スピッツ「桃」感想

 12thアルバム「さざなみCD」の2曲目に収録されています。
 1曲目の「僕のギター」でがつーんとやられたあとに、ポップな「桃」につながる流れがよいです。


 初めて聴いたときはサビの「つかまえた手を離すことはない」という歌詞の印象から、未来に向かっているポジティブな歌だと思いました。
 でも実際には「永遠という戯言」「ありがちなドラマ」「他人が見ればきっと笑い飛ばすような」「よれよれの幸せ」と適度にネガティブなフレーズがちりばめられていて、ポジとネガが絶妙なバランスで仕上がっています。

 「よれよれの幸せを追いかけて」はなんとなくチェリーの「ささやかな喜びをつぶれるほど抱きしめて」を思い出させますね。
 むこうは別れていく二人の歌だとしたら、こちらは離れない二人の歌。桜桃と桃。ということで、微妙に関連しているような気もしなくもない2曲です。

 アウトロの余韻を残した終わり方も素敵です。