先生もみんな走り出す!?圧倒的加速力 ~スピッツ「みそか」感想

「みそか」はスピッツの11thアルバム「スーベニア」の13曲目に収録されています。
スピッツ「スーベニア」

   最初タイトルを聞いたときは「お味噌」の方のミソを連想してしまい、「みそっかすでも、やってやるぜ!!」っていう意気込みを表しているのかなと思いました。(わりと歌の内容ともあってる)
   でもきっと「みそか」は大晦日の方の「晦日」なんでしょうね。
   歌詞の中に「越えて越えて越えて行く」とありますし。年を越す=困難を越える=新しい世界へ、みたいなイメージなのかなと。
(ちなみに晦日は三十日(みそか)で、月末のことらしいです)


   歌の内容はというと……、まずパワーコードばりばりのツインギターがパワフルです。迫力あります。
   イントロの一発目のギターを聴いた瞬間に「あ、この歌は溜めてるな」とわかっちゃうくらいイントロとAメロでググっとエネルギをため込んでいるのが伝わってきます。
   もう見え見えの溜めっぷり。これが短距離走だったら、スタート前につま先が地面にめり込んでるのがわかるくらいの。

   そしてBメロでのドラムの上昇感を経て、サビでは予想通り、いや予想以上に爆発します。
   サビの加速力、疾走感がすごく気持ちいい!エネルギに満ち溢れてます。
   ギターも力強いし、歌詞も負けじと力強い。パワフルさはスピッツの楽曲随一なのではないでしょうか。

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   この、ドドドドドって駆けていくようなサビを聴くたびに、街じゅうの先生という先生が集まって、大行列になり走っていく様を想像してしまいます。
   スーツの先生もいれば白衣の先生、紋付き袴の先生もいる。七三分けの先生もいれば、白髪の先生、坊主頭の先生もいる。年も格好も様々です。でもなんでかみんな走ってる。行く先もよくわからず。一心不乱に。ドドドドドって。漫画みたいに砂ぼこりをあげて、足をくるくる回して。
   サビの勢いと、みそか=師走っていうただそれだけのイメージなのですが。

   なんか、こう怒涛のパワーで嫌なもの全部を吹き飛ばしてくれそうな。
   魔除けじゃないけど、ちょっぴり元気が出るような、そんな歌です。
   案外、スピッツでは珍しいんじゃないかと思います。

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   そんなわけで、2018年最後のスピッツの感想記事は年末らしく「みそか」でした。
   来年も全曲感想目指してぼちぼちがんばっていきますのでよろしくお願いします。