スピッツ「花鳥風月+」感想|無印との違いは?新しい発見も!?

    スピッツデビュー30周年の今年、’99年に発売されたスペシャルアルバム「花鳥風月」が「花鳥風月+」となって再発売されました。

   無印から「+」になったことによる変化は、全曲リマスタリングされたことと、インディーズアルバム「ヒバリのこころ」の6曲全てが収録されたことです。


   とにかく収録曲数が多いです。

   もともと「ヒバリのこころ」から2曲をピックアップして全13曲だったものが、「+」では4曲追加されて全17曲となりました。17曲は歴代アルバム最多です。


   ファンとしてはレア音源だったインディーズアルバム「ヒバリのこころ」が全曲聴けるようになったことが嬉しいです。

   また個人的には「花鳥風月」は大学に入って初めて一人暮らしをしたときに聴き込んでいたアルバムなので、ものすごく思い入れがあります。

   そんな「花鳥風月」がリマスタリングでどう生まれ変わったのかも楽しみの一つでした。

スピッツ「花鳥風月+」と「"MIKKE"ご当地ステッカー(KANAZAWA)」


無印曲はどう変わったか

「+」の1曲目「流れ星」から11曲目「鳥になって」まで無印にも収録されています。

   主にシングルのB面の未収録曲ですが、インディーズ時代の曲をレコーディングしたものやセルフカバーもあったりします。

「+」になって曲順は変わりましたが「トゲトゲの木」「おっぱい」も無印に収録されていますね。


   リマスタリングによる無印('99年盤)からの変化は音圧が大きくなったということです。

   単純に音量が大きくなりました。そのせいか音がパリッとしてます。

   またベースの音がクリアになったような気がします。

「流れ星」のとぅるーんとしたベースの音がくっきり響いてます。たぶん。


   あとはリマスタリングと関係ないかもしれませんが、「おっぱい」のイントロ前のコツコツというパーカッション(?)の音が少し増えてます。なんとなくエロさが増してます。


インディーズアルバム「ヒバリのこころ」からの追加曲は?

   今回「ヒバリのこころ」から全6曲が収録されました。

   曲目は

  • ヒバリのこころ
  • トゲトゲの木
  • 353号線のうた
  • 恋のうた
  • おっぱい
  • 死にもの狂いのカゲロウを見ていた

   です。

   このうち、「トゲトゲの木」と「おっぱい」は無印に収録されていますし「ヒバリのこころ」と「恋のうた」はメジャー版で知っています。

   なのでスタジオ録音として純粋に初めて聴くのは「353号線のうた」と「死にもの狂いのカゲロウを見ていた」の2曲のみです。

   ようはこの2曲の出来が今回のアルバムの最重要ポイントなわけですが……どちらもアップテンポでギターバンド全開でいいやん!!です。


「353号線のうた」はサビ前のちょっとしたアルペジオや間奏のギターソロに三輪さん感が出てるし、サビのところのシングアロングしたくなる「ぱーぱーぱぱー」が痛快です。若さも溢れてる。


「死にもの狂いのカゲロウを見ていた」は疾走感のあるイントロが素敵です。クリアなギターの音が気持ちいい。

   また長めのアウトロは本編とガラッと雰囲気が変わっているのもこの時期ならではの(若さゆえの)構成な気がしていいですね。


   では、インディーズ版の「ヒバリのこころ」と「恋のうた」はどうでしょうか。


「ヒバリのこころ」は一部歌詞に違いがあります。

「みんなもとに戻っていく」が「すぐにもとに戻っていく」になっていました。

   聞き慣れているせいか「みんな」の方がしっくりくるかな(^_^;)

   他の違いは、Aメロとかのアコギのバッキングがない代わりにキーボードが入ってる。ちょっとテンポが遅い(気がする)。アウトロのアドリブチックなギターソロがない(あるいは控えめ)といったところでしょうか。

   メジャー版よりもインディーズアルバム版はピアノロック的でちょっとエモい感じを目指していたのかなと思いました。


「恋のうた」はというと……冒頭の「お〜さ〜え〜きれぬ〜」を聴くたびに毎回せっかちだな!と心のなかでツッコミ入れてます。

「お」と「さ」の間が速い。全然抑えられてない!

   メジャーデビューしてちょっと大人になってようやく少し抑えられるようになったって感じなんですかね。(とTwitterでフォロワーの方と話してました(^_^;))


+の感想まとめ

   やっぱ「流れ星」いいな、好きだってのが一番の感想です。

   ほんとこの曲はノスタルジーを喚起して、どの歌詞も心の深くにある泉に波紋を広げてくれます。

「僕にしか見えない地図」とか「ムカデに噛みつかれた日」とか「干からびかけていた僕の明日」とか憎んだり怯えたりしたこととか。なんでしょね。こう、じーんと来ちゃうのです。

「スピカ」や「猫になりたい」もいいですが、自分のなかでは「流れ星」がダントツです。これを聴くと学生時代の下宿先を思い出すというのもあるのかもしれません。


   今回新たに「353号線」や「カゲロウ」を聴いてみて感じたのはスピッツってやっぱギターバンドなんだなーってことでした。

   草野さんの声は若いし歌詞やメロディに青臭さもあるけど、ギターの光り具合は今も昔も変わらないです。(進化してないという意味ではなくて)

   新発見なのか再認識なのかわかりませんが「スピッツのギターはかっこいいし気持ちいい!」というのが今回のまとめです。


   新作でももっとギターソロをやってほしいっす。


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