あやしい仮面舞踏会のよう ~スピッツ「ムーンライト」感想

「ムーンライト」はシングル「ホタル」のカップリングとして発売されました。スピッツのスペシャルアルバム第2弾「色色衣」の5曲目に収録されています。
「ホタル」はシングル盤なのに3曲も入っていたのでお得感があり、当時はラッキーって気分でした。(「ホタル」はスピッツ初の12cmマキシシングルでもありました)

「ムーンライト」の第一印象はとにかくあやしいです。
   イントロのギターからしてあやしい雰囲気が漂っています。
   歌詞も負けじとあやしい。
「ああ なぜ出会ったのか」「ああ チャンスを待ったのは」「ああ……新しい罰など」といった歌詞を聴くと、道ならぬ恋を連想してしまいます。

   また全体的にコーラスが厚く、不思議な響きをしています。
   さらにサビではダブルテンポになるので、くるくると踊り舞っている感じが出ています。

   僕が思い浮かべるのは例えば……、
   夜の森をさまよい歩いていると、不思議な洞(ほこら)をみつけ、ふらっと吸い寄せられるようにその深くに入り込んでいく。
   すると奥には天井がぽっかり空いた広い空間があり、たくさんのあやしい影が月明かりの下で踊っている。影はみん仮面をつけていて素顔が見えない。
   最初は怖くて岩陰にこっそり隠れて見ていたのだけれど、やがて影の一人から仮面を渡され、自分も舞踏会に参加するようにうながされる。
   おっかなびっくり踊っているうちに、徐々に気持ちが軽くなり、月光の下で体がくるくると回り出すころには、夜の空気にすっかり心が溶けだしている。
   舞踏会は月が高く昇っても終わることを知らず、月が隠れるまで続き、そして……というイメージです。

   ライブで聴いたことはないですが、ライブだとどんな感じなんでしょうね。
   ミラーボールとか回りだしたりして。