先日カメラを買い換えました。
これまではずっとコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)を使っていたのですが、子供も大きくなってきたので、ミラーレス一眼カメラ(=高いカメラ)を買うなら三男が幼稚園の今しかないと思い、Panasonicのミラーレス「Lumix DC-GF9」を思い切って購入しました。
で、初めてミラーレス一眼カメラを買った人は誰もがぶち当たる疑問だと思うのですが、レンズの倍率って何倍なのでしょうか?
コンデジと違ってミラーレスはカタログを見ても「最大ズーム何倍」とは書かれていません。
代わりにレンズの焦点距離が書いてあります。
焦点距離=倍率?
僕の買ったGF9はダブルレンズキットといってレンズが2個付いてきました。
- LUMIX G VARIO 12-32mm
- LUMIX G 25mm
前者はズームレンズで、後者は単焦点レンズです。
さらにこれらとは別に、子供の運動会用に望遠レンズも購入しました。
- LUMIX G VARIO 45−150mm
各レンズの後ろの数値が焦点距離です。
左)望遠レンズ、 中央)単焦点レンズ、 右)標準レンズ |
調べてみると、この焦点距離が小さいほど広角に、大きいほど望遠になり、拡大量は数値に比例するそうです。
つまり標準レンズの”LUMIX G VARIO 12-32mm”の場合、12mmから32mmに変えると2.7倍ズームしたことになります。
望遠レンズの”LUMIX G VARIO 45−150mm”の場合、45mmから150mmに変えると3.3倍ズームしたことになります。
しかし、これだと標準レンズと望遠レンズで倍率がほぼ同じに見えてしまいます。基準の焦点距離が違うからです。
では、基準を12mmに統一するとどうでしょうか?
150mmは12mmの12.5倍なので、倍率は10倍超えです。わお。
これはいかにも望遠レンズっぽい数値ですね。
しかしここでまた一つ疑問が生じます。
12mmを基準として良いのでしょうか?
そもそも今までコンデジで1倍と思っていたものはいったい焦点距離何mm相当だったのでしょうか。
フルサイズとかマイクロフォーサーズとか
更にネットで調べていくと「35mm」という数値をよく見かけます。
どうやら35mmが基準(標準)のようです。
ならば知りたいレンズの焦点距離を35mmで割れば、標準的な倍率が出てくるのかというと、そう簡単な話でもないようです。
カメラにはセンサーサイズの違いで「フルサイズ」と「マイクロフォーサーズ」という種類があり、マイクロフォーサーズのカメラの焦点距離はフルサイズの焦点距離の2倍に相当するそうです。
僕の買ったGF9はマイクロフォーサーズです。
なので、フルサイズのスケールで考えると、レンズの焦点距離を2倍して、12mmは24mmに、32mmは64mmに、そして150mmは300mmになります。……しかし結局のところ、望遠レンズは何倍に拡大されているのかがよくわかりません。うーん……
えーい!こうなったら、いっそコンデジもミラーレスもまとめて写真を撮って比べてしまえ!
ということで、カメラとレンズをいくつか持ち出して、次のことを確かめてきました。
- コンデジ1倍は焦点距離何mmに相当するのか?
- 45-150mm望遠レンズは最大何倍までズームできるのか?
比較に用いるカメラ
実験にはコンデジ2台とミラーレス1台を使います。
- コンデジ① Panasonic”DMC-LF1”(家族写真用)
- コンデジ② OLYMPUS”TG-6”(アウトドア用)
- ミラーレス Panasonic”DC-GF9"(家族用New!)
コンデジはメーカーが違う2種類を用意したので、メーカー(や機種)によって1倍に差があるのかも確かめられます。
左からDMC-LF1、TG-6、DC-GF9 |
実験1 コンデジの1倍相当の焦点距離は?
川沿いの散歩道にカメラを持って出かけて、同じ位置から同じ被写体をズームなしで撮影しました。
どの写真も、2本のテレビ塔を中央にして、右端に茶色のマンションが入るようにしました。
まずはコンデジから。
Panasonic”DMC-LF1”(1倍)
OLYMPUS”TG-6”(1倍)
上の2枚はどちらもズーム無し(1倍)ですが、よく見ると、左端に映っている建物が違います。
OLYMPUS”TG-6”の方が広い範囲まで撮れています。
同じ1倍でも、メーカーや機種が違うと画角が違うことがわかりました。
次にミラーレスPanasonic”DC-GF9"でレンズを変えて撮影してみます。
焦点距離12mm
焦点距離25mm
焦点距離45mm
焦点距離が大きいほど拡大されていることがわかります。
また焦点距離が一番小さい12mmでは、コンデジよりも広い範囲まで撮れています。(左端の建物のさらに左まで映っている)
しかし25mmまでくると、コンデジよりも狭くなっています。
コンデジの1倍相当の焦点距離は12mmと25mmの間にあり、25mmよりも12mmに近い距離であると思われます。
先ほどのセンサーサイズの話を思い出すと、フルサイズの基準は35mmで、マイクロフォーサーズはフルサイズの2倍ということでした。
そこからすると、マイクロフォーサーズの基準は35mmの倍半分の17.5mmあたりにあると考えられます。
これは上の実験結果ともおおよそ一致しています。
以上から、コンデジの1倍は焦点距離17mm程度(マイクロフォーサーズの場合)と考えるのが妥当そうです。
実験2 望遠レンズの倍率は?
17mmを1倍(基準)とすると、150mmの望遠レンズの倍率は8.8倍になると推測できます。
本当かどうか確かめるため、GF9に”LUMIX G VARIO 45−150mm”の望遠レンズを付けて、焦点距離150mmでテレビ塔をアップで撮影してみました。
焦点距離150mm
おお、大きい!!
最初に撮影したコンデジ”DMC-LF1”の1倍の写真と比較するとデティールまでくっきり映ってます。さすが望遠!
次にコンデジ”DMC-LF1”を7倍ズームにしてテレビ塔を撮ってみました。
”DMC-LF1” 7倍
7倍の写真よりも焦点距離150mmの写真の方がやや大きいので、焦点距離150mmは7倍以上であることがわかります。
また焦点距離150mmのテレビ塔の白い部分の長さを測ったら、コンデジ”DMC-LF1”(1倍)の約9倍ありました。
以上から、焦点距離150mmの望遠レンズはコンデジの倍率でいうところの約9倍に相当している、といえそうです。(マイクロフォーサーズの場合)
まとめ
- コンデジのメーカーや機種によって、1倍といっても広さは若干違う
- 焦点距離が大きいほど拡大される。拡大量は焦点距離に比例する
- コンデジ1倍相当の焦点距離はおおよそ17mm(マイクロフォーサーズの場合)
- 45-150mmの望遠レンズの倍率はおおよそ2.5~9倍(マイクロフォーサーズの場合)
長年コンデジを使ってきた身としては、「焦点距離」よりも「倍率」の方が馴染みがあってわかりやすいのですが、ネットに書かれている「焦点距離」の説明を読んでも、玄人の方々は「倍率」に対して冷ややかで、焦点距離と倍率の関係がいまひとつつかめずモヤッとしていました。
「焦点距離150mm」と言われてもそれがどれくらい大きいのかピンっとこないですが、「9倍」と言われると、おお大きい!となります。
なので、ざっくりではありますが、今回コンデジの1倍を基準にしてレンズの倍率を出せて、ちょっとすっきりしました。
ただ、1倍=焦点距離17mmと断定してしまうと、カメラに詳しい方からお叱りを受けるかもしれません。いろいろ問題(誤解?)がありそうです。
あくまでひとつの参考例ということで、よろしくお願いします。
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