もっとギャグ寄りに吹っ切ってくれてもよかった ~スピッツ「ウィリー」感想

「ウィリー」はスピッツの8thアルバム「フェイクファー」の10曲目に収録されています。
スピッツ「フェイクファー」

   イントロこそ重々しいベースの音から始まるのですが、歌の八割方はひょうきんで変てこりんな印象です。
   最初の歌詞も「Yeah~ サルがいくサルのなかを」ですからね。聴くたびにちょっとクスリと笑ってしまいます。
   おサルが主人公の歌というのも、そうそうないのではないでしょうか。

   さらに「oh~ 無茶してもタフなモーターで」と続きます。
   モーターという単語から連想したのが「おもちゃのバイク」だったので、おもちゃのバイクに乗った猿がバナナを片手に日本一周しいてる絵を想像してちょっとおもしろいです。

   ただ、ギャグのようなネタのような歌だと思って聴いていると、Cメロが案外ドラマチックでかっこよかったりします。そこはもっとギャグ寄りに吹っ切ってくれてもよかったのに、と思いました。
   ハイロウズの「オレメカ」とか、時代は飛びますがクロマニヨンズの「原チャリダルマ」とか。あんな感じ。

   ところで、「ウィリー」はおサルさんの名前ということでいいんですかね?
   そのウィリー君の絵が草野さんの手で描かれて歌詞カードに載っています。
   世慣れたおっさんみたいな風貌であんまりかわいくないです。
   彼は「孤独な放浪者」わけですから、かわいさよりもタフさを選んで生き抜いた結果、こんな面構えになったんだと思います、きっと。