スピッツ「歩き出せ、クローバー」感想

  スピッツの6thアルバム「ハチミツ」の3曲目に収録されています。
  これから季節は春から初夏へと向かってきらきらと変わっていくので、季節に合ってそうな曲を選んでみました。

  明るくクリアなギターのイントロから始まり、「未知のページ 塗り替えられるストーリー」というさわやかな歌詞を伸びやかな声で歌い出します。
  続く歌詞も「歩き出せ 若くて青いクローバー」「流れ出す自由で激しいメロディ」など、青春を感じさせる青臭いものが多く、グリーンなジャケットのイメージともよく合っています。

  しかしBメロでいきなり「戦闘機よりもあからさまな君の声」と唐突に戦闘機が登場してきます。
  ここが初めて聴いたときからどうも苦手でした。2回のAメロで築いた青春っぽいイメージと戦闘機がどうしてもマッチしない。戦闘機という言葉が鋭く強すぎて、歌のタイトルを「歩き出せ、クローバー」から「飛び出せ、戦闘機」に変えてしまいたくなるくらい、(僕の中で)曲の印象ががらっと変わってしまいます。なんか空から撃たれている気分になるのです。

  メロディも一筋縄ではいかず、「♪歩き出せクローバー」のあたりは転調しているように聞こえるし、短い曲なのにメロディの数も豊富で数え方によってはABCメロだけじゃなくDメロまでありそうだし、そのうえどれがサビなのかよくわからないし。
  美メロで王道のスピッツソングとみせて、実はなんだかよくわからない異端児だったというのが僕の「歩き出せ、クローバー」の感想です。

 とはいえ、歌の出だしの印象はすごい好きだし、戦闘機は苦手だけど気になるし、で、「ハチミツ」のなかではついついよく聴いてしまう曲です。そのうち、「戦闘機」も気にならなくなる日が来るのかな。なにせ「君の声 優しいエナジー」ですから。

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