SF的少女漫画 ~スピッツ「タイムトラベラー」感想

「タイムトラベラー」はスピッツの4thアルバム「crispy!」の8曲目に収録されています。

   いま聴いたら、ちょっとイントロが「群青」っぽいなと思いました。いえ、特にこれ以上この話は広がらないんですけどね。

   この歌のポイントは、タイムマシーンが勉強机の引き出しではなくて、屋根裏にあること、ではもちろんありません。
   サビです。サビの歌詞が一体何を言っているんだろう、というところです。
   引用してみます。
「さあ 僕が産まれる前の さあ 君と似ていたママに 答えをきくために」
 
   サビだけだとわかりにくいので、その前の歌詞からストーリを整理すると、屋根裏でタイムマシーンをみつけて過去の世界へ戻ってママに会いに行く、という話のようです。

   ママっていったい誰よ!?って疑問が真っ先に浮かびますよね。

  いや、他にもいろいろ謎(=ツッコミどころ)はあります。
「屋根裏で みつけたその扉」ーーなぜに屋根裏!?
「すぐに誰だかわかるはず」ーーわからないし!
「よじれた歴史から 消せないあの街で」ーー歴史に関わる街ってどんな!?

   でもそれよりも何よりも気になるのはママです。
   もしもママが君のママだとしたら、君に似ていて当然だし、むしろなぜ「僕が産まれる前の」などと僕の話を持ち込んでくるのかがわかりません。
   次にもしもママが僕のママだとしたら、なんで君に似ているのかがわからなくなります。

   そうなってくると、答えは一つで、少女漫画とかでよくありそうな、実は二人は血のつながった姉弟なのではないかというやつです。
   たぶんこんなバックストーリなのではないかと……

   僕には年上の彼女がいて、あるとき、彼女が持っている写真を偶然見てしまう。そこには亡くなった僕のママの若いころの姿が写っていた。どうして彼女がママの写真を!?
   そこから次々に疑念が湧きあがってくる。知り合う人みんなに二人はよく似ているねと言われること。料理の味付けがなつかしいこと。
   そして、ママが再婚であることを知る。僕のパパと知り合う前に別の男性と結婚していて、実はその男性との間に子供を授かっていたのではないか。もしかして僕と彼女とは血のつながった……みたいな。
   で、真相を知るためにタイムマシーンで過去に戻りママに会おうとする。

   むかしあった「ママレード・ボーイ」という少女漫画も後半では、主人公の二人に兄妹疑惑が出ていましたもんね。
   SF+少女漫画のような設定と思えば「タイムトラベラー」のサビも納得いく気がします。

   あとは、実はこの歌の主人公は「猫」だった、という設定も考えてみましたが、ぶっ飛びすぎて自分でもよくわからなくなったので、書くのはやめときます。