切り取った空の色は ~スピッツ「優しいあの子」感想

「優しいあの子」はスピッツの42枚目のシングルです。
   NHKの朝ドラ「なつぞら」の主題歌にもなりました。

   草野さんは朝ドラのタイアップの話をいただいてから、何度も北海道の十勝を訪れたそうです。
   そこで感じたものを詞にしたら、ドラマのタイトルは夏なのに、冬っぽい仕上がりになったのだとか。
   たしかに「氷を散らす風すら」「芽吹きを待つ」「寂しい夜温める」など、夏よりも冬から春にかけた歌詞が多いです。
   ただ、自分が何度か行ったことのある北海道は、夏であってもその日差しや自然のなかに冬の厳しさを内包しているようだったので、冬っぽい仕上がりの夏の歌というのは北海道のイメージに合っているように思います。
   冬から夏にバトンを渡す感じ……、素敵です!

   ということで、6月18日、待ちに待った「優しいあの子」のシングルを買うために金沢のタワレコまで行ってきました!!
   正面にブースもできていて、シングルCDがどーーんっと置かれていましたよ。
   スピッツのシングルがこんなに大きく取り上げられたのは久しぶりじゃないですかね。
タワレコ金沢 優しいあの子 スピッツ

早速「優しいあの子」を聴いてみた

   収録時間は3分24秒。相変わらずスピッツの歌は短い!
   そして、3分半は個人的にはスピッツの黄金律です。(長すぎず短すぎず、おいしいエキスがギュッと搾って詰まってる)……演奏時間一つを取っても、たまらなく魅力的です。

   じっくり聞きこんで時間を置いてから感想は書こうと思います。
   ここでは一つだけ、好きな歌詞を。

「切り取られることのない 丸い大空の色を
   優しいあの子にも教えたい」

   ついつい「丸い青空の色を」と歌ってしまいたくなりますが、歌詞は「大空の色」なんですよね。
   空の色=青色と思い込んでいる限り、きっとこの詞は書けない。(僕がそう)

   誰かに伝えたい教えたいと思う空はどんな色なのだろう。草野さんならその色をどう表現するのだろう。と、CDを聴きながら想像するとワクワクします。
   僕のイメージでは、ただ空がどんッと広がっているのではなくて、空の下には茶色の山肌や草木の緑や、屋根の赤や黄色が散らばっていて、たくさんの色が世界をぐるっと囲んで、空が丸くなっている。
   その空の色を言葉で切り取ったならなんと言うのか。

   今年の夏は、誰かに教えたくなる丸い大空をさがして出かけてみようかなぁ。(また一人旅したい)
   歌を聴きながらそんなことを思いました。