あいみょんの3rdフルアルバムを聴いています。
最近は最新アルバムでも当たり前に発売日にサブスクで配信されるので、CDを買う付加価値を高めるために、発売前日にフラゲして、サブスクでは配信されないであろう弾き語りCDの付いた初回限定盤を買いました。
タワレコで買ったら、ついでにクリアファイルもおまけで付いてきました。
歌詞カードが素敵
あいみょんのCDを買ったのは今回が初めてですが、歌詞カードのデザインがめっちゃいいですね。
歌詞カードをめくると、パスタでできたお花と、紫と橙を基調にした写真が数点あるのですが、インスタ映えするおしゃれさとTwitterネタになりそうなおかしさとかが同居していて、おもしろいなぁと。
歌詞カードが奇麗だと、CDを買ってよかったと感じます。サブスクやデジタル配信では手に入らないし、手元に置いておけるものだから。
(CDを作る方々には、ゴテゴテした特典ではなくて、純粋なジャケットや歌詞カードの良さで勝負してほしいと、以前から思っているのですが、僕だけでしょうか)
本編Disc感想
本編CDは全12曲で、うち5曲がタイアップありという贅沢な構成です。
ヒットした「ハルノヒ」「空の青さを知る人よ」「裸の心」は言わずもがなの名曲です。明るかったり、切なかったり、あるいはしっとりしていたりして、馴染みやすい。
一方アルバム曲は雰囲気がガラッと変わって、暗めだったり、毒があったり、淫靡だったりします。(こちらの方があいみょんらしいのかな?)
「余裕のある人はかっこいい でも余裕のない人生は燃える」(黄昏にバカ話をしたあの日を思い出す時を)
「どっかの公園の隅にでも捨ててください」(朝陽)
「目の前にあるマシマロの丘 チョコレイトで汚したい」(マシマロ)
「どん底に落ちた女のふりして 適当に頭を撫でられ 食べていく」(そんな風に生きている)
などなど、ヒヤッとしたりドキッとする歌詞が多いです。
全体を通して聴くと、アルバムの節々から「うまくいかないことだらけだけど、こういう生き方しかできないんだから、仕方ないじゃん」というスタンスが感じられます。
そして、それを弱さや自虐ではなくて、ふてぶてしく歌っているのがいいです。
ロックだなーと思うのでした。
弾き語りCD感想
弾き語りCDは初回限定盤に付いてきます。
全曲、ギターの弾き語りアレンジです。
これだけで一枚のアルバムとして成り立つくらいの出来映えです。
どの曲も弾き語りアレンジだからといって、音が薄く聞こえないのがすごいところです。
ギター一本になったことで、むしろ歌が持つ本来の強さがよく引き出されています。あいみょんの歌声の真っすぐな伸びや、一つ一つの言葉の響きの良さなど。
特に言葉のノリの良さをあらためて感じました。長い文章でも言葉が自然にメロディに乗っている。
あいみょんの歌はよく’90年代歌謡曲のテイストがあると言われていますが、このノリの良さはやはり’10年代以降のものですね。
先日、スピッツの草野マサムネさんがラジオ番組の中で「ヒップホップを通る前と通った後の世代で楽曲の作り方が違う」というようなお話をしていましたが、あいみょんにも「通った後」の感性を感じます。
個人的には「愛を伝えたいだとか」「二人だけの国」の2曲が特によかったです。
あいみょんと僕と私
歌詞を読んでると「僕」(男性)と「私」(女性)でキャラを使い分けている、というか個性が違っていて面白いと感じました。
「私」の歌詞はやらしさや狡さが出ていてリアルで、「僕」の歌詞はたよりないけどかっこよくあろうとしている感じがあります。(大雑把ですが)
例えば「君の強さと僕の弱さを分け合えば どんなすごいことが起きるかな?」(ハルノヒ)と、「私遅かれ早かれ後悔するから 何でもいいよ もう何でも」(朝陽)の差異。
性を変えることで違う自分に憑依しているのかな、とか。
太宰治の文学が男性主人公の話は暗め(本人っぽい)なのに対して、女性主人公の話は明るくてたくましい、という違いがあるのと似ているなーとか。
そんなことを思いました。
なんとなくですが。
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