【レビュー】ワークマン フュージョンダウン+シュラフ|ダウンと化繊どちらに近い?どんな人におすすめ?

   晩秋に家族でキャンプをするために暖かくてコンパクトで安価なシュラフがほしくなりました。

   そこで目を付けたのがワークマンの「フュージョンダウン+シュラフ」(以下、フュージョンダウン+)です。

   中綿は天然ダウンと化繊の混合で、値段は7800円と安いのが特徴です。


   オンライン限定販売で、すぐに売り切れてなかなか手に入らないという噂でしたが、たまたまサイトを見に行ったら販売していたので試しに2個ポチりました。


   今回はワークマンの「フュージョンダウン+」で実際に寝てみた感想と、ダウンと化繊どちらに近いか?そしてどんな人におすすめかをお話します。

ワークマン フュージョンダウン+シュラフ グリーン&ブラック

フュージョンダウン+のスペック

   まずは公式に書かれている仕様です。

  • 展開時 縦220×横70(足元幅35)cm
  • 収納時 円周57×高さ36cm
  • 重量 1kg(1個あたり)
  • 快適使用温度 5°C
  • 使用可能温度 0°C
  • 品番 FCS03+

   なお、カラーは黒と緑の2色あります。

   今回どちらも買ってみました。


   気になる中綿(フュージョンダウン)は「天然ダウン35%、フェザー5%、ポリエステル40%、アクリル10%」という構成比になっています。

   ダウン:化繊=4:6で、ダウンが負けてます。


   シュラフを買うと中綿のサンプルが付いてきます。

ワークマン フュージョンダウン+シュラフ ダウンのサンプル

    フワフワしてそう??


比較する商品

   せっかくなので使用温度帯が同じくらい(0~5℃)のダウンシュラフと比べてみます。

   僕が所有している次の2つのダウンシュラフに登場してもらいます。

  • モンベル「ダウンハガー800#3」(以下、ダウンハガー#3)
  • ハイランダー「ダウンシュラフ600」(以下、ハイランダー600)


   ではいよいよ「フュージョンダウンシュラフ」を見ていきましょう!


収納状態

   収納した状態で3つのシュラフを並べてみました。

   左から、ダウンハガー#3、ハイランダー600、フュージョンダウン+。

ダウンハガー#3、ハイランダー600、フュージョンダウン+

ダウンハガー#3、ハイランダー600、フュージョンダウン+

   直径も長さもフュージョンダウン+が一番大きいです。

   ダウンハガー#3はさすがモンベル。登山用ということもあり、一番小さいです。

   サイズは価格と反比例ですね。


展開状態

   ではシュラフを広げてみます。

   形状はマミー型です。

ワークマン フュージョンダウン+シュラフ グリーン

   広げた瞬間はぺらぺらですがしばらくすると空気を吸い込んでフワッとし出します。

   この感じは化繊よりもダウンシュラフに近いですね。


   特に臭いもありません。


   手で押してみて沈み具合をチェック。

ワークマン フュージョンダウン+シュラフ グリーン

   快適温度5℃なら妥当なふっくら感なのではないかと思います。


   次に首回りを見てみます。

   面ファスナー(左下)とドローコード(左上)が付いています。

ワークマン フュージョンダウン+シュラフ グリーン 首回り

   ドローコードを絞ってみます。ぎゅーーっ。

ワークマン フュージョンダウン+シュラフ グリーン ドローコードを絞る

   このへんの機能は標準的ですね。


   ネックバッフルやショルダーウオーマー、ドラフトチューブはありません。


気になったところ

   ジッパーの内側にはドラフトチューブどころか布一枚ありません。

   ジッパーから漏れこんでくる冷たい外気に対してノーガードです。

ワークマン フュージョンダウン+シュラフ グリーン ジッパー

   ジッパーの部分を触ると多少冷たさを感じました。


   参考までに、ダウンハガー#3には中綿入りフラップが、ハイランダー600には薄い布が付いていて直接ジッパーに体が触れないようにできています。



   足元にはシュラフを干すときに吊るすためのループが付いています。(左右2個)

ワークマン フュージョンダウン+シュラフ グリーン 吊るすループ

   ただシュラフと同じ材質で若干チープです。

   まあ、お金をかけるようなところでもないのでこれで正解だとは思います。ただ気になる人は気になるかもしれません。


キャンプで使ってみた

   10月中旬にキャンプで実際に使ってみました。

   この日は夕方から雨予報で寒い日になりそうだったので、フュージョンダウン+の実力を知る良い機会だーーー!!

