mol-74は「青」や「海」のイメージも合ってるなぁと思いながら3月に発売された新譜を聴いてます。
これまで僕がmol-74に持っていたイメージは「夜」や「冬」だったのですが、今回のアルバムのジャケットの青い海の絵を見て、アルバムの曲を聴いて、mol-74の奏でる音楽を表す言葉として「青い海」というのもアリだなと感じました。
深い海に潜ってまた再び光がきらめく海面へ浮かんでくるような気持ちでmol-74のアルバム「OOORDER」を何度も何度も聴いています。
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アルバム全体の感想
アルバム「OOORDER」は静かな「深青」から始まります。
そこから2曲目3曲目と進みに連れて徐々に海の深くへと潜っていくようです。
最も光が届かない深い底が中盤の「Answers」や「鱗」のあたりです。
そして後半は一転して再び海面へ向かって浮上していき、ラストの「Teenager」「白光」で太陽の光が見え始める。
時間軸で濃淡のバーを描くなら、淡→濃→淡です。
冒頭からいきなり濃ゆいのではなくて、徐々に深く色濃くなっていき、最後に明るい光を見せて終わるという構成が素敵です。
歌詞カードを開いてみても上のようなイメージのイラストが綴られています。
全て青い海のイラストなのですが、ページが進むに連れて青色がどんどんと濃くなっていき、ちょうど真ん中の頁で青色が最も深くなります。
ラストの頁が最も明るくて、黄色の光に包まれています。
アルバムを通して聴くことで、心の奥深くへと潜っていきそこに眠っている何かをみつけて表層に持ち帰る、という体験ができます……と書くとちょっと大げさかな(^_^;)
各曲の感想
1. 深青
海のなかで呼吸をしているような、静かな曲です。
「戻らない夜に月だけそっと浮かべて……
触れないものに憧れないでよ、なんて」
という歌詞が美しい。
静かですが、アルバム本編への期待が高まります。
2. Renew
一転してアップテンポになります。
「全瞬間」というフレーズでサビに入るところがインパクトがありかっこいいです。
ライブで演奏したら盛り上がりそうです。
Cメロでは手を高く上げてリズムに合わせて手拍子したい。
3. Halation
またまたアップテンポな曲です。
「ハレーションを起こして……」と歌うサビの疾走感が気持ちいいですし、キラキラしています。
4. ミラーソング
3rd EP「Replica」の2曲目に収録されていました。
「夢や理想ってやつに卑屈になった君に問う
なりたかった自分になれてるだろうか」
という歌詞にドキッとします。
5. リマインダー
イントロから歌のパートに入ったあともずっとバックで奏でられているクリアなギターリフが魅力的です。
それにしても2曲目からここまで、更には次の6曲目も、アップテンポな曲がこんなに連続しているという構成は今までのmol-74のアルバムには無かったのではないでしょうか。
ライブでもこのままのセットリストでばっちり盛り上がりそうですよね。
6. Answers
アニメBORUTOのEDテーマにもなりました。
メジャーなアニメのタイアップということで、当時はついにモルカルの時代が来たかー!と嬉しくなりました。
実際名曲だし、この曲のおかげでバンドの認知度もアップしたのではないでしょうか。
言葉を詰め込んだサビやCメロのメロディと歌詞、そして武市さんの歌声にシビれます。
そして「溶暗していく熱」「非対称な運命」「肥大していく終焉」というワードがかっこいいのです。
7. 鱗
この曲がアルバムの中間点であり、ここが最も深い海の底でしょうか。
ここまでずっとアップテンポな曲が続いていましたが、いったん静寂が訪れます。
8. ニクタロピア
ここからラストに向けて再浮上していきます。
「変わりたい、変われない僕たちを」「夢じゃない 嘘じゃない」という歌詞がインパクトがあって頭のなかでぐるぐると回ります。
それにしても「ニクタロピア」ってどういう意味なんでしょう。
9. Replica
アニメ「ブルーピリオド」のEDテーマです。
この曲は「Answers」以上にサビが早口で、言葉が機関銃のように飛び出してくるのが聴きどころです。めっちゃ昂ります。
それにしても「ハッピーエンドじゃ物足りなくなって 劣等感しか愛せなくなってる世界」って歌詞がすごい。
劣等感しか愛せないのは自分のなのか他者のなのか。それによって意味が大きく変わりそう。
10. 更進曲
ザクザクと突き刺さるようなサウンドがかっこいいです。
「さあ、打ち鳴らせ いざ、掻き鳴らせ」というサビのなんと力強いこと!
今までのどの曲よりも好戦的で猛々しいです。
冒頭の「やーやーやー」というコーラスも戦場の鬨の声のようですし、高ぶること間違いなし!
今作一押しの一曲です。
11. Teenager
EPで初めて聴いたときは正直やや凡庸な印象でした。
こういう爽やかで疾走感のある曲は他に得意なアーティストがいっぱいいそうだし、モルカルらしさも弱いなぁと。
でも今回、アルバムラスト2曲目という位置に収まることで化けましたね。
「だからほら走り出せ」「今、心が叫ぶ方へ」という歌詞が後半の追い上げにばっちりハマり、ラストの盛り上がりに一役買ってます。
12. 白光
ラストの曲はとても穏やかです。
静かな海に浮かんで波に揺られているような、ベンチに座ってカーテンの木漏れ日を見ているような。そんな温かい気持ちにさせてくれます。
「僕らはいつだって このまま いつだって
ただ、目に映る日々の光を忘れないように」
「また、脈を打つ 命の音を鳴らす」
という歌詞が心に響きます。
こんなにたくさんのことが起きている世の中だから「目に映る日々の光を忘れない」ことや「命の音を鳴らす」ことがどれだけ尊いことか、身にしみます。
最後のLaLaLa......というコーラスが未来へと繋がっているように思います。繋がっていてほしい。
また1曲目の「深青」と歌詞が対になっている、もしくは返答になっているのが素敵です。
「このまま何処へ向かうのだろう」(深青)
「何処へも行かないよ、と」(白光)
「間違って 失くなって 消えて」(深青)
「何もかもをなくさないように」(白光)
「戻らない夜に月だけ」(深青)
「目に映る日々の光を」(白光)
「でも、今はもう、ただこのまま」(深青)
「僕らはいつだって このまま」(白光)
「深青」から始まり「白光」で終わりまた「深青」へと帰っていく。
円環をイメージできるアルバム構成が素敵だなと。
むすび
「OOORDER」はモルカルらしい美しい旋律と、幻想的な歌詞を堪能できます。
またライブで盛り上がるだろうアップテンポな曲が多いのも特徴です。
繊細で美しいだけじゃなく、がつんっと力強くもある。
そしてアルバム全てを通して聴くことで世界観が広がる構成がまた素晴らしい。
これは現時点でのmol-74の最高傑作だと思います。
おすすめは②③⑥⑨⑩⑫です。
特に⑫「白光」が好きです。穏やかで温かい気持ちになれるから。
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