スピッツ「シングルコレクション 1991-2017」感想その1

   スピッツの「CYCLE HIT 1991-2017 Spitz Complete Single Collection -30th Anniversary BOX-」の感想を書きます!

   本アルバムの収録曲の特徴として、全曲リマスタリングされていることがあげられます。また、そもそもシングルver.とアルバムver.の2種類が存在する曲もあります。普段はオリジナルアルバムでスピッツの曲を聴くことが多いと思いますので(そんなこともない?)、"CYCLE HIT 1991-2017"Ver.とオリジナルアルバムVer.との違いや、その他気づいたことを中心に書いていきたいと思います。
   なお、オリジナルアルバムもリマスタリング盤が出ていますが、ここでは比較対象を初回盤とします。(「スピッツ」と「フェイクファー」を除いて、初回盤しか持っていないので)

   とはいえ、45曲もあるので一曲一曲見ていくと終わらないし大変なので、違いが大きくわかるものから行きたいと思います。

運命の人 Disc2-02

   一番最初に紹介するのは何といってもこの曲です。キーが高かったからとアルバムVer.はキーを半音下げているため、大きな違いがあります。
   シングルVer.を聴いたのは十年ぶりくらいかもしれません。実は今回の購入で久しぶりに聴けることをちょっと楽しみにしてました。
   今聴くとシングルVer.はキー設定以外にもいろいろ違いがありますね。「フェイクファー」発売当時は、アルバムver.の方が音がまとまっていて(=うるさくなくて)好きだと思いましたが、あらためて聴いてみるとシングルVer.の方が、音がにぎやかで、まるで遊園地で遊びまわっているような楽しさがあります。
   聴けて良かったです。

渚 Disc1-14

  アルバムVer.にあった冒頭のシーケンスが無く、いきなりギターのイントロから始まります。これだけでもずいぶん新鮮な印象を受けます。
  もしかしたら、アウトロのベースソロ(大好き!)がアルバムVer.よりも長く聴けるかも!と期待したのですが、そんなことはなかったですね。やっぱりフェードアウト早すぎです……

ヒバリのこころ Disc1-01

   まず、音が大きくなっています。古いアルバムの曲はなぜか音量が小さくて、自分でベスト盤を作ったときに、新旧の曲の間で音量が合ってなくて困っていたのですが、それが解消されています。(これはオリジナルアルバムのリマスタリング盤でも同じことが言えます)
   これだけでも、初回盤しか持っていない人にとっては、このシングルコレクションを買う理由になるのではないかと思います。
   また、オリジナルアルバム盤では、全体的に音が曇っているような印象だったのが、今回のリマスタリングによって、音がクリアになっています。イントロのギターはアタック感があるし、Aメロのアコギのストロークも力強く綺麗に響いています。そして何よりボーカルの声がグッと前面に飛び出してきている。
   他の曲にも言えることですが、今回のリマスタリングによってボーカルとそれぞれの楽器の音がくっきりと分離し、音場が広がっているように思います。一方でボーカルの声は中央にどんっと立っている。
   古い曲がパワーアップして生き返った、というと、勝手に死なすなと怒られそうですが、なんかそんな感じ。

夏の魔物 Disc1-02

   自分の大好きなギターソロのパートのかっこよさが増してます。きっと。

魔女旅に出る Disc1-03

   オリジナルアルバムVer.はこじんまりとした感じでしたが、今回オーケストラの迫力が増してます。それに負けじとボーカルの声もバンドの演奏も力強い。スケール感がアップしてます。ライブ版みたいに最後のサビをもう1回繰り返してほしかったなあ。

スカーレット Disc1-15

   これもたしかアルバムVer.はリミックスだったと思います。「運命の人」と同様に、アルバムVer.よりもシングルVer.の方が音が派手というか、華やかですね。アルバムに入れるときは他の曲と曲調をそろえるために、おとなし目に調整するのが基本なのかな?

青い車 Disc1-09

   なぜかサビの「おいてきた何かを見に行こう」のところで心が震えました。この部分の草野さんの声の伸びというか、響きというか、エロ気(色気)がオリジナル版と違うと思うのは気のせいでしょうか?ぞくぞくしました。

愛のことば-2014mix- Disc3-10

   2014mix版を聴くのは今回が初めてです。よくあるクラブmixのように、イントロがやたら長かったり、ボーカルにエフェクトがかかっていたりと、イロモノな感じなのかと思っていましたが、普通にいつものスピッツでした。
   オリジナルアルバムVer.よりも音が明るい印象を受けます。楽器の高音部分が際立っていて、アルバムではやや地味だったイメージが完全に払拭されています。
   特に'10年代らしいremixの特徴は感じられませんでしたが、’10年代の曲に挟まれていても違和感がなく、名立たるシングルに負けない存在感を発揮していて、あらためて「愛のことば」は名曲なんだなぁと実感しました。

雪風 Disc3-11

  ファンクラブの会報の田村さんの頁に「1年前と声の感じが変わったので、シングルとアルバムとでボーカルのみ録り直している」と書いてあるのを見るまで、恥ずかしながら、シングルVer.とアルバムVer.との違いに全く気付きませんでした。
   あれからだいぶ聴きこんで、雪風レベル(?)がアップした今、あらためて聴いてみると、オリジナルアルバムVer.よりもこちらの方が、草野さんの声がしっとりと響いていて良いように思います。ボーカルの録り直し前後の違いか、今回のリマスタリングの違いかはわかりませんが。


   ざっと9曲の紹介でした。耳のいい人なら全曲聴き分けて紹介できるのかもしれませんが、自分だとここまでです。

   今はまだ買ったばかりなので、新曲のある3枚目と、リマスタリングの違いがよくわかる1枚目をよく聴いています。
   シングルばかり集めたCD-BOXなんて買う意味あるのかなとも思っていましたが、実際に手にして聴いてみるとどうしてなかなか。デビューしてからのスピッツの25年を3時間で追いかけられるというのもよいものですね。どのシングル曲にも個人的な思い出が詰まってますし。

   またしばらく聴きこんだら、新曲3曲についても感想を書きたいと思います。
   ⇒ 2回目の感想を書きました。こちら