【感想】羊文学「12 hugs (like butterflies)」|ザラっとした質感、夜の街をさまよう

    羊文学が4枚目のフルアルバム「12 hugs (like butterflies)」を12月6日にリリースしましたので早速拝聴しています。

羊文学「12 hugs (like butterflies)」

   全12曲を一週間ほど繰り返し聴いてみて、真っ先に感じたのはメロディの美しさや音の綺麗さが際立っているということです。


   例えば、呪術廻戦のEDにもなっている②「more than words」。

   イントロのギターのフレーズが美しい。これだけでドキドキします。

   そこから始まる歌もメロディアスで、サビのラストの高音に至っては風に乗って舞い上がる鳥を目で追うような気持ちよさがあります。


   同じくタイアップ曲の⑤「永遠のブルー」もポップなメロディが耳に残ります。それでいて「愛をしているから間違えたんだ」という絶妙に崩した日本語にハッとさせられます。

   他には⑪「つづく」も低音で鳴ってるベース(ギター?)のリフが靄(もや)がかかった道を進んでいくような美しさがあり好きです。「マヨイガ」を彷彿とさせるのもまたいい。


   美しいメロディがさらさらと流れていく一方でザラッとした質感もあります。


   例えば男声で「10,9,8,,,」というカウントが入る⑥「countdown」の荒々しさだったり、「なのにどうして?やまない声が私を苦しめるの」と強く太く歌う声が胸に刺さる「⑧ honestly」の痛みだったり、⑫「FOOL」の「壊れたって歌うから もう二度と離さないわ」というぎりぎりの前向きさだったり。

羊文学「12 hugs (like butterflies)」

   このザラッとした質感はノイジーでエネルギーが詰まっている。

   ああロックだな、と思うのでした。


   そうそう、「more than words」にはMVがあります。


   夜の都会(渋谷でしょうか?)で狂ったように踊る女性の姿(Vo.の塩塚モエカさん)に魅せられます。

   この歌のようなダンサブルな歌は本作にはそれほどないのですが、夜の街をさまよい歩くイメージはアルバム全体を通して共通しているように思います。


   おすすめは②「more than words」、⑤「永遠のブルー」、⑥「countdown」、⑧「honestly」、⑨「深呼吸」、⑫「FOOL」です。


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