【感想】The SQUARE/T-SQUARE ”Wordless Anthology IV, V” |’90年代後半から’00年代前半を聴く

    The SQUARE/T-SQUAREのリミックスベスト盤”Wordless Anthology"のIV, Vの感想を書きます。


   前作I〜IIIはT-SQUAREのデビューからの20年間を収めたベスト盤でした。

   今回のIV, Vはそれよりも短く’97年から’04年くらいまので約7年間を収めたベスト盤になっています。


   僕が昨年買ったときはIVは通常版(歌詞カードの中央が窓になってないやつ)がまだ新品で売られていました。

   しかしVは新品がですでになく、中古も数が少ないのか入手困難で、時折見かけても高値が付いている状況でした。(僕はたまたま安く出品されているのをみつけて買えたのでラッキーでした)

   IVもVも良いアルバムなので、新しいファンが入手しやすいようにぜひ再販してほしいです。

The SQUARE/T-SQUARE ”Wordless Anthology IV, V”

   それでは順番に感想を書いていきます。

   なお、両アルバムともに安藤さんの書かれたセルフライナーノーツと、発売時点での全アルバムのディスコグラフィが付いています。


Wordless Anthology IV

   ピンク色のジャケットです。パッションです。

   次の4枚のアルバムから選曲されています。

  • BLUE IN RED
  • GRAVITY
  • SWEET & GENTLE
  • T-SQUARE

   ライブで盛り上がりそうな曲がたくさん詰まっていて、個人的にはランニングのときのBGMとして非常にお世話になっているアルバムです。


   ①「BAD BOYS & GOOD GIRLS」は冒頭にあるおもちゃ箱をひっくり返したような音が愉快♫オープニングにふさわしい楽しい一曲です。

   ②「TOOI TAIKO」はセルフライナーノーツで安藤さんが「すごく透明感がある」と書いている通りきれいな曲です。僕は聴くたびに雨がしとしとと降っている情景を想像してしまいます。

   ④「SAILING THE OCEAN」は韓国のライブで人気だそうです。元気いっぱいな始まり方が良いです。そして中盤の流麗なキーボード→ゴキゲンなサックスの流れがアツいです。

   ⑥「EXPLORER」はベースがかっこいい!

   ⑩「A DREAM IN A DAYDREAM」はぐんぐんと上がっていくギターが気持ちいいです。風にのって空まで届きそうな感じ。

   ⑪「MAN ON THE MOON」はサックスが伸びやかで、アコギが爽やかなラストにふさわしい心地よい一曲です。原っぱに大の字に寝転がって雲が流れていくのを眺めたくなります。


   速い曲もゆっくりな曲も良いものがあって死角のない一枚です。


Wordless Anthology V

   黄緑色のジャケットです。エバーグリーンです。

   次の5枚のアルバムから選曲されています。

  • FRIENDSHIP
  • BRASIL
  • NEW ROAD, OLD WAY
  • SPIRITS
  • GROOVE GLOBE

   安藤さんの書いたセルフライナーノーツに出てくる単語を拾っていくと「LA(ロサンゼルス)」「サンパウロ」「飛び跳ねながら」「ブラジル」「サンバ」「ボサ・ノヴァ」「ブルージー」「アメリカン・ロック」「すごく清々しい」「16ビート」「ちょっとジャジーな感じ」というふうで、色んな要素が集まった多国籍なアルバムということが伝わると思います。

   良く言うとかちゃかちゃしていて楽しいアルバムです。

   ただ、ぐいぐい引っ張ってくれる曲が2,3曲しかない印象なのがやや残念。


   ①「FRIENDSHIP」はジャケットの若草色を彷彿とさせる爽やかな曲です。

   ②「SAFARI」は1曲目から一転してパワフル!低音がどしーんと響きます。


   ④「DESPEDIDA」は安藤さんがサンバとかボサ・ノヴァっぽい曲をアコギで作ろうとして出来た曲だそうです。南米の雰囲気がよく出ていておもしろいです。

   ⑤「TOYS」はカチャカチャ鳴ってるパーカッションがかわいらしい。ほっこりするというか、こんなふうに楽しく毎日を過ごせたらいいなぁと思える一曲です。


   ⑨「風の少年」はイントロのアコギの入り方からして神がかっています。大好きな曲です。草原を吹き抜ける風になってどこまでも駆けていきたい。

   ⑩「EUROSTAR」はちょっとキラキラした感じと後半のステップするようなピアノのメロディが素敵です。

   ⑪「DREAM WEAVER」、⑫「FUTURE MAZE」はどちらもアップテンポでかっこいい曲です。

   特に⑫は演奏が激しくてえげつなくてめちゃめちゃいいです。中盤のキーボードのソロ(最初ベースソロかと思ったら違った(汗))やサックスのスリリングな展開やラストのドラムのど迫力な演奏など、すべてが圧巻です。


   前半はいろんな種類の曲を、後半はライブ感のあるアップテンポな曲を楽しめる一枚です。


む す び

   前作I, II, IIIに収録されていた「TRUTH」や「TAKARAJIMA」のようなアンセムこそありませんが、今回紹介したIV,Vは’00年代に足を突っ込んでいるということもあり、どの曲も洗練されています。

   個人的にはIV,Vともにかなり気に入っていてよく聴くアルバムです。


   さてさて”Wordless Anthology”も最後のVが出てから十数年が経過しました。

   ぜひ’00年代中盤から'10年代までをまとめた”Wordless Anthology VI, VII, VIII”も出してほしいと思います。

   T-SQUAREはアルバム枚数も曲数も多いのでリミックス盤という形でまとめてもらえると聴きやすくて非常に助かります。

   安藤さん、よろしくおねがいします!


コメント