スピッツ「魔法のコトバ」感想

  12thアルバム「さざなみCD」の9曲目に収録されています。
  映画「ハチミツとクローバー」の主題歌としてシングルリリースされました。

河原でうとうと寝転がりながら聴いていたい

  漫画の「ハチミツとクローバー」も主演の「蒼井優」も好きで、もちろんスピッツも好きで、しかも「魔法のコトバ」というタイトルも魅力的ということもあって、リリース発表時の期待値がかなり高かったのを覚えています。
  実際に聴いてみると、良い曲なんだけど、あっさりしすぎていて名曲に一歩及ばず、というのが正直な感想でした。とはいえ、ジャケットも可愛くて、シングルも買って持ってるほど好きな曲です。

「魔法のコトバ」が発売されてから1年間ほどは仕事が忙しく、出張でよく横浜に行っていました。土曜出勤の週などは家のある金沢に戻るのが面倒くさくて横浜のホテルで連泊して、日曜日は近くの河原でごろっと寝転がって過ごしたりしてました。
 芝生で遊ぶ家族連れのきゃっきゃっとはしゃぐ声をBGMに、目の前には日曜日の青い空が広がっていて、ああ、平和だなぁなんて、うとうとしながらのどかな気持ちにひたってました。
  そのときよく頭の中に浮かんでいたのが2題目のAメロの「倒れるように寝て 泣きながら目覚めて 人ごみのなかでボソボソ歌う」という歌詞です。平日の仕事の疲れで心が若干ぐれかけていたんでしょうね、なんか沁みるものがありました。

  そのあとに続く「君はなにしてる?笑顔が見たいぞ」や、サビの「夢見るとか そんな暇もないこの頃」は、仕事が忙しくて月に1,2度しか彼女と会えない当時の状況とよく合っていて、今思うと、そのころの自分の心境と重なる部分が多いですね。

  昨年の「醒めない」ツアーのアンコールで聴いて、あらためて良い曲だなぁと感じました。いつ聴いてもほっこり暖かくなれる、素敵な曲です。

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|♪ 魔法のコトバ(さざなみCD)

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  もう遠いむかしのことですが、当時つきあっていた彼女と車で出かけて、一日が終わり、家まで送るときに、カーステレオから「魔法のコトバ」が流れました。
  彼女が「魔法のコトバってどんなのですか?」って聞いてきたので、真顔で「君が好き」と言ったら、噴き出して喜んでくれたことがありました。思わず心のなかでガッツポーズをしたのを今でもはっきり覚えています。
  楽しかったなー。あれから10年ですか、早いですねぇ。

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