ver.はどんなんだろうと、最近になってようやく聴いてみました。(こちらはサブスクで配信されています)

   するとどうでしょう。

   めっちゃ大人っぽい!!

   スピッツVer.よりも少しテンポが遅くて落ちつているし、高音のファルセットもエロス(?)だし、途中に英詞も挟んでてきてなんかかっこいいし。

   スピッツVer. / 平井Ver.どちらも良いとこがありますが、平井Ver.が草野さんの聴かせたかった「ブランケット」だったのかなーと感じました。


   で、あらためてスピッツVer.を聴いてみると「あ、スピッツじゃん」って思った(^_^;)

   歌詞も「ゆらゆらと君の街まで」とか「アメーバのままで」とか案外、草野節が漂ってますし。

   あとはバンドの音というのが大きいのかな。ギターとベースとドラムがスピッツらしさを作っている。

「見っけ」の他の歌よりもちょっと異色な感じはありますが、「ブランケット」もやっぱりスピッツの楽曲だなぁと。


   この何をやっても「スピッツになる」というのがスピッツがバンドでやっている良さだと思います。

   なんか、どこへ行っても帰る場所がある、みたいな感じがありますよね。


寝袋 vs 毛布 vs ブランケット

   ところでタイトルの「ブランケット」ってなんでしょう?

   僕はずっとひざ掛けのことだと思ってたのですが、ネットで調べたら「薄手の(タオル地の)毛布」 のことだそうです。

   ひざ掛けじゃなかった!サイズ的にはいわゆる毛布と同じなんですね。


   草野さんの歌のなかで羽織ったりくるまったりするものが歌詞にたまに出てきます。

   自分が印象に残ってるものを書き出してみました。(布団はなかったと思うのですがどうでしょう)


「不思議のシュラフで運ばれて」(シュラフ)

「白い音にうずもれ カビ臭い毛布を抱き」(君だけを)

「柔らかな毛布を翼に変える」(ババロア)

「優しく包めるブランケットに」(ブランケット)


   こうして見るとシュラフ、毛布は自分が使っていて、ブランケットは相手を包んでいますね。

   ブランケットを好きな子にかけてあげると草野さんみたいな男性になれるかも??


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