わかるようでわからない、恋の不思議 ~スピッツ「不思議」感想

「不思議」はスピッツの12thアルバム「さざなみCD」の6曲目に収録されています。

   サビの歌詞に「恋のフシギ」とあるように、恋したときのあの不思議な感じについて歌った歌です。
   変に浮かれたり、沈んだり、パッと目の前が開けたり、真っ暗になったり。恋しているときって、ほんとよくわからないですよね。多幸感と全能感と孤独感とが入り混じっているというか。それを言葉で表すのはとても難しい。だから、恋について書かれた言葉を読んで、それに共感ができたときって、ちょっと嬉しくなります。
   ということで、「不思議」の歌詞について、わかるわ~ってものと、わからん!ってものとに分けてみました。わかるからよいとか、わからんからダメとかいうものでもないですし、何より僕個人の感性に基づいて勝手に分類しているだけなので、あまり気にせず読んでください。

わかるわ~

  • 絵になるスマイルが僕に降りそそぐ
  • 痛みを忘れた そよ風にだまされて
  • 恋のフシギ 生きた証
  • シャレたとこはまるで無いけれど
  • 貝のなか閉じこもることに命がけ そんな日々が割れてまぶしかった次の頁
  • さらにセットミーフリー
  • わざとよける 不意にぶつかる
  • 憧れてた場所じゃないけど
「たかが恋に、生きた証なんて大袈裟だなー」って思う反面、どっぷり恋にはまっているときは確かにこんな気持ちだなと妙に納得しました。
「わざと避ける 不意にぶつかる」っていう、矛盾した行動も恋をしているときらしい。
「自由にして!」と叫びたくなるのもよくわかります。

ん~、わからん

  • 目と目で通じ合える食べたいものとか
  • いま好きな色は緑色
  • 君で飛べる 君を飛ばす
  • 恋はブキミ
   食べたいものがわかるのは恋じゃなくてもっと後のことかなぁと思ったのと、なんでいきなり緑色なんだ!って思わずつっこんでしまったのと、「君を飛ばす」っていうのがロケットみたいっていうのとで、ちょっと共感しづらかったです。

   ただ、「恋はブキミ」については、10年前に初めて聴いたときは、「おお、これだ!」って思ったんですよ。ところが今聴くと全然ぴんっとこない。年を取って恋する感覚を失ってしまったからなのかな。しょぼん。

   そんなわけで、「不思議」に書かれた恋の描写は、だいたいわかるけど、わからないところもちょっとあるなぁっていう結果でした。これは常人と詩人の草野さんとの違いというのもあるんでしょうけれど、恋の感覚は人それぞれというのもある気がします。

   まあ、恋は不思議ということで。やっぱ、わかるようで、わからないです。