”彼”が気になる夏 ~スピッツ「夏が終わる」感想

「夏が終わる」はスピッツの4thアルバム「Crispy!」の2曲目に収録されています。


   スピッツの歌はよくわからない歌が多いですが、普段はあまり解釈とか気にせず、だいたいの雰囲気で楽しんでます。なんとなく切なくてなんとなく楽しければ、まあいいかって感じで。
   ただ、「Crispy!」のなかの「夏が終わる」と「タイムトラベラー」だけはストーリや設定がありそうなだけに、これはどんな歌なんだろうと、どうしても気になってしまいます。

「夏が終わる」については、歌詞のなかに出てくる「彼」が気になります。(「彼はもう涼しげな襟もとをすりぬける」のところ)

   この歌の世界観ってどんな感じなんでしょうね。登場人物は”僕”(男の子)、”君”(女の子)、”彼”の3人=三角関係なんでしょうか?いったい登場人物がどうなっているのかがすごく謎です。
   もし三角関係なのだとすると、”僕”の存在感が薄いので、”僕”にとってはなんとも悲しい恋愛模様しか浮かびません。”君”と”彼”のやりとりを遠くから見ている的なポジション。そして夏が終わる。ああ、昔の自分だ。……というか、”僕”という一人称は一度も出てこないですね。

 ”僕”が一度も出てこないというところから、実は主人公は女の子で、登場人物は”彼”(男の子)、”私”(女の子)の2人というのはどうでしょう?
   その場合は2題目の「キツネみたい 君の目は強くて」の「君」は”彼”を指します。ここはわりとしっくりきます。ただ、その流れでいくと「濡れた髪が白いシャツをはずむようにたたいてた」という歌詞の人物も「君」(=彼)になってしまうのですが、濡れた髪がシャツをたたくというのはどちらかというと女の子のような気がします。
   まあ、”私”のことを歌っていると解釈してもいいし、”彼”の髪が長くて何が悪いって開き直ってもいいのですが。ちょっと無理あるかなという気もしなくもないです。

   他には「彼」は「夏」を擬人化したものなのかなとも思いました。そうすると「涼しげな襟もとをすりぬける」というのは「夏が終わる」の比喩になっていて、綺麗です。登場人物はいつもどおりのスピッツで、”君”と”僕”の二人だけです。

   いろいろ書きましたが、実際はどうなんでしょうね。全然違っていたりして。……ネットで解釈記事とか調べてみてもいいのですが、わかっちゃうとつまらないなと思って調べずじまいでいます。
   僕は、いつものスピッツと違うから、女の子が主人公だといいなって、思ってます。

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   今週末は幼稚園の運動会です。それが終わると、来週はもう10月です。気温も一段下がると朝の天気予報で言っていたので、夏も終わりかな。ちょっと寂しい気もしますね。