それが人生だ! 〜スピッツ「花泥棒」感想

「花泥棒」はスピッツの7thアルバム「インディゴ地平線」の1曲目に収録されています。

   演奏時間は1分51秒と非常に短いです。
   人生の最高潮の瞬間をこれでもかというくらいにギュッと詰め込んだような、あるいは短距離走を全力でダッシュするような歌です。

   作曲はギターの三輪さんです。
   三輪さんの作る曲は「月に帰る」のようにメロディが綺麗な印象がありますが、「花泥棒」はファンキーです。ってファンキーの使い方があっているかどうかわかりませんが。汗

   この歌を象徴し、かつ破壊力がある歌詞は「この花を渡せたら それが人生だ!」ではないでしょうか。
   そう叫ばれたら、「そうですね、ごもっともです」と首を縦に振るしかない。なんだかよくわからない説得力があります。

   ノリノリで楽しい歌……のはずなのですが、十代の頃、僕はこの歌がちょっと苦手でした。
   なんでだろう、と思い返してみたら、たぶん、渡したい人に花を渡せなかったからなのだと思います。
   ウジウジしていたので、「この花を渡せたら それが人生だ!」と言い切って行動に移す度胸がなかったのですね。

   そう考えると、僕はスピッツに「花は買ったけど渡せないまま夢だけ見ていました」という歌を求めていたのかもしれません。
   めっちゃただの自己肯定やん!
   ……なんかすんません。