スピッツ「惑星のかけら」感想

　3rdアルバム「惑星のかけら」のタイトルチューンであり、アルバムのオープニング曲であり、シングル曲でもあります。
　いきなりのヘビーなギターと、低く抑えた草野マサムネのボーカルとから、ハードロックを予感させる、このアルバムの方向性をがつんっと示した1曲です。

 　初めに聴いたときは、「骨の髄まで愛してよ」という歌詞が、ちょっと苦手でした。骨髄液までしゃぶり取られるような気がして、「愛って怖ぇ～」って、ぞっとしたから。
　今は何度も聴いて聞き慣れたので、むしろ好きな歌詞の一つです。好きな人に対してどストレートな欲望をむき出しにしているのがいいですよね。「愛してよ」の後に「僕に傷ついてよ」と続くのも情けなくて素敵ですし。
　まあ、今でも愛が何なんだかわかりゃしませんが。

　この曲が好きになったのは、ライブビデオ「JUMBOREE1」に収録された演奏を観てからです。
　草野さんはCDとライブとで歌い方がほとんど変わらないのですが、この「惑星のかけら」だけはちょっと違っていました。Aメロの「知らないふりをしてたんだ」の語尾の部分が本来のメロディよりも短く、ちょっと吐き捨てるような感じでぶっきら棒に歌うのです。それがとてもかっこよく映りました。
　間奏のギターパートでは、草野さんと三輪さんとが向き合って、ユニゾンでギターを弾いてくれます。メンバー間の信頼というか絆を見せつけてくれて（！？）、これもかっこいい。見せ場の一つです。

　また、淡々とした抑えた調子のAメロから始まり、サビの「骨の髄まで愛してよ」を経て、声を張り上げるCメロの「……wowわかるだろ」でテンションがMaxに達するという、じわじわと盛り上がっていく曲調も、ライブ向きです。CDでは伝わらない熱気がライブビデオを観ることで伝わってきます。

　そんなわけでライブ映像を見ることで、「惑星のかけら」の好感度が大幅アップしました。やっぱりライブはいいですよね、その歌の良さをCDとは別の角度から引き出してくれます。

　一度はライブで聴いてみたいと思いながら、まだ一度も聴いていない曲の一つです。また歌ってくれないかなぁ。