今週のSPITZ草野マサムネのロック大陸漫遊記は「日本語ロックの歌い方の歴史で漫遊記」でした。
ただの「歌い方」や「ボーカル特集」ではなくて歴史ですよ、歴史!!
草野さんが考える特に影響の大きかったシンガーを’70年代から’10年代まで歴史を順に追っていき、大学の特別講座のような興味深い回となりました。
まずはオンエアリストです。
オンエアリスト
① 夕陽が笑う、君も笑う / スピッツ
② 春よ来い / はっぴいえんど
③ トランジスタ・ラジオ / RCサクセション
④ ミス・ブランニュー・デイ (MISS BRAND-NEW DAY) / サザンオールスターズ
⑤ 情熱の薔薇 / THE BLUE HEARTS
⑥ シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~ / Mr.Children
⑦ 虹 / L'Arc~en~Ciel
⑧ おしゃかしゃま / RADWIMPS
はっぴいえんどからブルーハーツ
まず紹介されたのは「はっぴいえんど」です。
草野さんん曰く「日本語ロックの始まりはこのバンドから!」とのことです。
当時、はっぴいえんどと内田裕也さんの間で日本語ロック論争があり、当時は「日本語でロックは出来ない」と思われていたそうです。今では信じられないですね。
なおオンエアされた「春よ来い」は1970年発売の第一作目に収録されています。
このアルバムをサブスクで聴いてみましたがけっこう良かったです。(ほぼ初めて聴いた)
パーカッションが痛快な「敵タナトスを想起せよ!」が特に好きです。
スピッツがカバーした「12月の雨の日」も入っていました。
続いてRCサクセション。
70年度後半に日本語ロックの最初のブームがあり、忌野清志郎さんは「日本語ロックの歌い方の雛形を作った」と草野さんは話していました。
3人目はサザンオールスターズの桑田佳祐さん。
草野さんの中では「英語にあえて寄せる歌い方を普及させた人」という認識だそうです。
桑田さんは曲を作るときはデタラメな英語で歌ってそれに近い日本語を当てはめているそうで、そのためリズム的に洋楽に近くなる、と話していました。
ここで、草野さんは「クセのある歌い方ができなくてそれ以外を模索した」と話し、続けて紹介されたのがブルーハーツの甲本ヒロトさんでした。
出た、ブルーハーツ!
ブルーハーツの名前を聞くだけでテンション上がりますね。(そういう世代だからかな?)
草野さんがブルーハーツにハマった理由の一つとして「アクの強い歌い方に対する反発心」をあげていました。
「童謡、唱歌のよう」「8部音符に一音ずつ乗せていくスタイル」「英語をあまり使わない」と語り、ご自身のことを「甲本ヒロトさんのフォロアーのカテゴリ」と話していました。
また「英語と日本語では同じメロディで乗せられる言葉が少ない。日本語ではそれを逆手に取って説明しすぎない世界が作れる。それのいい例がブルーハーツ」とも話していました。このへんは歌詞論としても興味深いですね。
ミスチルからラッドまで
このへんから僕もリアルタイムで聴いたことがある時代に入ってきます。
まずはミスチル櫻井さん。
なぜかスピッツ草野さんからミスチルの名前が出ると肌がピリつきますね(^_^;)
草野さんは語尾の母音を省く歌い方に注目し「子音のみを発音することでグルーブ感を失わない」と話していました。
例として「おわりなきたび」の歌詞を2種類の歌い方で歌っていましたが、このときのダメな方(?)の例が武田鉄矢さんっぽく(博多っぽい?)て面白かったです。
続いてラルクのHydeさん。
草野さんは「日本語ロックの歌い方の頂点」「独自の世界」「ボーカルフライというエッジを効かせる手法も使っている」と話していました。大絶賛ですね。
最後はRADWIMPSの野田洋次郎さん。
草野さんは「ヒップホップ世代以降のロック」と言い、「乗せている言葉の数が多い」「リズムと言葉の関係性」「細かい譜割」などを話していました。
また「かっこいいと思うけど歌うとなるとついていかなくなる」とも。
ヒップホップを通った世代かどうかというのはロク漫のなかで以前にも話されていましたね。
草野さんにとってはかなり重要なファクターのようです。
番組の最後に草野さんは
「ここ最近は高いレベルのシンガーが増えた。
発声で魅力的になる言葉を選んでいる」
と話していました。
今回のロク漫は歴代のロックシンガーを順に追っていきすごく興味深い回だったので、いつになく長い記事になってしまいました。
今さらながら「はっぴいえんど」のサウンドがよかったので、これから少しずつ聴いて行こうと思います。
YouTubeMusicプレイリスト
ロック大陸漫遊記でオンエアされた曲を、普段から聴けるように毎週プレイリスト化しています。
YouTubeMusicで限定公開してますので、同じくYouTubeMusicに加入している方はよかったらご利用ください。
なお、違法アップロードと思えるものは避けて、公式と思える楽曲のみで作成するようにしています。(たまにわからないときがあるけど)
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