沖縄 × 風刺 × 魚醤 !? ~スピッツ「ナンプラー日和」感想

「ナンプラー日和」はスピッツの11thアルバム「スーベニア」の5曲目に収録されています。
スピッツ「スーベニア」

   チャッカチャッカチャッカチャッカというリズム、三線の音、沖縄っぽい雰囲気から、「ナンプラー」はてっきり沖縄民謡のことだとばかり思っていました。
   先日ロック大陸漫遊記(ラジオ)のオープニングに「ナプラ―日和」が流れた際、TwitterのTLに「調味料」という単語をみつけて、初めて自分が長年勘違いしていることに気づきました。
   慌てて放送が終わってからインターネットで調べたら、タイの魚醤のことなんですね。沖縄民謡、全然違う!!
   まあ、南方の方の語感という意味では当たらずも遠からずかな。(と、負け惜しみをしてみたり)
   ということで、「ナンプラー」はスピッツタイトル勘違いシリーズの4番目として、リコリス、ポルカ、クリスピーに続いてエントリーしておきます。
   次は何があるかなぁ。もうないことを祈りたい。

   さて「ナンプラー日和」には大きな特徴が2つあります。(あくまで僕のなかでの話ですが)
   1つ目はイントロからAメロの沖縄っぽいメロディとリズムです。
   これまでのスピッツに無いアプローチで斬新ですよね。最初聴いたときは、あれ?なんか変なことやってるなと思いましたが、すぐに慣れてチャッカチャッカというリズムが楽しくなりました。

   もう一つの特徴は歌詞の一部が風刺っぽいところです。意外とスピッツの歌詞にはない部分なので、沖縄民謡っぽさよりも、そちらの方が気になりました。
   具体的には「イジメだらけの世界でも……」や「エライ先生もテレビも教えてくれない……」のところです。
   僕がスピッツを好きだと思うところは地表から数cmをふわふわ浮いているようなほんの少し現世からずれているところだったので、風刺的な歌詞は俗っぽく感じられて、正直最初は微妙な印象でした。
   ただ、今思うと、風刺的な歌詞という従来と違うベクトルに対して、沖縄民謡というロックとはまた違う別のベクトルを掛け合わせることで、いつもの変てこりんなスピッツの音楽に強引に引き戻しているようにも思います。チャッカチャッカしているリズムは草野さんなりの照れ隠しなのかなって。

   いろいろ稀有な「ナンプラー日和」ですが、そんな中で一番好きなところは2題目の「腹が減るなら大丈夫 香るナンプラー遠くから」です。
   大変なことがたくさんあってもおいしそうな匂いにお腹がぐうぅーッと鳴ったら大丈夫!うおおおーーー食べるぞー!!ガツガツガツガツ!!まだまだいけるいける……って感じで、体の欲求に素直なところが好きです。聴いてるとなんだか元気が沸いてきますし。

   って、あれ?「香るナンプラー」って言ってるじゃないですか。この時点で「ナンプラー」は食品に関係のあるものだって気づこうよ、自分!