明るい未来へ!雨のパレード「BORDERLESS」全曲感想

   雨のパレードの「BORDERLESS」の感想の2回目になります。

   アルバムが発売してから2週間ずっと、ヘビーローテションで聴いています。
   1曲目から通して聴いてもまた最初に戻って聴きたくなる中毒性があり、大変気に入ってます。
雨のパレード「BORDERLESS」

   今作は初めてプロデューサー(蔦谷好位置さん)を招いて作製したということで、前作「Reason of Black Color」よりも聴きやすくキャッチーな仕上がりになっています。
   これまでよりも大衆性を意識した作りに対して賛否両論あるようですが、僕はいいんじゃないかと思いますね。
   聴いていて気持ちよく、楽しいですから。
   それに、雨のパレードでしか聴けないジャンルレスな音楽の楽しさやクールなかっこよさは健在ですし。

「BORDERLESS」は初めて雨のパレードを聴く人に迷いなくおすすめできる傑作です!

   ということで、全11曲の感想を簡単に書いていきます。
   おすすめは①②④⑤⑦⑪です。

「BORDERLESS」全曲感想

1. BORDERLESS

   出だしから新しいことが始まる予感にワクワクします。
   心の扉をガバッと開けてくれるような開放感があります。コーラスだったり、ハンドクラップだったり。
   アルバムの1曲目は何度もアルバムを聴きたくなるようなキャッチーな曲がやっぱりいいですね。
   歌詞の中に出て来る「明るい未来へ」というフレーズはみんなでこれがいいあれがいいと話して選んだフレーズだそうです。みんなで選んだ、ということに強い意味を感じます。

    MVもかっこいいです。バックの大きなフラッグがまるで自分だけの国の国旗のようです。
「誰も止められない 名もなき僕らの声を 刻み込む今を we go」というサビが高らかに響きます。



2. Summer Time Magic

「音を立ててはじけとぶサイダー」という歌詞からも想像できるように、爽やかなダンスチューンです。
   聴いていると心がウズウズして、MVのなかの福永さんのように、おしゃれな町並みを踊りながら歩きたくなります。
   サビの「M・A・G・I・C」とアルファベットを区切って歌うパートが80年台の歌謡曲っぽいですが、逆に最近の歌にないものがあり新鮮。音楽がダイレクトに耳の奥に伝わってくるようで、めっちゃ好き。

   夕暮れの街をメンバーが歩くシーンでは実は大きな犬が吠えまくっていたんですって。アルバム発売前の生配信で話してました。



3. Story

   友人やアーティスト仲間の結婚式に出席して、できた曲らしいです。
   ウエディング・ソングということで、雨のパレードらしさは控えめですが、後半のCメロが熱くて好きです。


4. Walk on

「TOKYO」のような歌を書いてほしいとリクエストされて、他のアーティストに提供するために作った歌があり、そのサビの歌詞をほぼそのまま使っているそうです。
   歌詞からは都会に飲み込まれそうになりながらも、一歩一歩前へ進んでいこうとする意志が感じられます。バンドサウンドも力強い!
   もうちょっと最後はわぁっと突き抜けて盛り上がってくれたら良かったなぁと思いました。

5. Trust

   サウンドが不良(?)っぽくて好きです。
「風のようにはるか向こうへ突き抜けろ」という歌詞もかっこいい。

6. 惑星STRaNdING (ft.Dos Monos)

   HIP HOPユニット“Dos Monos”とのコラボ曲。歌の大半を占めるラップが特徴的です。
   MVもなんだか不思議な感じ。
   ジャンルにとらわれない、でも雨パレらしく仕上がってもいて、アルバムタイトルの「ボーダレス」を感じさせてくれる一曲です。



7. Hallelujah!!

   煙草の煙が漂っているアパートの一室でアルコールを飲みながらぐだぐだと考えを巡らせている。そんなイメージの湧く歌です。けだるい空気が良いです。
「いるはずもない天使の助けを待ち続けていた 何を祈ればいい」という歌詞が好き。

8. EXIT

   霧のなかで地響きが鳴り渡るような、不安をおあるようなサウンドが印象的です。ちょっと重低音な音の作りもかっこいいです。
「深い穴の底」「夢の中へ」など、歌詞を聴いていると、精神の奥深くに潜っていくような感覚に陥ります。

9. Gullfoss

   タイトルはアイスランドの滝の名前だそうです。
   ノイズの混じった神秘的なサウンドに惹かれます。
   この独特な音は、アナログテープに録ったものをくちゃくちゃにして再生して作ったそうです。

10. Material

   ダンスフロアでフワフワと踊っていたくなるような一曲。
   トリの「Aead Ahead」への助走もバッチリ。
   ここでゆったりとした曲ではなくて踊れる曲を持ってきたことに、新しい雨パレの方向性を感じました。

11. Ahead Ahead (new mix)

   最後をライブチューンで締めくくる構成が素敵です。
   繰り返し出てくるギターのフレーズが耳に残ります。イントロではちょっと哀愁を含んだ響きをしているのに、それ以降はキレキレで激しいのがまたかっこいい。

   ライブでは絶対盛り上がるんだろうなぁ。初回限定盤に付いてきたライブCDににも収録されていましたが、音声だけでフロアが大盛り上がりしているのが伝わってきました。
   ライブで聴くのが楽しみです。絶対飛び跳ねまくるし!



まとめ

「BORDERLESS」はライブに行きたくなるようなノリのいい気持ちのいい曲がたくさん詰まっていて、最初から最後まで水が流れるように一気に聴くことができます。
   アルバムの最初と最後にライブ向けの曲を入れ、中盤に毛色の違うHIPHOPや気だるい曲を置く構成も憎らしいです。
   僕は2月の金沢のライブに参加する予定なので、そのときは弾けまくりますよ!!

   まだ雨のパレードを聴いていない人はぜひこのアルバムから手に取ってほしいです。きっと新しい扉が開けるはず。

最後に らしさについて思うこと

   ところで、今作では歌詞がシンプルでストレートにわかりやすくなった代わりに、雨パレらしさが減ったようにも感じました。
   僕が初めて「雨のパレードすげー」と思ったのは「breaking down」という歌です。メロディも良いのですが、特にサビの歌詞に感動したのです。
   たとえば「それは言葉にできる種類のものではなくて この世で完璧な形になるような感覚」という歌詞があります。
   ぱっと見ると複雑な言い回しに聞こえるのですが、これがすごく自然にメロディに乗っている。一度聴いただけでしっかりと耳に入り心に響くのです。
   このサビに感動したとき「雨のパレードすげー、ファンになるしかないやん」と思ったのでした。

   あえてシンプルにストレートにしなくても、最初から雨のパレードの歌詞は耳に馴染み、心に残るものがあります。歌がメロディと歌詞とでできているのならば、メロディとともに流れ込んでくる雨パレの歌詞はわかりにくいなんてことは決してない。
   次回の5作目のアルバムには、そんな雨のパレードらしい歌詞とメロディも期待してます!

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