「ガーベラ」はスピッツの10thアルバム「三日月ロック」の11曲目に収録されています。
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イントロから神秘的で、初めて聴いたときから静謐な宇宙空間を漂っているイメージがありました。
宇宙っぽい単語はひとつも出てこないのですが、メロディやサウンドの印象、それから「闇の中で」という歌詞が宇宙を連想させるのだと思います。
深く潜っているようで浮遊感もある雰囲気が好きです。
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ガーベラが発表されたのは僕が社会人になって2年目くらいのころです。
仕事が忙しかったし、彼女もいなかったし、好きな女の子すらいなかった時期でした。
そのせいか当時の僕の心をひきつけたのは、サビよりもネガティブ気味なAメロの歌詞でした。
「汚れたホシの隅 まだ何かを待っていた」
「都合よくはばたけたなら ここにいなかった」
など。
特に「ここにいなかった」という言葉に惹かれていたように思います。
何もかも嫌で嫌で仕方なかったので、ここではないどこかに行きたかったんですね。(若い頃の宇宙をまるごと全否定したくなるあの感覚ってなんだったんだろ)
そんなわけで僕のなかで「ガーベラ」はずっとネガティブな歌に分類されていました。
あまりにネガティブすぎて、例えば「扉ふたつ開いて」という歌詞は二人が別々の道を進む暗喩であり、主人公は「君」と離れ離れになって終わるものだと思いこんでいました。
でも「ハロー ハロー ハロー よろしくね」と言っているのだから、別れる話ではないですよね。
他のサビの歌詞も見てみると、
「手が触れた 白い闇の中で」
「ありのまま 受け止める 今 君のすべて」
「繋がってる 命にあまえて」
と歌っていて、前半(Aメロ)ではいろいろあったにせよ、最後には結ばれていると思うのが正しそうです。
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振り返ってみると、歌はそのとき自分の置かれた状況に近い部分をフィルタリングして脳に届いていることが多いように思います。
独りぼっちのときは孤独を感じさせる言葉を、恋人といっしょのときは人といる喜びを感じる言葉を拾いがちです。
「ガーベラ」も十代・二十代の妙な孤独感を抜けたあとに聴くと、暗い闇の先に光が見える歌だと気づきます。
そう考えると、「扉ふたつ開いて」も、ばらばらの扉ではなくて、開くと2つの場所がつながる扉なのかもしれません。
例えば、ロケットが宇宙を飛行して何光年も先の遠くの宇宙ステーションにようやくたどりつきドッキングして、ロケットと宇宙ステーションの2つの扉が開いて空間がつながる。そんな宇宙を舞台にした恋人たちの再会物語の一幕のような。
……って、いつまで宇宙ネタを引っ張るんだって、話ですが(^_^;)
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