似てないようで似てる、スピッツ「まもるさん」と「悪役」感想

    今回取り上げるのはスピッツの「まもるさん」と「悪役」という歌です。

   どちらもシングル曲のカップリングです。(「まもるさん」は「若葉」、「悪役」は「優しいあの子」のカップリング)

「まもるさん」はスペシャルアルバム第3弾の「おるたな」にも収録されています。

スピッツ「まもるさん」と「悪役」


「まもるさん」のタイトルの由来は、サビで「君を陰ながら守ります」と歌っていることから「守る人」=「守るさん」からきていると思われます。

「陰ながら」ってストーカーかよ!とツッコミを入れたくなりますが、他にもツッコみたくなる歌詞が多数出てきます。

「幾度も逃げてる バレずに生きてる」「道からそれてる」「ダマしのテクだけ小慣れてて」「臆病仕立ての」など。

   歌全体から小物(こもの)感が漂っていて、漫画で例えるなら主人公にからんで3秒でやられる小悪党のようです。

   そんなパッとしないキャラが一生懸命に自分のできる範囲(?)で「君を守ります」「傷づきながらも」「疲れ果てるまで」と言っているところが、草野さんの書く恋する男の子らしいと言えばらしいです。


   さっくりまとめると「まもるさん」はちょっと臆病でちょっとワルっぽい男の子が女の子を守ろうとそばにいる歌というイメージがあります。


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   一方の「悪役」はというと、主人公はタイトル通りワルそうなのですが、やっぱり大悪党というよりは小悪党を想像してしまいます。

「チラシの裏のアレ」とかいかにも思わせぶりだし、「チャラけたとき」や「HAPPYな終わりキメるまで」とかも悪ぶってるだけで小物感が漂ってるし。


   ただ草野さんが「悪役になる覚悟がある」という歌詞で歌っている「悪役」が何を指しているのかがよくわかりません。

「果実に手が届くなら」と言っているから略奪愛なのかな。

   あるいは「嬉しいときも 悲しいときも 僕のそばにいてほしいのさ」と言っているから、束縛の強い愛のことを悪と言っているのかな。


   ちょっとワルぶってる男の子が女の子のそばにいようとしているところは「まもるさん」と似ています。

   タイトルは「まもるさん」と「役」で、真逆なのに、歌っているものが似ているというのが、スピッツ草野さんらしい天の邪鬼というか二面性が出ていて、面白いなぁと思うのでした。


   あと、若干こじつけるなら、「悪役」のなかに「若葉の匂いのなかで」という歌詞が出てきます。

「まもるさん」はシングル「若葉」のカップリングなので、「悪役」に「若葉」という単語が出てくると、「まもるさん」とちょっぴりつながっているような気がしなくもないです。


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   余談ですが、「まもるさん」とか「悪役」というタイトルを聞くと、子供の頃に流行っていた「ビックリマンチョコ」に登場する種族の「おまもり」と「悪魔」を思い出します。

「ビックリマン」には他にも「天使」という種族がいます。

   スピッツにも「僕の天使マリ」という歌があるので、これで「天使」「悪魔」「おまもり」の3種族が全てそろいます。おお、なんという偶然!


「ビックリマンチョコ」は最近いろいろなものとコラボ企画をしているのでスピッツとコラボして「スピッツマン」とかどうでしょうか。

   メンバーの2頭身デフォルメシールが付いてきます。……ダメかな(^_^;)

   

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