   と張り切って、僕と長男で新品のシュラフ2個をそれぞれ使ってみることに。

ワークマン フュージョンダウン+シュラフ グリーン 秋のキャンプにて

   僕は薄いフリースのみという格好で就寝しました。

   ……しかし夜に雨は降ったものの、明け方でも14℃くらいまでしか温度が下がらず。

   シュラフのなかは暑すぎるくらいでした。


   うーん、残念。フュージョンダウンシュラフの実力を知るに至りませんでした。


補足

   暖かさ(保温性)については、ダウンハガー#3、ハイランダー600、フュージョンダウン+ともにほぼ同じくらいだと思います。(同じ日に3者を寝比べたわけではないのでざっくりとした感想ではありますが)

   僅差でハイランダー600がやや暖かそうかな。


まとめ

   フュージョンダウン+と他2つのダウンシュラフとを比較した結果をまとめてみました。


モンベル
ダウンハガー
800#3
ハイランダー
ダウンシュラフ
600
ワークマン
フュージョン
ダウン+
価格  約3万円 約1万6千円 約8千円
サイズ 
重量 約600g 約900g 約1kg
暖かさ
機能


   価格はフュージョンダウン+に軍配が上がりますが、サイズや重量はワーストです。

   暖かさは感覚的には3者とも横並びの印象です。

   機能はストレッチ性があり、ジッパーに中綿フラップが付いているダウンハガー#3が一段優れています。

   登山に持っていくならダウンハガー一択ですね。


ダウン?化繊?

   フュージョンダウン+に使われている中綿の構成比はダウン:化繊=4:6で化繊寄りです。

   では実際に触ったり使ってみた結果、ダウンと化繊どちらに近かったでしょうか?

   個人的な感想では、ダウンシュラフに近い印象を受けました。


   シュラフから出すと膨らんで暖かいし、シュラフをしまうときはダウンシュラフのように押し込んでいくだけでよく、収納するとコンパクトになりますし。

   それでいてダウンシュラフよりも安い。

   化繊を混ぜることで価格を抑えつつダウンのメリットも出せていて、フュージョンダウンというのはうまい手段だなぁと感心しました。


   とはいえ、同じ価格帯で化繊シュラフならもっと快適使用温度が低い(つまり暖かい)ものもあります。但し、サイズや重量は大きくなりますが。


   ではどんな人に「フュージョンダウン+シュラフ」はおすすめでしょうか?


どんな人におすすめ?

   まず登山にはやや不向きです。

   1㎏は担いで登るにはちょっと重い。(ぎりぎりアリですが)

   できればお金を足してもっと軽いシュラフにしたいところです。


   では一般的なキャンプ向けかというと、それも微妙です。

   化繊シュラフにすれば、同じ価格でももっと暖かいものを手に入れられるからです。

   その代わり重くてサイズが大きくなりますが、車で移動するなら1㎏も2kgも変わらないでしょう。


   おすすめはずばりファミリーキャンプ(しかも人数が多い)です。

   うちのような5人家族の場合、快適使用温度が5℃の寝袋を5つそろえようとすると、全て高額なダウンシュラフというわけにはいきません。お財布がすっからかんになります。

   そうかといって化繊シュラフにすると、今度はサイズが大きくなりすぎます。

   我が家はトランクカーゴ70lに5人分のシュラフを詰め込むので、これに入らないサイズはNGです。


   こうして消去法で残ったのが、お財布に優しく適度にコンパクトな「フュージョンダウン+シュラフ」なのでした。

   フュージョンダウン+は上から押すと空気が抜けてしぼむので、トランクカーゴ70lに余裕で5個入ります。(5個持ってないので試せてませんが。2個入れた雰囲気から間違いないかと)


   ということで、秋キャンプで使うような快適使用温度5℃程度のシュラフを、そこそこ小型なもので5つそろえたい!しかもお財布にも優しいものを!と考えたら「フュージョンダウン+シュラフ」は候補のかなり上位に上がってくるのではないかと思います。

   5個買っても7800円 x 5 = 39000円なので、モンベルのダウンハガー800#2単品とほぼ同じ値段と思えば、まあまあ安いのではないでしょうか。


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