スピッツ「ハニーハニー」感想

   3rdアルバム「惑星のかけら」の2曲目に収録されています。

   この歌のなかで最も有名なところはサビの「It's so brilliant!!」だと思います。わお、英文だ!!
   僕はロビンソンのブレイクでスピッツを知った人間なので、「草野マサムネは歌詞を書くのに日本語しか使わないんじゃい!これぞスピッツイズム!英語なんて邪道なんじゃあ!」としばらくの間、知ったかぶっていました。それが、まさか3枚目のアルバムにして、すでにEnglishを解禁していたと知ったときは衝撃でした。スピッツは日本語歌詞だからいいんだよ、なんて言いふらしていたような……はい、にわかファンでした。
   このあとも、Only You!(バニーガール)やRide On!(ハイファイローファイ)のようなほぼ単語だけの英語ものはあっても、主語述語のある英文はなかったと思います。アイニージュー(運命の人)はカタカナだからぎりぎりセーフかな。
  なので、草野さんの貴重なEnglishを聴けるのは「ハニーハニー」だけ!!

   曲の方は、リズムに合わせてズンタッタズンタッタと街から街へ歩き渡っていく感じ。小気味いいです。ちょっと冒険もののRPGの観があります。わくわく楽しい。
   歌詞もポジとネガがいい具合で混じり合っています。「無敵だ」からの「最後の恋」。「踊ろうよ」からの「罪の花」。「天国」からの「落ちてくる日」。この感じは初期のスピッツの世界観ですね。すごく好き。

   Cメロの「旅する 二人は旅する …… 離れた心のジェルが 流れて 混じり合って はじける夜に」もグッときます。
   「離れた心の……」の後の単語がずっと聞き取れなくて、なんだろうと思っていたのですが、歌詞カード見てわかりました。「ジェル」でした!相変わらず草野さんの感性はすごい。全然思いもよらないところを平気で突いてきますね。でもたしかに心が「流れて混じり合う」のなら「ジェル」がぴったりな気がします。

   また、Cメロの草野さんの声を聴いているととろんと甘くて、今の声とはまた違う良さがあるなと思いました。

「ハニーハニー」は昔とても好きだったのですが、いつのまにか聞かなくなっていました。聴いたり歌ったりすると楽しくなる曲なので、またぼちぼち聴いていこうかなっと。

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   そうだ。妻が「ハニーと呼んで~」とたまに困ったことを言うので(もちろん妻なりの冗談ですが)、呼ぶのは恥ずかしいから、歌で返そうかなと、ふと思いました。お、なんだか、普段の生活がミュージカルみたいですね。