スピッツ「恋のはじまり」感想

 11thアルバム「スーベニア」の9曲目に収録されています。
  記憶が確かなら、「三日月ロック」のツアーのときに、新曲として披露されていたように思います。草野マサムネが「新曲を聴いてください」と言ってタイトルを紹介したときに、観客席から、おおぉっと声が上がったのを覚えています。
「恋のはじまり」というタイトルは、ファンが求めるスピッツのイメージを具現化したようで、曲を聴く前から名曲の予感があったのではないでしょうか。

「それは恋のはじまり」「闇の終わり」「明日は晴れるだろう」と、どのフレーズにも新しい恋の喜びがストレートにあふれています。途中の「新種の虫たちが鳴いている」というところで、ちょっとへんてこりんな感じが混ざってくるのが草野さんらしい。新種の虫ってどんなだと思わず突っ込みたくなります。
 とはいえ、わからなくもない。たしかに、振り返ってみると、恋をしたときって、見たことも聞いたこともない虫が遠く近く鳴いていたような気がします。

 サビのぐいぐいと上がっていくメロディも心地良いですし。誰にでもお勧めできる曲だと思います。

 ただ、名曲かと言われると微妙で、もうひとひねりあってほしかったという物足りなさがあります。でも、恋の始まりがひねくれていても困るので、シンプルないまの形がちょうどいいのかな。