さよなら、SACDプレイヤー

   10年以上メイン機として愛用してきたパイオニア製のDVD/SACD/CDプレイヤー「DV-S858Ai」の調子が悪くなりました。具体的な症状としては、SACDが全く読み取れなくなりました。
   SACDハイブリッド盤を挿入するとCDとしてしか読みこまれず、SACD専用盤だと認識すらされない。念のためSACD/CD設定も確認してみたのですが、SACD優先となっており正しく設定されている。どうやらピックアップか何かがおかしくなったようです。
上が「DV-S858Ai」、下が「DBT-1713UD」

2年前に修理したばかりなのに

   実は2年前の冬にも調子が悪くなったことがあり、そのときはSACDを読み取れない→CDを読み取れない→トレイの開閉ができないの順に壊れていきました。
   新しいSACDプレイヤーを買おうか迷ったのですが、「DV-S858Ai」には今どき珍しい5.1chアナログ出力という機能が備わったいるのと、長年使った愛着もあり、金沢にあるパイオニアの修理センターに持ち込み、修理してもらいました。
   修理費は1万5千円ほどで思いのほか安くすみ、開閉メカを丸ごと交換して復活しました。よかったよかったと、ほっと安心していたのですが、2年経ってまた調子が悪くなってしまいました。

   修理から2年でSACD部分が壊れたとなると、次の修理は躊躇われます。買ってから10年以上経ちますし、全体にガタが来ていて、またすぐ壊れてしまう可能性が大きいでしょうし。
   CDプレイヤーとしては機能しているので普段CDを聴く分には困らないのですが、問題はSACDです。ジャズを中心に家には20枚ほどSACDがあります。滅多に聴かないのですが、たまに聴きたくなって聴くとやはり音がいいので、心地よい、上質な時間を味わえます。
   この20枚のためにSACDプレイヤーを買いなおすべきか悩むところです。

エントリーモデルがない!

   ただ、ここ一年でSACDプレイヤーの市場が大きく変わってしまいました。唯一、エントリーモデルを出していたパイオニアがエントリークラスのSACDプレイヤーをやめてしまったのです。
   過去機種にあったPD-10 /30 /70(どれもSACD有りで実売2~5万円)というシリーズの生産が終了し、PD-10AE /30AE /70AEというシリーズに新しく変わりました。その際、なんと10AE /30AEはCDのみになり、SACDのある70AEは価格帯が一気に跳ね上がり、30万円近くになったため、庶民には手が出せなくなりました。
   ということで、買い替え候補からパイオニアが消えました。

   そして、価格.comでSACDプレイヤーを検索すると、一番安いものでもDENONやマランツの9万円前後の機種しかなく、自分が手が出せる5万円以下のSACDプレイヤーはなくなっていました。

   数年ほど前にブームが再燃したように見えたSACDですが、エントリークラスのプレイヤーから各メーカとも撤退しているところをみると、それほどまでには広まらなかったようです。そういえば、自分もDAP(デジタルオーディオプレーヤー)を楽しむようになったここ一年、新しいSACDのソフトを買っていませんでした。

   SACDはコピーガードがあるせいで、PCに取り込めないのが欠点です。今の時代、自分が購入した音楽をDAPに保存して自由に持ち歩けないのは不便すぎて致命的です。もしこの欠点がなく、気楽にリッピングできたなら、ハイレゾがブームになった昨今(作られたブームのようにも思いますが)、SACDは見直され、オーディオマニア以外にももっと広まっていたのではないかと思います。
   なんだかんだで自分みたいに、データだけではなくて、形のあるもの(=パッケージ)が欲しいという収集家は多いと思うので。

ユニバーサルプレイヤーで聴けるけど

「DV-S858Ai」が壊れたからSACDをまったく聞けなくなるのかというと、そうでもありません。DENONのユニバーサルプレイヤー「DBT-1713UD」を持っているので、いちおうSACDを再生することはできます。ただ、HDMI出力というのが面白くない。
   どういう風に面白くないかというと、出力先のAVアンプが古いため、DSDをダイレクト再生できないのです。別にダイレクト再生できなくてもちゃんと良い音で鳴ってくれればいいのですが、どうも音が悪い。これは自分の駄耳でもわかるレベルでいまいちです。
   説明書の注意書きにも、プレイヤー側でDSD→PMC変換した方が音が良い場合があると書かれているくらいです。

   とはいえ、SACDの音質のために10万円近く出してSACDプレイヤーを新たに買いたいかというと、さすがにそこまでの購買意欲は沸きません。今の自分のオーディオ環境だと無駄な気がします。
   ここは思い切って、SACDプレイヤーにさよならすべきときが来たのではないかと思います。




AVアンプが重要

   僕がいま使っているAVアンプはONKYO製「TX-SA706X」という結婚前に買った10年近く前の代物です。これを新しいAVアンプに替えて、DSD信号をもっと高音質で再生できるようになれば、プレイヤーは今のまま買い替えなくてすみます。しかも新しいAVアンプには古いものにはなかった機能がたくさん付いてきます。例えば次のような機能です。
  • DSDダイレクト再生
  • ネットワークオーディオ
  • Bluetooth/Wi-Fi
  • クロームキャスト
  • ドルビーアトモス
   AVアンプは年々新しい機能が追加されているので、これらを楽しめるようになるなら、プレイヤーではなくAVアンプを買い替えた方が、高い満足度が得られそうです。うむむ、想像すると、かなり購買意欲が沸いてきますね。

  ということで、これからしばらくAVアンプ関連の情報を集めて行こうかなと思う今日この頃でした。8万円以下で良いAVアンプがあったら購入したいなぁ。先立つものがないけれど。
   ⇒こちらで記事にしました。5~10万円台のAVアンプ、買うならどれだ!? 2017年