歌のカバーは難しい

   先日のFNS歌謡祭で久しぶりに徳永さんがテレビで歌っている姿を見ました。


「夢を信じて」をSexy Zoneのお二方とデュエットで披露。

   バックにはなつかしいドラゴンクエストのアニメの映像も流れていて、アニメを見て歌を知ったものとしてはかなり嬉しい演出でした。

   サビを2回繰り返して歌う編曲もよかったです。

   メロディアスでキャッチーだし、歌詞が心にしみるし、あらためて良い曲だなぁと思いました。


   ただ、せっかく3人で歌うのなら、原曲のラストにある「wow〜 wow〜」もコーラスしてほしかったですね。

   アニメのエンディングで初めて聴いたときから、あの「wow」は印象に強く残っていたので。

   たぶん歌詞のない歌のパートに痺れた初めての経験だったのではないかと思います。



   それにしてもセクゾ(と略すのか)のお二人とも歌うまかったですねー。

   ジャーニズ=アイドルでルックスもよくて歌もうまいって、なんなんでしょうね、ほんと。


   ただ、それでもクセが強いというか個性が前に出過ぎていて、「夢を信じて」という歌にはちょっと合ってないかなと思いました。(ファンの方すみません)

「夢を信じて生きていけばいいさと君は叫んだだろう」とキメすぎて歌うと上から目線に感じると言うか、妙な反発心が生まれてしまうので、そこはもっと自然に歌ったほうがよかったのかなと。

   徳永さんがカバー曲を歌うときに譜割り通りに個性を出さずに歌うようにしている、と以前に話していたのもちょっと納得。

   まあイケメンなお二人に対する僕のひがみもあるのでしょうけど(^_^;)


   そんな徳永さんもいろいろなカバーをしてきているわけですが、あれってファンの人にしてみたらどう映ってるのでしょうね。

   やっぱ「なんか違うぞ」って感じてるのかな。

   例えば僕は徳永さんがカバーした歌のなかでは「ハナミズキ」「雪の華」「なごり雪」「月光」なんかは原曲もカバーも両方とも好きです。

   でも一青窈やイルカのファンではないので、きっと採点は甘めなんだろうな。


   以前スピッツの「空も飛べるはず」のカバーをサブスクで調べていくつも聴き比べたことがあります。

   そのときは歌い手の個性が強すぎる歌い方のカバーはどれもいまいちな印象でした。

   どちらかというとサラッと自然に淡々と歌っているもののほうが自分の好みに合ったし歌のイメージにも合ってると感じました。

(ちなみによかったのは「さよならポニーテール」「ねごと」、あとはどこかの子供の合唱団)


   ファンの目から見ると、原曲を超えるカバーというのはかなりハードルが高いように感じます。

   しかし自分が一つだけ原曲を超えている(あるいは原曲とは別の良さがはっきりとある)と感じた曲がスピッツにあります。

   それは”LOST IN TIME”というバンドの「田舎の生活」です。

「一期一会」というコンピレーションアルバム(全曲スピッツのカバー)に収録されています。


   スピッツの「田舎の生活」がアコースティックで穏やかな印象の名曲なら、”LOST IN TIME”の「田舎の生活」はバンドサウンドのアレンジが絶妙で、後半に向けて大きく盛り上がっていく展開が魅力です。

   この歌もそこまでボーカルのクセが強くないんですよね。どちらかというと淡々とした歌い方をしています。

   そして聴き終わると「ああこういう壮大なバンドサウンドの『田舎の生活』もありだな」という気持ちになります。

   ファンにしてみたら、カバーする歌い手の個性はどうでもよくて、カバーすることでその歌の新しい魅力を発見したいわけですね。

(余談ですが、カバーがあまりに良かったので、その後”LOST IN TIME”のアルバムを何枚か買わせていただきました)


   逆に自分の好きなアーティストが他のアーティストの歌をカバーするのを聴きたくなるのは、カバー曲を聴きたいというよりも、好きなアーティストの新しい魅力を発見したいからだと思います。


   どうせなら、カバーする方もされる方も、新しい発見や成長があるといいですよね。

   それがカバーの魅力なのではないかと思います。


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