ローリング・ストーンズなんて知らないけれど

   ここ数ヶ月、ローリング・ストーンズのロックを聴いています。
   書斎で。リビングで。ランニングのBGMに。

なぜ今ローリング・ストーンズなのか

   きっかけは、ネットのフリマでローリング・ストーンズのSACDが売り出されていたことです。
   SACDは数が少ないうえに発売されてもすぐに売り切れて中古も高額になることが多いです。しかし売り出されていたSACDは、ほぼ定価で新品・未使用でした。これはかなりおいしい!
    また、これまで僕はローリング・ストーンズのCDを買ったことがなく、家にはCDが一枚もありませんでした。ロック界の大御所の音楽を知らないというのは、人生を損している気がします。
   ということで、これを機に、貴重なSACDでローリング・ストーンズを聴いてみよう!という気になったのでした。

   特に時代の要請を感じたということもなく、ただ興味が湧いたのが今だった、というのがローリング・ストーンズを聴くことにした理由です。全然たいしたことじゃないですね。

今回購入したローリング・ストーンズのCD

   さてさて、今回、2回に分けてローリング・ストーンズの円盤を2枚買いました。
   どちらもSACDハイブリッド盤です。(普通のCDプレーヤーでもCD音源として再生できるので便利)

   1つ目は『レット・イット・ブリード』(Let It Bleed)です。
   ケーキの描かれたジャケットに見覚えがあったので、きっと有名なアルバムに違いないと思い選びました。
   1969年発売。なんと50年以上前です。
ローリング・ストーンズ「レット・イット・ブリード」(通常版)(Amazon)


   この「Let It Bleed」が思いの外よかったので、もう一つ買いたくなり、次はベスト盤を買うことにしました。

   それが2つ目の『シングル・コレクション (ザ・ロンドン・イヤーズ)』(Singles Collection: The London Years)です。
    初期の60年代のシングルA面B面を集めた3枚組のベスト盤です。
   むかしの曲は演奏時間も短いので、全部で58曲も収録されていて、ボリュームたっぷりです。
ローリング・ストーンズ「シングル・コレクション (ザ・ロンドン・イヤーズ)」(通常版)(Amaozn)


ローリング・ストーンズなんて知らないけれど

   みなさん、ローリング・ストーンズ聴いたことあります?
   僕は自分から聴いたことはありません。なにせCDも持っていなかったくらいですから。

   もちろん名前は知っていました。有名ですから。
   しかし代表曲が何かなのか、ミック・ジャガーが何の担当(ボーカル?ギター?)なのかすら知りませんでした。
    70年代デビューだと思っていたのに、更に10年遡って60年代から活躍していたということも今回初めて知りました。

   そんなローリング・ストーンズ初心者なので、せっかく買ったのに50年も前の楽曲を聴いて退屈だったりつまらなかったらどうしよう、と不安はありました。
   しかし聴いてみたら、それは杞憂に終わりました。

ロックは良くも悪くも変わらないのかもしれない

   2つのCDを聴いた率直な感想は「いま聴いてもかっこいい!!」です。

   例えば「Let It Bleed」(楽曲名)はピアノとギターのからみが気持ちいい。
「Mokey Man」は間奏のピアノの上昇感がエモいし、後半のボーカルのシャウトがいかにもロックでかっこいい。
「Not Fade Away」はハンドクラップとハーモニカの共演が痛快。
「Paint It, Black」はグイグイと押し出してくるエネルギーがすごい。
   この時代のロックに全く精通していない人間が聴いても、どの歌もシビれるものがあります。

   録音は多少古いところはあります。しかしリマスタリングのおかげか音はクリアです。ドラムもギターもパワフルなので、音源で今のCDに比べて大きく見劣りしているということもありません。

   また自分が英語を聞き取れないおかげもあって、歌詞に古臭さを感じることもないです。(たぶん日本語だったら歌詞で古いと感じたかもしれない)むしろ英語というだけでかっこよく聞こえます。(ダメな子な意見)

   演奏については、テクニックの難しいことはわからないので、単純に飛び跳ねたり踊りたくなるか、ようは音が気持ちいいかどうかが僕の基準です。結果的に、身体が自然と揺れて弾けたくてうずうずしました。すごくいい!

   もしもこれらの楽曲を50年前のローリング・ストーンズのものと知らされずに、60年代のロックをオマージュした新鋭の硬派なロックバンドの新曲として紹介されたら、たぶん僕は信じてしまうと思います。
   そして「お、こういうのも懐古的でいいね」なんてわかった口調で褒めてるアホな姿が容易に想像できます。
   さすがローリング・ストーンズ、時代を超えてます。

   と、感心する一方で、古いロックが現代でも通じるということが一概に良いことなのか、疑問にも思います。
   ロックはここ50年で進化していないのではないか。

   もちろん今のロックの方がかっこいい部分はたくさんあります。
   デジタルなアレンジや、よりドラマチックな展開、従来にない歌詞の言い回しなど。
   進化していないわけではない。

   だとしたら、ギターとベースとドラムがドーンッと鳴って、ボーカルがワーッときたらウキウキするという、基本的な部分がここ50年で変わっていない、ということかもしれません。
   今でもギターやベースを背にして自転車に乗っている高校生を見かけますもんね。
   いつの時代も、ロックとそれを聴く人の心は変わらない。
   ロックは不滅なのです!良くも悪くも。

   ということで、今日もローリング・ストーンズを聴きながら、英語はわからないのでノリだけで身体を揺らしてます。
   ロックやバンドというものがどうなふうに変わっていくかはわからないけれど、ロックバンドの音が好きなので、これからも少しずつ古今東西いろいろな楽曲を聴いていこうと思います。