痛いくらいに細い月 ~nano.RIPE全アルバム感想 その1

   10月に入り、季節も変わりましたので、心機一転、新しいコーナーを立ち上げました。その名も、「CDを5枚以上持っているアーティストを紹介するコーナー」です!
   名前の通り、自分が5枚以上アルバムを持っているアーティストを紹介していきます。
   第1回目は、10/7にライブを観に行ったnano.RIPEです。(全2回予定)

nano.RIPE

   nano.RIPEは2010年にメジャーデビューした、女性ボーカルと男性ギターリストの2人組のロックバンドです。(しばらく前まで4人組でした。)ボーカルのきみコさんが主に作詞(ときどき作曲も)を担当し、ギターのササキジュンさんが主に作曲を担当しています。

花咲くいろは

   nano.RIPEの歌を知ったのは「花咲くいろは」という深夜アニメでした。金沢は深夜アニメがほとんど入らないので、金沢で観れる深夜アニメというだけで貴重で、しかも舞台が金沢(のような都市)ということで増々貴重で、ということで毎週録画して観ていました。話も面白かった。その第1期と第2期のオープニング曲を担当したのがnano.RIPEでした。
   最初「ハナノイロ」を聴いたときはメロディも綺麗だしキラキラ感もあるしボーカルの声もかわいいしで、まあよくあるアニソンかなぁと思っていたのですが、2期の「面影ワープ」を何回か聴いているうちに、「あれ?この人達、めちゃめちゃロックしてない?」と気付き、発売と同時に1stアルバムを買いました。
   どの曲もギターを中心とした4ピースバンドの音作りになっていて、ロックでかっこいい。1stアルバムは聴いてすぐお気に入りのアルバムの一枚となりました。その後もアニメのタイアップ中心に活躍していますが、ギターロックなところはずっと変わっていません。

歌の特徴

   繊細で孤独で、だけど美しくて希望のある歌詞と、伸びのある力強い歌声。綺麗で疾走感のあるメロディと、エッジの効いたサウンド。
   寒い冬の夜に浮かぶ、痛いくらいに細い三日月のように、孤独に苛まれた心にかすかな光をくれる。ーーnano.RIPEが生み出す歌にはそんなイメージがあります。

   シングル曲は明るいものが多いので、「月」というと違和感があるかもしれませんが、アルバムを聴きこんでいると、ディープでダークな一面が見えてくるので、太陽よりも月の方が似合っている気がしてきます。実際、「月」という単語は歌詞のなかにもよく出てきているのではないでしょうか?(ちゃんと調べてはいませんが)


  最近はYouTubeで公式に配信されている楽曲も多いので、せっかくですからYouTubeと合わせて数曲紹介します。

ハナノイロ

   今ではすっかり代表曲の「ハナノイロ」です。ポップで切なくて、それでいて疾走感もあり気持ちのいいナンバーです。痛いけど、最後にちょっと前向きになれる歌詞もいい。


面影ワープ

   めちゃめちゃ高速なナンバー。ギターが気持ちいい青春ソングです。甘酸っぱい。ロケ地は「湯乃鷺駅」じゃなくてのと鉄道の「西岸駅」です。一回行ってみたいと思いつつ、まだ行けてません。


もしもの話

   シングル曲のみだと、なかなかnano.RIPEの変遷を追いづらいのですが、中期において、転機を感じさせるシングル曲を1つ上げるとしたら、「もしもの話」かなと思います。直接的に恋愛のことを歌っていないというところが特徴かと。
「……大人になれない」という歌詞が年齢的には大人になってしまった自分には突き刺さりました。


スノードロップ

   最近のシングル曲です。といってももう1年経つのか。重厚で激しいロックナンバー。マイナー調なので余計に凄みが増して聴こえます。ギターから何から何までかっこいい。ポップなだけじゃない、ハードさも持ち合わせているということがnano.RIPEの強味なんだと、あらためて認識させてくれます。



   以上、nano.RIPEの紹介でした。
   歌詞良し、メロディ良し、サウンド良し、で、個人的にはかなりお気に入りのロックバンドです。

   10代(=ひとりぼっち)のころに知っていれば、自分の人生への影響は(スピッツのように)もっと大きかったのではないかと思うのですが、実際に僕がnano.RIPEを知ったのは30を過ぎてからでした。これ(タイミング)ばかりは仕方ないですね。
   それでも心を揺さぶられるものがあり、ここ数年、結構な頻度で彼らの楽曲を聴いています。そして、ときどき10代のころに戻ったような気持ちになります。

   次回から、今発売されているアルバム('17/10現在で全5枚)の感想を簡単に1枚ずつ書いていきます。こちら