本嫌いの父親が何故か急に「この本読め」と言って渡してきたのが表題の「大名倒産」です。
タイトルからして時代小説であり、自分が普段は読まないジャンルなのですが、せっかくなので読んでみることにしました。
かんたんに内容を書くと、丹生山藩の先代当主は十数代にわたって積み重なった天文学的な借金を踏み倒して計画倒産するため、末息子の小四郎に家督を継がせて隠居します。
思いがけず大名になった小四郎は、そのクソ真面目な性格ゆえに、幼馴染の家来や助っ人の勘定役とともに破綻寸前のお家を立て直そうと帆走するが、次々に難題がふりかかり……丹生山藩の存続はいかに!?がんばれ若殿!!
というお話。
時代小説なので堅苦しいかと思いましたが、ところどころ、ぷっと笑えるギャグもあって読みやすかったです。
なにより真っ直ぐにがんばる若殿の姿に心打たれて少しずつ仲間が増え、それとともに道が切り開かれていくストーリーはエンターテインメントとして楽しかったです。
要所要所で入ってくる人情話もベタだけど、王道ゆえに、目頭が熱くなります。
ただ、登場人物が多すぎたかなー。後半以降は語られる人物が多すぎて内容が広く薄くなってしまった気がします。
中盤からは貧乏神や七福神も出てきて、かなりてんやわんやでした。
もっと小四郎(若殿)とその周辺だけにスポットを当ててくれたほうが話がしまっておもしろかったかな。
個人的には上巻で超節約の参勤交代を完遂して、越後に初めて入って育ての父と再会したたあたりが物語のピークでした。
面白いのは面白いんですけどね、名作にはいま一歩、といったところです。
ところで、どうして親父はこの本を買って、息子の僕に貸したのでしょう。
本なんてほとんど読まない人なのに。
も、もしかして、実家も計画倒産しよとしていている??これはその暗示?
いやいやいや。特に深い意味がなければいいのですが(^_^;)
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