ヨルシカの2作目のアルバム「エルマ」を聴いています。
ヨルシカ「エルマ」
公式の作品解説によると
前作『だから僕は音楽を辞めた』の続編となる作品としてコンポーザーであるn-bunaが物語を書き下ろしたコンセプトアルバムとなっており、前作の主人公の青年から送られてきた手紙に影響を受けたエルマが手掛けた楽曲
というバックストーリーがあるそうです。
もっとも僕は前作「だから僕は……」を持っていないので、細かい設定や物語を気にせずに聴いています。
背景を理解し物語を読み込んだほうがより深く作品を味わえるのかも知れませんが、何も知らずに聴いても、美しい旋律と儚い世界観に心打たれます。
例えば「雨とカプチーノ」の
「灰色に白んだ言葉はカプチーノみたいな色してる」
わかるようなわからんような。でもなにかこうモノトーンの情景が目の前に浮かびます。
儚いだけではなく、力強いメッセージなり叫びが込められた歌詞もあります。
例えば「心に穴が空いた」の
「君の心に穴を空けた 音楽がなんだっていうんだ」
あるいは「雨晴るる」の
「歌え 人生は君だ」「消えろ 全部消えろ」
鬱屈とした状況からの解放を求める心の叫びが感じられます。
「言葉」へのこだわり
そうそう、このアルバムでも3作目の「盗作」同様に「言葉」という単語が多く出てきます。
- 「君は言葉になる」(夕凪、某、花惑い)
- 「灰色に白んだ言葉」(雨とカプチーノ)
- 「言葉になろうと残った思い出だけが」(雨晴るる)
- 「君の言葉を食べて動く」(歩く)
- 「君の言葉で穴が空いた」(心に穴が空いた)
- 「わからないから言葉のずっと向こうで」(声)
- 「言葉だって消耗品」(エイミー)
言葉というものに対する並々ならぬこだわりが感じられます。
特に「言葉になろうと残った思い出」というフレーズが印象に残ります。
嬉しかった記憶も悲しかった記憶もデティールから少しずつ削げ落ちていって、言葉にならなかった部分は思い出として残ることなく消えてしまう。
だから今感じたものをずっと先まで残しておくために詩があり、言葉にならずに消えていくものをつなぎとめるために音楽はあるのかもしれない、とかなんとか思いました。
(ただ、「エルマ」というアルバムからは音楽に対してすら否定的な態度が読み取れますが)
3rd,2nd......次は
いろいろ考えさせられるところはありますが、ヨルシカの音楽は単純にメロディが美しく歌詞が流れるようにきれいです。
「盗作」も「エルマ」も上質で良いアルバムです。買ってよかった。
次に買うのは1stアルバムかな。
サブスクでも聴けるのですが、やはり気に入ったアーティストの音楽はCDでほしくなります。
(まあ結局CDで買ったあとにスマホではサブスクで再生していたりするわけですが)
コメント
コメントを投稿