BoCo骨伝導イヤホン「earsopen WR-5 HK-1002」 を1か月使用した感想 その2

   BoCo骨伝導イヤホン「earsopen WR-5 HK-1002」を購入してから1か月が経ちました。
   前回は2日ほど使った感想(ファーストインプレッション)を書きました。
   今回は、前回レポートしていなかった「付属アンプ」についてと、1か月使ってわかった総合的な感想を書きます。

小型高出力アンプWPA-1について

   骨伝導イヤホンの宿命なのか、先代の「earsopen WR-3」には音量が小さいという弱点がありました。
   僕はWR-3をWalkmanと組み合わせて使っていたのでボリュームさえ上げれば音は聴こえたので困りはしなかったのですが、スマホで使うと音が小さすぎて聴こえないというクレームがかなりあったようです。
   その弱点をイヤホン側で解消してくれればよかったのですが、今回の「earsopen WR-5」も音量はさほど変わりませんでした。やっぱり小さい。

   そこで音量対策として新たに追加になったのが「小型高出力アンプWPA-1」です。
   リチウム電池が内蔵されていて、約1.5時間の充電で約6時間動作します。充電はマイクロUSBで行います。

   普段使っているWalkman(NW-M505)ではアンプは不要なので、ここはスマホ(SH-M05)で試してみることにしました。
earsopen WR-5  アンプWPA-1
右上がアンプWPA-1

   まずはアンプ無しで音楽を聴いてみます。
   一般的なイヤホンを挿して音楽を聴くと、ボリュームバーは20%くらいの位置でちょうどいい音量になりました。
   イヤホンを「earsopen WR-5」に替えると、同じボリュームでは音が全く聞こえません。
   ボリュームを100%にしてようやく聴けるようになりました。しかし人によってはこれでもまだ物足りないと感じるかもしれません。

   次にアンプWPA-1を接続します。
   使い方は、スマホのイヤホンジャックにWPA-1を挿して、WPA-1にイヤホン(WR-5)を挿せばOKです。イヤホンを挿すと自動でアンプの電源が入り、LEDが緑色に点灯します。
   ボリュームは50~60%で十分な音量を確保できるようになりました。
   アンプ無しに比べてボリュームが半分ですんでおり、アンプの効果は確かにあります。

   ただ「earsopen WR-5」の主な用途がウオーキングやランニングの場合、アンプを追加すると嵩張り邪魔になるので、決してベストな対策とは言えません。
   アンプ無しでも音量が大きくてすむように、出力の高いWalkmanなどのDAP(デジタルオーディオレーヤー)と組み合わせて使うのがベターなように思います。

1カ月で音質はどう変わったか?

   前回、音質について「音がこもっている」と書きましたが、1か月使ったら気にならなくなりました。
   それが、慣れのせいか、自分の耳にマッチした良い装着位置をみつけられたからか、エージングが進んだ効果なのかはわかりません。
   あるいは最初に感想を書いたときは家の中で聴いていたのですが、その後はほとんどランニングでしか使っていないので、アウトドアの使用環境では音がこもって聴こえないのかもしれません。

   また、WR-5の特徴として世界初のイヤーフック型骨伝導イヤホンというのがあります。
   耳の後ろに骨伝導デバイスが当たるようになっており、耳の後ろから全身にサウンドが響きわたる「ハプティングサウンド」の効果が得られるそうです。
「全身に響く」はさすがに大げさすぎる気がしますが、伝えたいことはわからなくもなくて、耳たぶを挟むクリップ型だったWR-3よりも、音が広がって響いているように感じます。
   ただ、その効果で音質が格段に良くなった……というわけでないのがやや残念。

先代WR-3 VS 2代目WR-5

   先代WR-3から2代目WR-5がどのように進化したか。
   2者を比較してみました。
先代WR-3(左)と2代目WR-5(右)
  • 音量: 静かな家で聴くとどちらもほぼ同じ程度です。但し、外からのノイズが多いランニング時にはWR-5の方が音がよく聞こえます。
  • 音質: これも引き分けです。但し音の傾向は異なり、WR-3は高音に良さがあり、WR-5は中低音に良さがあるように感じました。中低音が強いおかげで、外に出てうるさくても、WR-5では音がよく聞こえるのかもしれません。
  • 付けやすさ: クリップ型のWR-3の方がサッと付けられます。WR-5は耳にくるっと引っかけるのに若干手間取ります。またWR-5はメガネがあるとちょっと面倒さが増します。
  • 装着感: これはイヤーフック型のWR-5の方が圧倒的に良いです。ランニング時も安定しています。
  • 値段: WR-5はWR-3よりも2000円ほど高いようです。これはアンプの分でしょうか。今の自分の使い方ではアンプは不要なので、高いと感じます。できればWR-5もアンプ無しでWR-3と同じ値段が嬉しいですね。
   進化したWR-5がWR-3を全てにおいてぶっちぎり……ということはなく、個性の違う優秀な弟(2機種目)が誕生したというところでしょうか。

earsopen WR-5 感想まとめ

   WR-5はイヤーフック型に変更したことでランニング時の装着感が大幅に改善しています。走っていてもイヤホンが全く邪魔にならず気になりません。フルマラソンではまだ試していませんが、長時間のマラソンもこれまで以上に楽しめそうです。
   イヤーフック型は骨伝導イヤホンとしては世界初だそうですが、これは大正解だったと思います。

   また「ハプティングサウンド」の効果かどうかわかりませんが、車の音がうるさい外でもイヤホンからの音がよく聞こえるようになりました。これもよかった点です。

   整理すると、WR-5はランニング時の使い心地と音の良さが向上しています。
   最近はWR-3は机の引き出しにしまって、WR-5を使ってランニングに出かけています。
   今買うならWR-5がおすすめですが、価格がややネックですかね。(2000円高い)
   できればアンプ無しVer.も追加してWR-3と同じ値段で販売してほしいところです。
(僕はクラウドファンディングで買ったため10,000円を切っていました)

骨伝導イヤホンはどんな人に向いているか?


   1年半にわたってearsopen WR-3とWR-5を使ってきて、骨伝導イヤホンというものについて感じたことやわかったことを書きます。
  • 音質は一般的なイヤホンに劣る。静かな部屋でじっくり音楽を聴く用途には向かない
  • 耳が完全に開放されているので外出時には周囲の音がよく聞こえる。音楽を聴いていても車が近づいてきたらわかるので交通安全対策になる
  • 一方、外音が全く遮断されないため、音楽はBGM程度にしか聞こえない。ライブハウス並に音楽を耳元でガンガン聴きたい人には向かない
  • 家事をしながら音楽を聴きつつ、家族と話もしたい、という用途にも使える
   まとめると、骨伝導イヤホンは、「周囲の音も聞きつつ音楽をBGM程度に流したい」という人に向いています。音楽を大音量で聴きたい人や、高SN・高音質で聴きたい人には不向きです。

   音楽と川のせせらぎや小鳥のさえずりとをミックスしながらランニング(ウオーキング)する、というシチュエーションに心惹かれるなら、骨伝導イヤホンを一度検討してみてもいいのではないかと思います。