QUEEN初心者のひとことアルバム感想その5 〜ザ・ワークス、イニュエンドウ、メイド・イン・ヘヴン

    こんにちは。

   クイーン初心者がクイーンのアルバムの感想を語る企画の第5弾です。


   最後となる今回は、フレディ・マーキュリー生前最後の作品や彼の没後に発表されたアルバムなど後期の3作にスポットを当てます。(下の写真を参照)


ザ・ワークス - The Works 

   1984年発売の11枚目のアルバムです。


   前作の反省(?)を活かしてブラック路線からファンの求めるクイーンらしいロックに戻ったということです。

   ジャケットもクールかつワイルドなので、「ザ・ミラクル」のようなハードロックを期待したのですが、そこまで激しくはなくどちらかというとポップな印象のアルバムです。

   ①「RADIO GA GA」、⑥「ブレイク・フリー」、⑧「ハマー・トゥ・フォール」などグレイテスト・ヒッツIIにも収録されいてる有名な曲が目白押しなので、それだけでも傑作アルバムだということがわかります。


   グレイテスト・ヒッツIIに含まれていない曲で好きなのは②「テア・イット・アップ」、④「マン・オブ・ザ・ブラウル」、⑨「悲しい世界」です。

   ②はブライアン作のハードなナンバーでライブですごく盛り上がりそう。サビの「Tear it UP!」で拳を高く突き上げたい!

   ④はロカビリー調の曲で古臭い感じが逆に新鮮で楽しいです。

   ⑨は静かなバラードです。メロディの美しさと、優しく歌い上げるフレディの声に酔いしれます。訳詞を見ると気が重くなりますが。


   収録曲数が9曲と少ないですが、その分密度の高いアルバムに仕上がっており、何度でもリピートして聴きたくなる一枚です。


イニュエンドウ - Innuendo 

   1991年発売の14枚目のアルバムです。

   フレディ・マーキュリー生前最後のアルバムとなりました。


   ネットでの評価は上々で、クイーンアルバム投票などを見ていても上位にランクインしています。

   でも「それってフレディの遺作ということで感傷的なバイアスがかかっているんじゃないの?」と僕は長らく疑っていました。

   しかし実際に聴いてみると……たしかに良い!評判の高さも納得です。


   前期のクイーンの重厚で壮大な楽曲もあれば、'90年代らしい洗練されたシャープな曲もあり、これまでのクイーンとこれからのクイーンをつなぐ一つの進化点に当たるアルバムのように感じられます。

   初期のクイーンらしさが出ていると感じたのは①「イニュエンドウ」、②「狂気への序曲」、⑦「神々の民」、⑩「ヒットマン」などです。①はボヘミアン・ラプソディのような複雑な構成をしていますし、⑩はとにかくハードです。

   一方、新しい時代のクイーンを感じさせるのは③「ヘッドロング」、⑥「ライド・ザ・ワイルド・ウインド」などでしょう。どちらも疾走感があってかっこいいロックナンバーです。

   もしもフレディが生きていたら、こうした楽曲のさらに先へ、'90年代、’00年代と時代を重ねてますます進化していくクイーンを聴けたのではないかと思うと残念です。


   それにしても⑧「輝ける日々」、⑫「ショウ・マスト・ゴー・オン」のなんと素晴らしいことか!

   ⑧はバルコニーにたたずんで暮れていく世界を眺めているような穏やかな美しさがあります。

   ⑫はただただフレディの歌声に圧倒されます。メロディも歌詞も(訳でしかわらかんけど)全て突き刺さります。


メイド・イン・ヘヴン - Made in Heaven

   1995年発売の15枚目のアルバムです。

   フレディ・マーキュリー没後に発表されました。


   旋律の美しい曲が多く、全体的に良くも悪くもクイーンらしいクセ(初見で聞きづらく感じるような)が少ないように思います。

   そのため最初聴いたとき、あまりにさらっと終わってしまい「ああ美しい作品だな」とだけ感じたのを覚えています。


   バラードが多い印象のアルバムですが⑥「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」や⑨「ユー・ドント・フール・ミー」などアップテンポな名曲もあり、アルバムのバランスは取れています。

   ⑥は有名なので省略するとして、⑨は的に都会っぽいクールなかっこよさがあり、間奏のギターもスリリングです。これまでにない、でもクイーンらしいエロス(?)を感じるナンバーで、もしもクイーンが続いていたなら、'90年代はこんな曲もたくさん聴けたのかなぁと思うと少し寂しくなりました。


   おすすめは⑤「マイ・ライフ・ハズ・ビー・セイヴド」、⑥「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」、⑨「ユー・ドント・フール・ミー」、⑪「イッツ・ア・ビューティフル・デイ(リプリーズ)」です。

   ⑤は、先日ラジオ番組「ディスカバー・クイーン」の投票コーナーでバラードの1位を取りました。

   ⑪は静かな雰囲気の途中から「輝ける7つの海」の演奏が流れ出すところがドラマチックで胸が踊ります。


   他のクイーンのアルバムに比べてクセがなくさらりとし過ぎている感じもありますが、これはこれで良いです。僕は仕事中のBGMとしてよく聴いています。旋律が美しいのでBGMにぴったりなのです。


   ところで、全ての曲が終わった後に、シークレットトラックとしてインストゥルメンタルが収録されています。天国のフレディへ思いを届けているような静かな曲です。

   ただ、すごく長くて静かなので毎回最後まで聴けてないんですよね(あるいは気がついたら終わってる)


むすび

   全てのアルバムを聴き終わってみると、クイーンは前期には前期の、後期には後期の良さがあると感じました。

   前期のゴテゴテとした重みのある作風も好きですし、後期のより洗練されたシャープな作りも好きです。


   いちおう全部のアルバムの感想を書ききりましたので、次回は自分の好きなクイーンのアルバムランキングをしてみようかと思います。

   そのためにももっともっと聴きこまねば!


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