スピッツ「海を見に行こう」感想

 10thアルバム「三日月ロック」の8曲目に収録されています。
 弾き語りがよく似合う陽気な曲です。
スピッツ「三日月ロック」
  いきなりサビから始まり、歌詞の一発目から、「明日 海を見に行こう」と直球勝負。そのあとも、「二人で行こう」「バスで行こう」とストレートな言葉が続きます。なんのてらいもないサビが心地よいです。
 海へ行くのに、鳥になるでも、君の青い車でもなく、「朝一番のバス」というのがいいですね。ローカル線ののどかな旅をイメージしてしまいます。朝早いから、バスの中はふたりっきりの貸し切り状態だったりして。眠らずに行こうと言いながらも、ひとしきりはしゃいだ後に眠気が訪れて肩にもたれてうとうとしたり。なんか楽しそうです。

 他の歌詞に目を向けると、「降り注ぐ陽光」「雨の匂い」や「おかしくて吹き出しそう」「翼も無いのに」と、陰と陽を織り交ぜた言葉が、陽気ななかにも、さっと影を落とします。

 アルバムの中では打ち込み系の「ハネモノ」とロックでノリノリな「エスカルゴ」をつなぐ箸休めの役目をうまく果たしており、曲配置もナイスです。