冬のある日、突然T-SQUAREが聴きたくなりました。
僕はこれまでの人生のなかでT-SQUAREを全くと言っていいほど聴いてきませんでした。
知っているのはせいぜいインストバンドでF1のテーマソングが有名、ということくらいです。
そこでまずは80~90年代の楽曲をサブスクで適当に試聴してみることにしました。
すると、良い。インストなのにメロディが覚えやすくてスッと馴染む。何度もリピートしたくなるし、ランニングのBGMにもよく合います。
ハマる予感がしたので、サブスクではなくCDを買ってじっくり聴くことにしました。
T-SQUAREは何から始める?
T-SQUAREの歴史は長いです。
1976年結成、78年デビューなので、今年42歳の僕が生きている時間よりも長いです。
オリジナルアルバムだけでも約50枚もあります。
初心者はどれから手を出したらいいのかわかりません。
これといったベスト盤もなさそうです。
いろいろ調べてみると、20周年を迎えた時期に「Wordless Anthology」という3部作のリミックス・ベスト盤が発売されていたことがわかりました。
このベスト盤は、バンドのリーダーでもあるギタリストの安藤まさひろさんがT-SQUARE(デビュー当時のバンド名はThe SQUARE)の歴史を整理するという目的のもと、時代とともにメンバーが変わっているのを踏まえて、ベーシストで時代を3期に区切って選曲したものです。
しかも安藤さんが、アルバム全体と各曲それぞれのライナーノーツを書いてくださっています。
これは「ベスト盤はライナーノーツがあるべきだ」という自分の考えにも合っています。
きっとT-SQUAREをゼロから鑑賞するのにぴったりに違いない!
ということで早速購入!……といきたいところですが、残念ながらすでにII,IIIは廃盤のよで売ってなく、3作まとめてヤフオクで探して購入しました。
Wordless Anthologyの中身は?
3枚とも次のような構成になっています。
- 安藤さんのライナーノーツ(総評1頁、曲目解説2頁)
- スクエアの年表(4頁)
- ディスコグラフィ(2頁)
ライナーノーツはけっこう細かく書いてあったので、嬉しい。
これを読むと「こんなところにこだわって作られたのか~」「こんな背景があったのか~」など、曲に対する思い入れも増します。
またディスコグラフィは20数枚のアルバムがずらっと並んでいて、なかなか壮観です。
なお、ワードレスというタイトルの通り、どの曲も歌はありません。もともとインストバドンではあるのですが、オリジナルでボイスが入っていたものも今回のリミックスではあえてカットしているそうです。
次に3枚のアルバムを順番に紹介していきます。
Wordless Anthology I
1作目は’78年から’80年までに発売された4枚のアルバムから選曲されています。
- Lucky Summer Lady
- Midnight Lover
- Make Me A Star
- Rockoon
ベーシスト区切りでいうと、中村裕二さんという方が担当されていた時期にあたります。
①「FUTURE FLY」、⑤「TAKE THE LONG ROAD」、⑧「TEXAS KID」など、ノリの良い曲が僕のお気に入りです。
特に「TEXAS
KID」は後半のこれでもか!と畳み込んでくる展開が痛快です。
Amazonレビューを見ると、リミックスが原曲の良さを台無しにしているようなことが書かれていましたが、僕がいきなりこのアルバムから入って聴く分には全然気になりませんでした。
ただ、年代が古いせいかやや音がチープには感じました。すぐに慣れて気にならなくなりましたが。
Wordless Anthology II
2作目は’81年から’86年までに発売された7枚のアルバムから選曲されています。
- MAGIC
- 脚線美の誘惑
- うち水にRainbow
- ADVENTURES
- Stars and the Moon
- R・E・S・O・R・T
- S・P・O・R・T・S
ベーシスト区切りでいうと、田中豊雪さんという方が担当されていた時期にあたります。
Iよりも時代が進んで、全体的に音がおしゃれというか都会的になった気がします。
しんみりとしたバラードにも良い曲はあるのですが、やはり飛び跳ねたくなるアップテンポな曲の方が好みです。
そんなわけでお気に入りは②「IT'S MAGIC」、⑧「OMENS OF LOVE」、⑪「TAKARAJIMA」です。
②はライブVer.が収録されています。この曲は当時、ディスコが流行っていてそれに合うんじゃないかと言われたそうです。
⑧、⑪はT-SQUAREの代表曲なんですね。知りませんでした。たしかにライブで聴いてみたくなります。
Wordless Anthology III
3作目は’87年から’96年までに発売された10枚のアルバムから選曲されています。
- TRUTH
- YES,NO.
- WAVE
- NATURAL
- NEW-S
- IMPRESSIVE
- HUMAN
- 夏の惑星
- Welcome to the Rose Garden
- B.C. A.D. (Before Christ&Anno Domini)
ベーシスト区切りでいうと、須藤満さんという方が担当されていた時期にあたります。
本作は3枚の中で最も時期が長く発表されたアルバムも多いため、選曲した安藤さん曰く「選曲しきれなかった」とのことです。
膨大な楽曲の中からわずか12曲に絞るわけですから、そりゃ難しいですよね。
ただ、そのおかげもあってか、IIIは捨て曲なしの名曲ぞろいです。F1のテーマソングで有名な①「TRUTH」も入ってますし。
また、年代も新しいせいか、前2作に比べて音も洗練されており、これまで以上にかっこいいです。
今回はノリの良い曲もバラードもどちらも好みのものが多かったです。
バラードなら②「TWILIGHT IN UPPER WEST」、③「MISS YOU」、
アップテンポな曲なら①「TRUTH」、⑥「MEGALITH」
サンバっぽいものなら⑦「ROMANTIC CITY」、
哀愁漂うなところでは⑫「PIOGGIA DI CAPRI」、
ポップでキャッチーなところでは⑩「夏の蜃気楼」がよかったです。
特に②③の流れるようなキーボードが気持ちいいのです。
やはり3枚の中ではIIIが一番のおすすめですね。
ということで、3枚のアルバムで初期のT-SQUARE(The SQUARE時代)の約20年間を知り、楽しむことができました。
もっと深く知るにはオリジナルアルバムを集めていくことだけど、さすがに20枚は厳しいかなー。まあ機会があれば。
T-SQUAREは続く!
実は調子をこいて、他にも複数枚のアルバムをネット通販やメルカリで購入しました。
まだ手付かずのアルバムが10枚以上あります。
ということでこれから毎月1~数枚ずつT-SQUAREのアルバムの感想を書いていこうと思います。
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