NHK-FM「ディスカバー・クイーン」もいよいよ残り3週となりました。
今週はクイーンのラストアルバム「メイド・イン・ヘブン」の解説です。
第47回 クイーンズ・クロニクル~メイド・イン・ヘヴン
【放送日】 3月20日
【DJ】サンプラザ中野くん, 西脇辰弥
番組最初に西脇さんが「クイーンの情熱と愛が詰まったアルバム。泣く泣く選曲させてもらった」と言っていました。
Made in Heaven
- 聴きどころ:本家よりヘビー
- フレディのソロからボーカルトラックだけ取り出して作った
- ブライアンが大変だったと話している
- そもそもテンポがオリジナルと違う。クイーンver.は77.7BPMだがソロver.はテンポが一定じゃない
- フレディの歌をワンフレーズごとにサンプリングして楽器を合わせてテンポを一定にしたのではないか
- 転調しているのに気づかせないのがフレディの妙
- クイーンVer.はサビの前に一小節付け加えている
- ソロver.では歌声を伸ばしてないので、ロジャーのドラムがドタドタとアクセントをつけることにより、語尾が伸びてないことに気づかないようにしている。うまく作っている
⇛ この曲だけとっても情熱と愛が詰まっていることがわかる
Mother Love
- 聴きどころ:随所にあるロジャーのシンバルロール
- 1991年5月にセッションしている。フレディが体調を崩してレコーディングを出ていった。そして帰ってこなかった
- 一番最後のAメロだけブライアンが歌った。相当の覚悟を持って歌ったのではないか
- たくさんのコラージュ。全てのクイーンの曲。CDの早送りした音の挙動に似ている
- フレディのラリー・ルーレックスの「ゴーイングバック」も流れて、最後は赤ん坊の泣き声 ⇛フレディが母親の胎内に戻っていくイメージなのではないか
I Was Born To Love You
- 聴きどころ:右へ左へと縦横無尽に駆けめぐるブライアンのギター
- 歌の合間という合間全部にギターが入っている
- ロジャーはバスドラをすごくたくさん叩く特徴がある。それをすることで、ここでもクイーンらしさをあえて出している
- 「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」のところで3拍フレーズのポリリズムをしてオリジナルにない拡張をしている。そのためフレディの尺が足りない。それをサンプリングとディレイで補っている
⇛ 限られた音源で絶対にクイーンの音にしてやる!フレディに恥をかかせたくない!という愛と情熱が感じられる
A Winter's Tale
- 聴きどころ:フレディのボーカルと分厚いコーラス
- スイスの湖畔でフレディが最後に仕上げた曲と言われいてる
- フレディがテイクワンで仕上げた
- サイケデリックなできあがりで謎の音が多い
- テープフランジャーというクイーンのアルバムには常に使われている手法がもちいられている。フレディが単独で作った最後の曲にこの手法が使われているということがナニかを象徴しているよう
西脇さんは最後に
「リシューされたアルバムに収録されたボーナストラックには名曲がないことが多い。しかしメイド・イン・ヘブンでは限られたリソースで堂々たるクイーンのアルバムを作り上げた。本当にクイーンのメンバーは偉大だと思う」
と話していました。
「メイド・イン・ヘヴン」はすごく美しくて完成度も高い傑作だと思うのですが、フレディの没後に発売されたということでどうしても違和感がありました。
でも今回西脇さんが「情熱と愛が詰まったクイーンのアルバム」として解説してくれたことで、このアルバムの見方が変わったように思います。
ありがとうございます。
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