スピッツ「僕のギター」感想

 12thアルバム「さざなみCD」の1曲目に収録されています。
 このアルバムのなかで一番好きな曲です。


売前に雑誌か何かでタイトルリストを見たときから、「僕のギター」という曲名は気になっていました。
 だって、ロックミュージシャンが最も大事なパートナーである「ギター」をタイトルにつけるんですもん。これが名曲でないはずがありません。
 ただ、期待しすぎて、中途半端な佳曲だったらどうしようという不安はありました。
 しかし、そんな不安はこの歌を聴き終わったときには、霧のように消し飛んでいました。

にかくサビの歌詞が優しくて好きです。
「君を歌うよ 小さなことが 大きな光になっていくように かき鳴らしては かき鳴らしては 祈ってる」
 応援ソングとか、がんばれとか、そんな押しつけがましいものじゃなくて、ちょっと疲れているときに、ふと口ずさんだら、ほんの少し勇気や力をもらえる。そんな歌だと思います。

けど、「小さなことが 大きな光になっていく」というのは、ほんとはとても難しくて、そうじゃないことの方が多い。現実って厳しいし。小さなことは簡単に消えてしまったり、すぐに他の力に負けてしまうし。
 だから「かき鳴らしては祈ってる」というのは、心があふれるまま、体が動いてやっているんだと思う。それは、ちっぽけでささやかなことかもしれないけど。その思いは純粋でとても強い。
 うまく言えないけど、この歌から感じ取れる、真摯に歌と向き合っている姿が好きなんだと思います。ギターを持って歌を歌うってこういうことなのかなって。
 初めてギターを手にしたときの気持ちとか、なんかいろいろ。

* * *
 ギターは長い年月を一緒に過ごすと「新しい地球の音」を味方につけるそうです。
 僕のギターはどうだろう?ときどき思い出したときにしか弾かないから、きっと全然ですね。
 いつか4畳半くらいの音は味方につけたいです。