雪玉のようなひんやりとした感触 〜mol-74 "Teenager" 感想

   11月に発売したmol-74のEPを購入しました。
   EPということで、収録曲数はミニアルバムよりも少なく、シングル盤よりも多い、全4曲です。
   mol-74のCDとしては4月に発売したメジャーデビューアルバム以来になります。
   あちらはセルフカバー要素が強かったので、純粋な新曲という意味ではミニアルバム”Saisei”以来2年ぶりでしょうか。

   mol-74らしい儚いひんやりとしたEPです。
mol-74"Teenager"(Amazon)

① Teenager

   タイトルの通り青春さわやかな曲です。その季節の真っ只中にいるというよりも少し離れた後に回顧している歌詞です。
   ポップでアップテンポなのでライブで盛り上がりそう。リード曲にぴったりです。
   サビの部分で階段を上がるように、だんだんと高音が上がっていくのが気持ちいい。

   ただ突き刺さるものがあるかというとちょっと弱い感じもしなくもない。
   こういう曲ならもっと得意なアーティストは他にもいっぱいいるとも思いました。
   いや、いい曲なんですけどもね。


② Couverture

   どちらかというと、1曲目よりも2,3曲目がmol-74らしい儚く刺さる感じがあって、好きです。
   ”Couverture”の意味を調べたら「ココアバターを含むチョコレート」と出てきました。冒頭の「溶けるそれのようだ」という歌詞がチョコレートのことなのかな。
   ゆっくりとしたテンポに綿雪が舞うようなメロディが美しいです。
「溶けてしまった僕らの世界は」という歌詞が綺麗。

③ Playback

   冬の日の深夜のようなひんやりとした感触がmol-74らしい一曲です。「フローイング」に近い印象を受けます。
   サビの疾走感が雪原を走る夜行列車のようで好き。
   これはライブで聴きたいな。
「いつかは年を取ってさ」というサビにドキリとします。

④ 約束

   アレンジがおしゃれ。これまでありそうでなかった感じ?

* * *
   ②③でmol-74らしい儚く刺さる楽曲を示しつつ、ドアオープナー的な①や、おしゃれな④をからめることで、全方位をカバーするような構成になっていると感じました。
   尖った部分を握って丸くした雪玉みたいな感触のEPです。ひんやり感がmol-74らしいです。

  サブスクでも聴けるのでmol-74に興味を持たれたらぜひ一度聴いてみてください!
   約17分でmol-74の世界を知ることができます。
   おすすめは②③です。