再会と発見! 〜スピッツ「見っけ」感想

「見っけ」はスピッツの16thアルバム「見っけ」の1曲目に収録されています。
スピッツ 見っけ

   キラキラとしていて、テンポも速く、何かが始まるワクワク感にあふれています。
   サビの上昇感がたまらなく良く、ワンフレーズ歌うごとに階段を一段上がっていくようです。
   タイトルも「見っけ!!」と思わず声に出して唱えたくなるくらい短くてスカッとしてますし、どこを取ってもオープニングにふさわしい曲だと思います。

   そんな「見っけ」で予想外だったのは、最初の「再会へ!」という歌詞です。
   新しいものを発見するイメージを抱いていたので、いきなり「再会」と言われて、え!?って戸惑ってしまいました。

   そしてあらためて歌詞を読んでみると、何を歌っているのかよくわからない。
「再会へ!」「人間になんないで くり返す物語」「ついに場外へ」「そんな君を見っけたのは まだファンタジー?」
   いったい主人公はどんな状況に置かれているのでしょうか?
   なんとなく輪廻の輪だったり、ニーチェの永遠回帰を想像してしまいますが、そもそも主人公は何を見つけたのでしょう。「君を見っけた」と言っていますが、それは初めての出会いなのか、何度も繰り返された出会いなのか。

   主人公はぐるぐると回る輪廻の輪の中で人間に転生することを拒み、君ともう一度会うチャンスを待っていたのかもしれません。
   輪は回るごとにスピードとエネルギを増し遠心力が強くなっていき、外へと吹き飛ばされそうになる。ピュンピュンな速さなわけですから、そりゃもうすごい力に違いない。
   それでも主人公は必死に輪の内側にしがみつき、君と出会うまでは決して人間になろうとしない。何百年何千年と回り続け、やがて主人公は君を再び見つけて、輪の外へ、場外=ゴールへと抜け出す。

   ……よくわからないけど、ロマンチックなような、壮大で宇宙的なような、なんかド偉いものを見せられた気分になります。
   いや、全然違うのかもしれないけど。

   なんにしても、草野さんが「見っけ」という歌の冒頭で「再会」を歌っているのがすごく素敵だと思うんですよね。
   かつて出会ったものと再会したり、新しいものを発見したり。そういうの全部ふくめての「見っけ」なんだと思います。
   これって、スピッツ(もしくは好きなアーティスト)が新しい歌を出したときと似てますよね。なつかしくもあり新しくもある何かと再会した感覚。

「見っけ」はそんなワクワクが詰まった歌です。