スピッツ的ピクニック ~スピッツ「五千光年の夢」感想

「五千光年の夢」は1stアルバム「スピッツ」の4曲目に収録されています。

   陽気なメロディとともに「五千光年の夢が見たいな」というスケールの大きな言葉から始まります。
   と思ったら、次の瞬間には「後ろ向きのままで」とネガティブなことを言い出すので、ガクッとなります。初期のスピッツらしい天の邪鬼な感じがよいです。

「すべてが嘘だとわかった」「頭ガイコツの裂け目」「ゆがんだ天国の外にいて」など、どことなく、三途の川の向こう側に足を踏み入れてそうな、ちょっと怖い言葉が並ぶのも、この頃のスピッツらしい。
   そんなおっかないイメージのなかで、「お弁当持ってくればよかった」という呑気な台詞にほっこりします。ーー草も生えない世界の果ての荒野の上で、レジャーシートを広げて普通にピクニックしているメンバー4人の姿を想像してしまいます。どこに行っても4人なら変わらず楽しそう。

   歌の最後は♪ララララで終わるのですが、そういえば、1stアルバムは「ラララ」とか「たんたんたんたーん」とか「チィパチィパ」とか歌詞になっていない歌の部分が多いですね。
   今のスピッツにはない特徴がいろいろ出ていて、1stアルバム「スピッツ」を聴く楽しみの一つです。