スピッツ「スピッツ」 アルバム感想

   1991年に発売されたスピッツの1stアルバムです。
 僕が買ったのは、フェイクファーの発売前後の97年か98年だと思います。季節が夏だったのだけは覚えています。

スピッツ「スピッツ」

 当時、スピッツのアルバムは、数の出ているインディゴ地平線やハチミツは状態のいいものが中古で安く買えたのですが、初期のものは数が少ないせいで中古なのに2500円くらいと高くて、なかなか手が出ませんでした。
 小遣いも少なかったので新品で買いそろえることもできず、初期のスピッツの音楽はなかなか踏み入ることのできない未知の世界でした。
 そんなとき、地元ではメジャーなヤマチクというCDショップの中古専門店で、未開封の「スピッツ」が2割引きで売られているのを見かけ、即買いしました。

 デビュー作ということで、スピッツのロックな部分が高純度で凝縮された素晴らしい作品に違いないと、ものすごい期待感を持って聴きました。しかし、演奏が退屈で、音がアマチュアっぽくて(粗削りで?)がっかりしました……というのがこのアルバムの第一印象です。
 今思うと、ドラムとベースが単調に聞こえたのと、音圧が弱いことが原因だったのではないかと思います。

 しかし、そこは噛めば噛むほどのスピッツ。聴いているうちに細かいことは気にならなくなって、若い4人の率直なロックに魅せられ、今では大好きなアルバムの一つです。
 草野マサムネのへんてこりんな世界観全開で、ギター前面押し出しのアルバムということで、最もスピッツらしいアルバムなのではないでしょうか?

 おすすめは、シングル曲の「ヒバリのこころ」「夏の魔物」、そして、「海とピンク」「月に帰る」「テレビ」「うめぼし」です。「ニノウデの世界」「トンビ飛べなかった」もいいです。ということで、大体全部です。

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 3年ほど前に、リマスター版が出ていることを知り、購入しました。全然知らなかったのですが、2002年に古いアルバムがたくさん、リマスター版で再発売されていたのでした。

 この記事の冒頭の写真の左側がオリジナル版で、右側がリマスター版です。リマスター版のジャケット裏面には白縁が入ってます。(オリジナル版はジャケットの表側を撮っているのですが、歌詞カードが裏表逆になってます。失敗しました)

 リマスター版は、音が強くなっていて、ロック度が増している(ように感じます)。今もリマスター版で「ヒバリのこころ」を聴きながらこの記事を書いてます。